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「だからさ、俺とつきあってくれよ。」
一つ年上の連中。周りにははやし立てる同年代の男子集団。
巴の人気を悪い意味でも具体的に描いてしまっている場面だ。
「え、・・・えっと・・・。」
男連中に圧されて否定したら何をされるか、というか否定できる状況下にはない。
最も、肯定するつもりなど巴にはさらさらないわけだが。
そんな様子を角一つ曲がった場所から眺める人影が二つ。

「これは不味いわね。」
一人は真紅。
「伝えるべきじゃない?」
もう一人は蒼星石。
二人とも『たまたま』角を曲がり『たまたま』この現場に遭遇してしまったことになっている。
別にストーカーしたとかそういうのではない。

決着がつく前に急いで教室へと戻り席で外を眺めていたジュンへと報告した。



「というわけで来なさい。」
報告、というか強制命令の割合を2:8の8に含む。
「さんきゅ。」
巴が何か、というわけではないがだからといって先輩に押し切られているままでは気が気ではいられない。

急いでその現場に向かった。

「―あーもう。あんたも強情だなぁ。」
というのは最初から押している告白者本人ではない。
「だからコイツと付き合っちゃえばこの場からは開放されるんだよ?」
というのも別の人物。

「アイツら…。」
先輩を「アイツ」呼ばわりするのはあまりする方ではないジュンが軽く怒りを覚えた。
「行きなさい。」
「助けるんでしょ?ファイト。」
最初から二人が行けばすむ問題ではあったのだが
―どうせならくっつけちゃえ。という二人の思惑もあった。そうじゃなきゃ最初から報告などしない。

軽く後押しをされた―というか二人の思惑に見事のはまってる―ジュンは巴のそばへとかけよる。





「あの。」
巴が窓際に追いやられているところを割って入る。
「なんだ?」
一番ジュン寄りにいた男が振り向く。誰も止めるそぶりを見せない連中。
ジュンはつかつか、と巴を歩みよると強引に体を引き寄せた。
そして。

「むぐっ!」
巴の顔が真っ赤に染まる。ジュンにとっては最初から狙った行動だが。
「・・・というわけで。すいません先輩方。この子は僕のなんで。」






こんなことを目の前で見せ付けられては手を出すわけにはいかない。
力づくでもよかったのだが、後ろにはどちらかというと先輩側が(力的に)畏怖する真紅と
(知能的に)畏怖する蒼星石の二人が控えていることに気づき、何もできなかった。
そしてその二人がジュンのもとへ来るのと同時に蟻の列がのけられるかのように散らばった。

「…えっと、ごめん。あんなことして。」
緊急だったとはいえアレはまずいよなぁ・・アレは。と腰が抜けている巴の体を支えながら謝る。
当の本人は先ほどからジュンしか視界に入っていないようだ。その様子を二人は若干あきれ気味にジュンへと呟いた。

「よかったじゃない。」
「ほんとにね。」
そして二人同時に呟いた。

「…まさかキスするなんてねえ・・・。」




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