『金糸雀リサイタル』
10月15日午後3時、恐怖のリサイタル(?)が始まった…
金「みんな集まってくれてありがとうかしら~。カナ、頑張るかしら」
ジ(無理やり連れて来させたくせに…)
金「それでは、行きま~す」
ボエ~ッ!(歌声)
ギ~~ッ!(バイオリンの演奏)
ジ「オエッ…」
真「ひどい歌声…」
水「問題外ねぇ」
翠「バイオリンも酷い演奏ですぅ~」
蒼「素人以下の演奏だね」
雛「気持ち悪くなったの~」
薔「ジャ〇アンリサイタル!?」
雪「あぁ、耳が…」
金糸雀にはみんなの会話は聞こえていなかったようだ。
金「どうだったかしら~?」
ジ「と、とっても良かったよ!なぁ、みんな?」
一同「う、うん」
みんな辛いのを我慢して小切りで拍手をしていた。
金「そう?なら、2番に続けるかしら~」
全員「(; ̄д ̄) エェェー!」
このリサイタルは夜まで続いた…
J「なぁ、金糸雀。」
金「なにかしら?」
J「なんで、お前は僕を好きになったんだ?」
金「うーん…よく分かんないかしら。気付いたら一緒に居る時間が増えてて、気付いたら好きになってたかしら。」
J「ふ~ん、そうなのか。」
金「ジュンは、なんでカナを好きになったのかしら?」
J「僕も理由なんて無いよ。強いて言えば、金糸雀と同じ理由だよ。」
金「ふ~ん、そうなのかしら。」
好きになるのに理由なんていらなかった。
二人で一緒に居られたらそれで良かった。
他には何もいらなかった。
あなたが隣りに居てくれたから……
この時までは。
続かない
「JUMー、何してるかしら~?」
JUMが中庭でくつろいでいるところに金糸雀が遠くから声をかけた。
「別に。」と答えようとしたが駈けてきた金糸雀が目の前で転んだので
JUMは一旦キャンセルして金糸雀を抱え起こした。
「いた~い、転んで怪我したかしら。」
「派手に転んだな、大丈夫か?」
「ここが痛いかしら。」
金糸雀がおでこを指さして言った。
しかしJUMの見たところ外傷は全く無かった。
「あつっ、ここも痛いかしら」
次に金糸雀は肘を指さして言った。しかしここも外傷は見られなかった。
「膝も痛いかしら。」
金糸雀は擦り傷も無いのに次々と指差して痛みを訴えた。
JUMも心配して症状を詳しく聞いてみた。
「どんな痛みなんだ?」
「どの箇所もとにかくとても痛いかしら。」
「骨折なのかな?痛いのはここか?」
「あれ?JUMが触ると痛くないかしら!?」
JUMは金糸雀の様子から痛みの原因を突き止めた。
「金糸雀、おまえ人差し指を骨折してるぞ。」
《でこピカカナ丸》
J「のど渇いたな、コンビニでお茶でも買うか。」
金「ついでに涼んでいくかしら。」
中の涼しさは外界とは比べ物にならない。
JUMは立ち読みする金糸雀に付き合ってしばらく涼んだ。
十分に堪能したところでペットボトルのお茶を選ぶことにした。
J「お、サントリーの烏龍茶安いな。これにしよう。」
金「待つかしらJUM、こっちのにした方がいいかしら。」
金糸雀が手にしたのは1㍑入り紙パックの烏龍茶。
J「なるほど確かにこの方が安いな、量も多いし。
でも外で飲むのはちょっと恥ずかしくないか?」
金「大丈夫、いい方法があるかしら。」
お茶を買ってコンビニを出た金糸雀は
鞄から空のペットボトルを2コ取り出して移し替えた。
金「はいJUMの分、これで見た目は同じかしら。」
J「つ、つるせこーっ!」
金「37.6度…風邪かしらー」
ジ「うーん…頭痛い…」
金「大丈夫かしら?病院行くかしら?」
ジ「ん…別にいいよ…このぐらい寝てれば治」
金「だめかしらー!!」
ジ「か、カナリア?」
金「軽い風邪でも放っておくと大変かしらー!ちゃんと病院行くかしらー!」
ジ「カナリア…」
金「ジュンが病気になったら悲しいかしら…」
ジ「…わかった、行くよ、病院…ありがとう」
金「か、かしら…///」
[本日午後から休診]
ジ「…………」
金「…………」
知り合いの金糸雀がおそらく中2病。(当時17歳)
JUM大好きで結婚志望・高校生・下駄箱にラブレター入れまくり。
親友にJUMの姉がいるって言ったらどうしても会わせて欲しいと懇願された。
姉の目で金糸雀を批評して欲しいかしらと。
なぜ金糸雀がJUMと結婚できないのか理由を知りたいかしらと。
あんまりしつこいからJUMの姉と会う機会をセッティングしてやった。
そしたらJUMの姉に向かって自分を語る語る。
「世界中でカナほどJUMに詳しい人間はいないかしら。」(のり苦笑い。)
「カナほどJUMの写真持ってるやつなんていないかしら。100枚持ってるかしら。」
(100枚くらいだったら薔薇水晶だって持ってる。ハードカバーの写真集にして持ってるって。)
「カナが詳しいのはJUMだけじゃないかしら。
卵料理も多分びっくりするくらい詳しいのよ。服部幸應は天才かしら。」
(のりニヤニヤ。あえて『服部先生のどういうところが天才だと感じる?』
といういじわるな質問はしないてあげていた。)
「カナは卵料理が好きだからフライパンにもこだわりがあるかしら。
だから肌身離さないかしら。」
(とポシェットの中からマイフライパンを取り出す。のり噴き出すのこらえてた。)
「卵の鮮度にもこだわりがあるかしら。だから持ち歩いているかしら。
カナのアイデンティティかしら。」
(とポシェットの中から鶏も取り出す。のり悶絶。)
「カナの手料理を食べたら多分交際を認めると思うかしら。
カナの料理はフランス料理と中華の融合体だから、JUMの口にも合うかしら。」
(と気持ち良さそうに料理を始めるが真紅レベル。
量だけは多いが味音痴のうえに盛り付けがあまりにひどい。)
「どうでかしらカナの料理。桜田金糸雀になれるかしら?」
(のり『桜田家に嫁ぐということは大変よ。
料理は趣味にとどめてみっちゃんと暮らした方が賢い生き方よ。』と諭す。)
「嫉妬かしら。醜いかしら。」
こんばんは、雪華綺晶です。
歴史を大きく動かした「その時」には、
その瞬間の人々の決断や苦悩のドラマがあります。
今日の「その時歴史が動いた」は、
金糸雀がついに切れた「その時」をご紹介します。
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時は、西暦2006年、平成18年。
金糸雀は暇な時間をやり過ごす為、ルービックキューブに勤しんでおりました。
しかし自力で揃えられるのは一面だけ。
すっかりやる気がなくなってしまい、なんの対策も立てられずにいました。
そしてついに放棄・・・
金糸雀激怒まで、あと3分。
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さあ、今日の「その時」がやって参ります。
金糸雀に、薔薇水晶からブロンド用のルービックキューブが贈られました。
そのときの、金糸雀の感じた絶望感は想像を絶するほどでした。
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金糸雀が何故、受け取った時にノリツッコミ気味にキレたのか・・・、
これは現在に至っても、未だなおTRPG部の歴史上最大の謎とされています。
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今日は、後日発見されたJUMの日記をご紹介して、お別れしたいと思います。
「なぜキューブを投げつけなければならなかったのか理解に苦しむ。
軽いノリツッコミで笑い流してくれれば、お笑いとして成立することができた。
金糸雀がルービックキューブを揃えられないことは周知の事実。
薔薇水晶が、金糸雀用のキューブを贈ったことで、なんの非難を浴びようか。」
その後、ルービックキューブは使用禁止ということになり、
ジターリングにその座を奪われることになりました。
室内には今も金糸雀が使用したリングが飾られているそうです。
金「お腹が痛いかしらー。頭も痛いかしらー。」
J「そんなにたくさんアイス食ったらなるに決まってるだろ。」
金「実験とは常にリスクを伴うものかしら。」
J「何の実験してたんだ?」
金「アンデイコのCMみたいに『シャキッ』って音が出せるかどうか…」
J「そんなの無理だって。おまえリポビタンDのCMで懲りてなかったのかよ。」