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・・・車の中を、静寂とエンジン音が同居している。
確かに進んでいるはずなのだが、回りは焼け野原。
広がるのは、かすかな血の臭いだけ。
本当にあいつ等は、焼き進んでいるらしいな。
ずっと前の失敗を考えて、残らず全てを焼いている。
そこ等辺は感心するべきなのか、怒るべきなのかは微妙だ。


J「・・・しかし・・・腐ったカーナビだな、コレ。」
銀「おかしいわね・・・【何か】の気配はするのに。」


そうなのだ、皆薄々気が付いているのだが。
恐らく生物らしき、【何か】の気配を感じているものの。
未だにそれの気配が、何処から来ているのかが、さっぱり分からない。
けれども、コレだけ濃いとなると、かなり近くに居るのは分かる。
・・・再び、車内が静寂に包まれる。
今此処で無闇に喋るのは、自殺行為だというのに、皆気が付いているのだろう。
其れは恐らく本能的にで有り、無意識のうちに出ているのだろう。
喋ろうとしないのも、何かを感じているからである。
今此処は敵陣の真っ只中、何処から【どうやって】出てきても、可笑しくは無いのだ。
相手がほぼ人外だというのも、少しは有るかもしれないが。
暫く車を走らせていると、思わず、鼻を押さえそうになる、この臭いは・・・
やつ等だ・・・死臭を巻き上げ、腐った肉を振り回し。
相手を我武者羅に打ちつけ、殺した相手をかっ喰らい。
臓腑をはみ出させ、死へと無闇に突っ込んでいく。
やつ等が来たのだ、死を喰らう人にあらざる者達が。
ゾンビが来たのだ、人であった者達が。


J「くっ!!何て量だ!」


其れもその筈、地平の彼方には其れを埋め潰さん限りの。
ゾンビ、ゾンビ、ゾンビ。
1匹1匹は、それ程の脅威には為らないものの。
ゆうに其れは、一個の船隊と化していた。
それ程居れば、1キロほど離れた所でも、死臭が鼻を突く筈だ。
ジュンは車を急いで急停車させ、皆で死者を無に返すための戦法を練る。
先ずは真紅の拡散弾で、ゾンビをある程度爆破し。
続けてある程度近づいてきたら、翠星石や金糸雀の範囲攻撃で、ゾンビを粉砕し。
上空から水銀燈の羽で、神経ごと体を切断する方法を考え付く。
しかし、それではやはり数が多すぎるので。
ジュン其れに、突っ込み。
残りが進んできたゾンビを、打ち払う方法を思いついた。
早速其れを、行動に移す。


真「照準良し・・・発射ッ!」
金「うおっまぶしっ、かしら!」


真紅はかなり大型の、戦車が撃ちそうな放射器で。
ミサイルをゾンビの群れに、撃ち込む。
かなり遠くだが、巨大な其れは。
ゾンビの群れを、大きく吹き飛ばす。
続いて、次々と砲弾を撃ち込んでいく。
ゾンビの3分の1ぐらいが削れた頃、ゾンビは此処から600メートル付近まで接近している。
足はそれなりに速いようだ。
これ以上の爆薬は、自分達にも危険が回ると判断し。
ジュンは真紅の拡散弾を、止めていた。


金「死んだんなら成仏して欲しいかしらッ!!」
翠「うー気持ち悪いです・・・」


続いて金糸雀と翠星石が、ゾンビを吹き飛ばさんと。
大量攻撃を仕掛ける、翠星石の蔦は前より太くなっていた。
ゾンビは防御をする気も無く、ただただ突っ込んできていた。
既に脳が死んでいるのだ、其れは守備本能の死を意味する。
だから、防ぐ気すら起きないのだ、奴等は。
残り5分の3ぐらいか?其れぐらいの時。
翠星石と金糸雀に車を、守るように言い付けて。
ジュンは地上から、水銀燈は空から死者の、浄化を始めた。
水銀燈はグールの上空から、雨のような羽の嵐を巻き起こし。
次々とゾンビを、本当の死へと導き。
ジュンは地上から、ナイフ状のを投げ。
次々と的確に、グールの首を撥ねる。
ゾンビとは、本来、誰かしらの命令を聞く、死者とされているが。
恐らくバイオハザー○とかのせいで、ただ生き肉を喰らう者と為った。
序に、噛まれても死ぬだけで。
ゾンビ化とかは一切無い。
恐らく今回は、誰かが作り上げたのだ、この死者の行進を。
恐らく人を喰らう物だろう、ゾンビとは本来、全身が綺麗であっても良いのだが。
今回はどいつも、体を何処か大きく喰われている。
恐らく、グールか何かだろう。
グール自体は非常に厄介で、蘇生能力、力、経験値も、ゾンビとは比較にならない。
恐らく遠くでこいつ等を、操っているのだろう。
ゾンビ自体は、サル並みの知能すら、危ういといわれている。
その上本来、馬鹿みたいな力も無いため、1匹1匹にはあまり苦戦はしないが。
何分、死を恐れないため、死ぬはずの傷でも動いて来る。
多少厄介であるが、それと罪悪感にさえ勝てれば、何も問題は無い。
と言ってもこいつ等は、既に傷口からしてバイオハ○ード状態なので。
殺しても殺した罪悪感は、生まれてこないと思う。
聖水も効かないんだけどね・・・
うんざりした顔で、ジュンはゾンビの急所を突き。
ゾンビを次々と、潰していく。
生々しい切断の音楽とともに、次々とゾンビが倒れていく。
流石にこの数のゾンビって事は、かなり死んだな。
そう思いながら、次々と狩っていく。
流石に5分の4が狩られた頃、ゾンビの数はめっきり減り。
車の方のに居る者達にも、疲れが見え始める。
ジュンはさっさと終わらせるため、武器を鎌に変えてゾンビを半ば、撥ね飛ばしていた。
序に今この時は、集中力の方が痛みに勝るため、何処を如何攻撃されているのかが、さっぱり判らない。
ジュン並みの不死性を有していないと、とても使えたものではない。
そろそろラストとして、アレを使う事にした。
その瞬間、ジュンの体は軋みの音と共に、筋肉が肥大化を起こし。
威力とスピードが格段に上昇する、ジュンの骨はギチギチと悲鳴をあげながら。
次々と腐敗を取り除く、既にゾンビは6体まで減りつつあった。
次の瞬間、ジュンは鎌を投げつけ、ゾンビ6体をを跡形も無く吹き飛ばした。
そして、安堵の息と共に、汗に混じって血が滴り落ちる。
全身の浅い傷と共に、筋肉を極限まで肥大化させた反動で。
全身の涙腺から、浅黒く変色した血を流していた。
量は微量なので、気にした様子も無く車の方に戻る。
・・・今更になって、全身がズキズキして来た。
くそッ、傷は治ってるのに・・・
バスに行く途中、雪華綺晶が俺の目の前に現れた。
雪華綺晶は、血塗れのジュンを見るや否や。
呆れた様に項垂れた。


J「たっだいまー」
雪「また使ったんですか?アレ。」
J「良いだろ?アレ・・・いやー実は面倒臭くって・・・」
雪「大体ですね、貴方はコレが如何いう事だか、全部判ってるのですか?」
J「あはははは・・・良いじゃないか、俺等の寿命は普通の人と違って、全然長いんだし。」
雪「そうですが・・・気よ付けてくださいよ?行き成り死んだら困るんですからね?」
J「あははは・・・そんなへましないよ・・・」
雪「そうですか・・・其れと一つ。」
J「ん?」
雪「其れは貴方一人の命では、無いんですよ?以上です。」
J「・・・」


そう言うと、ジュンにタオルを渡して、さっさと車に走っていっていた。
・・・このタオル・・・
絶妙に台所の臭いがしたのは、僕の気のせいでしょうか?こん畜生。


J「・・・(下向いて、右下向いて、正面向いて♪)馬鹿にされてんじゃねーの!?」
J「あの尼ッ!!」


そう言うとジュンは早足に、車に向かって走っていった。


其処から少し離れた所に位置する、所からその男は覗いていた。
スラリと伸びた体、其れで居てずっしりした重量感。
赤い両目に、縛り付けられるような視線。
幾多もの実践と、戦場を駆けずり回ったものに備わる、鋭い殺気。
其処にそいつは居た、美麗で何処か妖艶な顔だが。
振り向いたら殺されるような、そんな雰囲気が漂う。


???「チッ・・・失敗か。」


まるで、ゲームに負けた位の態度の先には。
無残にも、ジュン達に葬られた、死者の山がある。
手元に有るのは、巨大な手にでも捻られたような形の、短剣が数本。
そして、夏にも拘らず分厚いコートを着て居て。
動くたびに中からガシャガシャと、少し大きな音を立てる。


?「チッ・・・主め、変な力をくれやがって・・・」
?「まぁいい、あいつ等には途方も無い狂気を、とくと見せ付けてやろう。」
?「この狂気の性に、何時まで耐えられるかな?」


そう言うと、死体の頭にナイフを投げた。
グシャッ!と鈍く厭な音を立てて、投げられたナイフは。
死んだ人間の脳漿と、折れた骨を弾き飛ばしつつ。
どす黒く赤い色に変色し、切っ先を血色で染めていた。
もはや其処に残るのは、逸脱した紅い【狂気】だけ。
血色の鴉が数本の羽を残し、まだ青い空を駆け抜けて行った。
男は舌打ちをして、タイルの部屋の中から外に移動を始めた。
足の裏の靴は嬉しそうに、ピチャピチャと血を撥ねて、小さな音を立てていた。
後に残ったのは、ピチャピチャと鈍く、液体を嚥下する音だけだった。
一体誰が・・・いや、【何が】居たのだろうか・・・


その頃、ジュン達はやはり大阪に向けて、着々と進んでいた。
真紅達は、ジュンにさっきのゾンビの事について、大分詳しく聞いており。
やはり、その事を知った皆は、激怒し奴等の殲滅に力を注ぎ始めた。
ボスの顔すら見えていないが、何と無くその内見つかると思っている。
其処に、一つの殺気が近づいてくる。
余りの濃すぎるそれは、大きすぎるため何処に居るのかを、逆に撹乱させてしまう。
心の中で舌打ちをしつつ、ジュン達は各方向を各自で見渡した。
此処から余り遠くない所に、一人の何かが居た。
それ以外に生物が居ない事から、アレ以外の生物で無いとジュンは仮定した。
そして、足元から素早くマスケット銃を取り出し、撃った。
筈だった。
銃声がしない、手元を見ると、手首から先が千切れている。
後ろを向いたその瞬間、何者かの回し蹴りを喰らった。
その瞬間集中力が切れ、音が戻ってくる。
一瞬目を疑った、其処に居たのは水銀燈だった。
しかし目がイってしまっているので、次の瞬間全てを理解した。


J「皆ぁ!!バスから出ろぉぉぉぉ!!」


そう言いながら、水銀燈の目を見て震えている、金糸雀を窓から放り投げ。
怒声と共に、皆を外に押し出していく。
背中は刃物で抉られ、肩は半分切られている。
この切れ方は、普通の刃物では為し得ない。
バスの中に居るのが、水銀燈とジュンだけになった時。
既にジュンの右肩は取れて、水銀燈が口に銜えていた。
水銀燈は薄く壊れた笑みを浮かべ、鬱で幸せな顔をしている。
思わず、ゾクリとする。


J「恐らく催眠術、もしくは精神崩壊~」


その瞬間、ナイフが飛んでくる。
紙一重で其れをかわすが、次々と飛んでくる。
仕方無しに、背後の窓ガラスを突き破り、外に出て唖然とする。
ジュンの判断は間違っていた、そう言うしかない。
既に皆やられていたのだ、狂気に。
遠くの方から、男がさぞ楽しそうな声を上げる。


?「良かったな!お前さん!皆アンタの事が好きだってよ!モテモテだねぇ!?」
J「お前は誰だ!」
フ「frenzy!狂気と呼ばれてるねぇ!」
J「楽しそうだな!?」
フ「そりゃ楽しいさ!仲間ゴッコしてる奴の、最も苦しむ姿が見れるんだからねぇ!」
J「・・・気違いが・・・」
フ「さぁ早く殺しなよ!そうすれば、自分は助かるかもよ!」


そう言うと、フレンジィは嫌味な笑いを零す。
しかし次の瞬間、其れは驚きに変わる。
ジュンが武器を仕舞った、戦う様子も無く。
しかし其れは次の瞬間、理解へと変わる。
皆が洗脳から解けたのだ。
しかしどうやって・・・其れはかすかに風に乗ってきた、音によって判った。
音は密室では強大な音を出す、ジュンは其れを糸で音を出し。
超音波で皆に囲まれているのを利用し、脳を強い力で揺さぶったのだ。
その証拠に、ジュンの足取りは覚束なく。
耳や目、鼻から血が出ている。
恐らく8人は、今状況をジュンから聞いているだろう。
その証拠に、足取りの覚束ないジュンを、数人が治療道具を取り出して治療し。
残りの数人が、此方に向かっている。
恐らく目を反らされるのは、洗脳が目から始まると考えたからだろう。
焦点は悪くないが、問題点は戦闘能力だ。
今来るのは、蒼星石と水銀燈、薔薇水晶に雪華綺晶。
フレンジィはナイフを手に、全員にナイフを投げた。
一つ一つが低い悲鳴を上げて、全員を包むように投げられる。
しかし4人は、雪華綺晶の穴から、フレンジィの後ろに回り。
先ずは水銀燈が、羽を打ち込むが、完全にナイフに叩き落され。
続いて、巨大な風の質量と共に、蒼星石が乱れ切りを打ち込む。
ジュンにスピードだけなら、打ち勝つかも知れない其れを。
フレンジィは易々と避け、お返しと言わんばかりに蹴りを叩き込む。


蒼「グゲハッ・・・ウック・・・」


蒼星石は急いで後ろに飛び、ダメージを軽減させるが。
骨が軋み、肺をしこたま打ち、肺から空気が圧迫され出される。
さっきの蹴りは、肺を押し潰さんばかりに打たれたようだ。
続いて薔薇水晶が、大きな1撃を浴びせようとするが。
紙一重でかわされ、相手は剣圧で後ろに飛ぶだけだった。
雪華綺晶は異次元の穴を使うが、フレンジィはナイフを身代わりにし。
全てを避けていた。
圧倒されていた、相手は1人だが如何せん、実戦経験がモノを言ったようだ。
其処で雪華綺晶は、とある事に気がついた、相手のナイフが色々な形に捻ってあるのだ。
しかもナイフには、幾つかの刺が付いており。
斬られたりすると細切れになり、修復に普段より時間が掛かるのだ。
コレはジュン対策なのだろうが、あんな物で切られたら、普通の人ならなお更。
かなり修復に時間が掛かる事だろう。
背筋がゾクリとする、随分おぞましい武器を・・・
恐らくこいつとの戦闘は、ジュンが来るか、来ないかに分けられると思われた。


フ「ショーターイム!!お前等が今日の俺の晩餐だ!ヒャハッ!!」


小さく舌打ちをして、雪華綺晶は戦闘図を練り始めていた。

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