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「そういえば巴。貴方の剣は随分変わった形をしてるのね。」
地図を片手に話せる島のケイブに向かう途中、真紅が巴の腰に差してある剣見ながら言う。
「コレ?これはカタナって言って、遥か古代に使われてた剣らしいよ。多分、今の時代使ってるのは
ウチの流派くらいじゃないかな。」
巴の剣は現在アデンで主流として使われてる剣とは明らかに形が違った。アデン主流の剣は、両刃の直剣
であるが、巴の剣は片刃でしかも先に向かうに従って反っている。当然、鞘も剣に従って反りが入っている。
「そうそう。それに、鞘から抜くと同時に切ってたりしてたよな。あれ、僕らの剣だと出来なくないか?」
「うん、あれは居合いって言う抜刀術でね。この反りがあるから可能な事なんだよ。見ててね?」
JUMの言葉に巴がカタナの柄を持ち、構える。そして、次の瞬間ヒュンと音を立てて風を切った。
「う~ん……見えないんだよなぁ。どうやってるんだ?」
「口で説明は難しいけど・・・用は腰の回転と、後は鞘走りと言って鞘の中で加速が完了してるんだよ。」
巴が説明してくれる。が、真紅にもJUMにもイマイチ理解できてないようだった。
「まぁ、特殊な剣技なのは分かるのだわ。流派って言ったけど・・・ドコかに道場とか持っていたの?」
すると、巴は首を振った。
「ううん、私の家は中流貴族でね。当時の城主様に奉公してたんだよ。まぁ……アデンなんだけどね。」
巴の言葉に真紅とJUMはピクリと反応する。
「そう……その貴方がどうして旅なんて?」
「反王の乱で家族とも生き別れになっちゃってね。旅をしながら探してるの。後は……仕えるべき主を
探してるってトコかな。やっぱり……反王は許せないから……」
巴の言葉に真紅はそう、とだけ言った。真紅はまだ巴にアデン城主ローゼンの娘とは言っていない。
言ったところでどうかなるわけではないからだろう。
「んじゃあ、このチビっ子は?この子は妹か何か?」
JUMが後ろをチョコチョコ歩きながらついて来る雛苺を指差しながら言う。


「うよ?ヒナ?ヒナはトモエの妹じゃないよ?ヒナは貰われッ子なのよ~。」
雛苺は何故かニコニコしながら言う。巴が言う。
「雛苺は私が拾った子なの。拾ったって言うと何か変だけどね……」
「へぇ~。それじゃあ魔法も柏葉が教えたのか?」
「ううん、私は魔法は全然だから。お母さんが少しかじってたからね。それでヒナは魔法を教わってたの。」
雛苺がそーなのよ~と相変わらずニコニコしている。そんなこんなで、ようやく話せる島のケイブの入り口に
到着する。JUMを先頭にケイブに侵入する。中は多少の明かりはあるものの、暗闇の世界だった。
「暗いわね……JUM、ランタンを用意なさい。」
「うよ、ヒナにお任せなのよ。…う~と……光の玉よ、我らを照らせ……ライト!」
JUMがランタンを探してる間に雛苺が杖にマナを集め魔法を発動する。出てきたのは周囲を明るく照らす
光の玉だった。この明るさならランタンなど不要だろう。
「あら、意外に役に立つわね。下僕としては上出来よ雛苺。」
「う?ゲボク?」
「ふふっ、よかったねヒナ。ヒナの力が役にたったって。」
下僕の部分はスルーしてるのか、巴が雛苺に言う。すると、褒められてるのが分かったのか雛苺がやったーと
両手を挙げて喜びを表す。
「何だ、いらないじゃないか……よし、それじゃあさっさとエルダーっての探すか。いつ戦闘になるか分からない。
一応武器は抜いておいた方がいいかもな。」
JUMがスラリと剣を抜く。白銀の剣がライトの光を反射する。
「そうね……ケイブには魔物が多いのが定石なのだわ。気をつけて行きましょう。」
真紅も同じように宝剣ホーリエを抜き、両手でしっかりと柄を握り締めた。


「よっとぉ!」
JUMがスケルトンの剣を盾で受け、そのまま盾で顔を殴りつける。骨だけあって、粉々に顔が砕ける。
ケイブの中は主にアンデットモンスターが蔓延っていた。骸骨戦士スケルトンや、動く腐乱死体ゾンビ。
スケルトンやゾンビの上位種のスパルトイやグールである。真紅たちはそれをなぎ払いながら進んでいった。
「やれやれ……陰気臭いトコね。そもそも、エルダーはここで何をしようというのかしら。」
真紅が心底嫌そうに言う。さっきから蜘蛛の巣やらが顔にひっかかりご機嫌ナナメのようだ。
「う~ん……もしかしたら…あれかなぁ。」
巴が頭を捻りながら言う。それは、かつて話せる島で起こった惨劇の事だった。


レッドナイト、グンターがこの島に来た時。村人は一人残らずいなかったと言う。異変を感じたグンターは島を
調査。すると、ケイブに異様なエネルギーがある事に気づく。グンターが兵を率いてケイブに行くと
禍々しい力を持った悪魔『バフォメット』が村人の精気を喰らっていたと言う。グンターは戦いを
挑み、何とかバフォメットを封印する事に成功し今もケイブの2階にはバフォメットが封印されている
という……これが今より20年ほど前の話であった。


「成る程ね……もし、エルダーがバフォメットの封印を解こうとしているならば、絶対に止めなくちゃ……」
真紅が言う。その時だった。一条の炎の矢が真紅たち目掛けて飛んでくる。
「真紅!!」
JUMが真紅の前に立ち、炎の矢を盾で防ぐ。矢は盾で爆発し、JUMを若干吹き飛ばす。
「ほぉ……我が魔術を防ぐか……」
現れたのはローブとフードを着込んだ魔術師風の男だった。


「JUM、しっかりするの!癒しの光よ・・・ヒール!」
雛苺がJUMに近寄ってヒールで手当てをする。火傷を負ったJUMの傷がみるみる癒えていく。
「ありがとう、雛苺。てめぇ……よくもやってくれたな。」
JUMが盾と剣を構える。
「貴方がエルダー?だとしたら、目的は?ここはいきなり他人を攻撃していい場所でもないでしょう?」
「くくっ、これはこれは……正当防衛のつもりだがねぇ……先ほど君らが言ったではないか。
バフォメットの封印を解くならば止めると。それは力ずくでだろう?なら、私も力ずくで排するまで!」
エルダーが言う。それに呼応し、真紅が叫ぶ。
「貴方!バフォメットの封印を解く事がどんな事か分かっているの!?あれは悪魔よ?」
「分かってるさ……何せ私はバフォメット様の下僕だからな……長かったぞ。あの方の封印を解ける段階
までくるのにな…だが!あと少しで封印は解ける。貴様らに私の邪魔はさせんぞ!!出でよ、僕よ!」
膨大な魔力が吹き荒れる。同時に、地面からエルダーの召還したスケルトンが現れる。
「ちぃ!真紅、戦うしかないぞ!バフォメットの封印を解かれたら・・・この島は!」
「分かってるのだわ!覚悟なさい、エルダー!JUM、巴、雛苺!いくのだわ!」
真紅とJUMが複数のスケルトンとエルダーと対峙する。
「いくよ、ヒナ。何としてでも止めなきゃ……もう自分の無力さを感じるのは沢山……」
「うよーい。悪い奴はやっつけるのよー!」
巴が鞘からカタナを抜く。狭いケイブで居合いは不利と踏んだのか、スケルトンに向けてその刃を向ける。
同じように雛苺が杖を構えて、精神を集中させ大気中のマナを集める。
ここに話せる島の命運を賭けた戦いが始まった。
To be continued


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