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例えばこんな話がある。下心とはつまり、恋心のこと。
それを考えてみるに、つまり、どういうことなのだろうか、と彼女は考えた。
自分は、彼に恋している。間違いない。間違いないということは、下心がある。

はて、では、下心とは何なのか。

彼女は悩んだ。ぶっちゃけ悩んだ。ありえない悩んだ。
ここで惜しむべきなのは、うっかり、彼女は常識外れだったことだろう。うん。
いや、それもしょうがないっちゃしょうがないんだよ? ほら、薔薇水晶、基本的に雪華綺晶から派生したし、実質の年齢一桁だから。
……じゃあ彼はあれか。ロリか。そー言うのがすきなのか。
そんな風に彼女が悩むことになるのは、結構近い未来だけど、まあ、気にしない。今回の話とは関係ない。

で、彼女――薔薇水晶のとった行動とは。

「ジュン」
「ん?」
「これ飲んで」
「何これ?」
「媚薬」

薬に頼った。



「いい、薔薇水晶、そもそも、薬とか、そういうズルしちゃだめなの」
「えー」
世にも珍しい、雪華綺晶の説教する光景だった。
いや、最近どちらかといえば雪華綺晶の方が常識人っぽいのだが、でも根底では違う。
でも、薔薇水晶も常識人じゃないから、つまり、常識人がいない。
あー、ジュン、頑張れー、みたいな。そんな感じなんだろうか。
「っていうかさ、それを雪華綺晶が言うの?」
「あったりまえじゃん」
「……君、いつだったか夢使ったよね」
「あれはいいの。あれは私の力なんだから。もともと持ってて、捨てられないものは有効活用」
「一理あるけど、でも、ああいうのは」
「……ふふーん? やめてほしいと? いいよ、私は。ほんとーは、すっごくすっごくイヤだけど、ジュンがどうしても、って言うなら、やめてあげなくもない」
「その言い方は、卑怯だ」
何だか二人のフィールドである。もちろん、ここにはジュンと雪華綺晶だけでなく、もう一人居るわけで。
「――とりあえず、二人とも」
「「あ」」
「詳しく、その話を聞かせてね?」
にっこり、と、最近何だか定番になってきた、どこか狂ったような笑みを見せる薔薇水晶だった。



「ほほう、つまり、雪華綺晶はジュンの夢の中に入って、あーんなことや、こーんなことまでしたと」
「それどころか、あれをこれでそーしてあーしてうっふん、みたいなっ」
「ジューーーーーーーンーーーーーーーーー」
「ぼ、僕か、僕が、悪」
『じゅ、ジュンっ。わ、わたし、もうっ』
『き、雪華綺晶っ』
「――ちょっと、待て。何だそれ。何でそんなのが録音してあるっていうか夢の中のことじゃないの違う違うんだ薔薇水晶、決して何回も雪華綺晶のことを愛しているなんて言ったりはしてぐふ!!」
「ちなみに、ジュンは三十七回愛してるって言ってくれましたー」
「ひ、ひどいっ。まさか夢の中まで浮気されるとは思ってなかったっ。っていうか、何ソレっ。ずるいっ。私だって夢でジュンといちゃいちゃしたいっ」
「いや、してるじゃない」
薔薇水晶が見る夢は全部ジュン関連だと、雪華綺晶は知っていた。
「本物のジュンがいい!」
「わがまま」
「いじわるー!」
「……いや、どうでもいいけど、もはや僕は床に転がっててもいいんだね」
「ジュンが悪いんでしょー!」
「いや、だから僕は悪く、あ、ダメ、雪華綺晶、そのテープは不味い、っていうか、テープって今さらだけど懐かしいよね?」
「そんなんで騙されるかー!」
「あ、やっぱり?」
そして、ジュンは意識を失った。最後に、あのテープ、どうするつもりなんだろう、って思った。きっと脅迫用だ。



「で、今回の話を進めよう」
「長いよね、前フリいつも。皆飽きてるよ」
「皆って誰」
「聞いちゃイヤン」
「雪華綺晶、似合ってない。いや、正確には似合ってて逆にひく」
「あ、軽くショック……」
「って、だーかーらー! 私の話を、きーいーてー!」
何か今回、薔薇水晶が軽く駄々っ子だ。行き当たりばったりノンストップで書いてるから、勢いが付いたんだろう。
「あのね! ジュン! 私は気づいたの!」
「うん」
「私、ジュンに恋してる!」
「知ってるけど」
「だから、下心があるの!」
「えっと……?」
そろそろついていけなくなって、雪華綺晶に視線で(といっても、鏡の中なのだが)助けを求めた。
返答。面白そうだから、いいんじゃない?
ああ、さすがだ、雪華綺晶。君は昔と変わってしまったね。
「だから、媚薬!」
「いや、その論法はおかしい」
「一万年と二千年前から恋してる! 八千年過ぎた頃からもっと恋しくなった! 一億と二千年後も恋してる!」
「……あー、もしかして収拾つけなきゃいけないのか、これ」
そう。ジュンは収集をつけなきゃいけない。やっと夏休みに入って時間が出来たからリハビリでしかもノンストップでどここまで書けるかを試さなきゃいけない。
「あのね、薔薇水晶」



「うん」
「僕は、君を愛しているよ」
とりあえず、ジュンは思っていることを言った。きっと、通じる。そう信じて。
「うん、だから媚薬飲んで」
通じなかった。
「……えっと、」
「だから、ジュンに私が下心で媚薬飲ませるでしょ。そうするとジュンはムラムラするでしょ。それで私が暑いなーとかいいつつ上着を脱ぐでしょ、
 で、間違って下着まで見えちゃうでしょ、それでそのままかしずくように寄りかかるでしょ、ジュンは辛抱できないでしょ、私勝ち組!」
「どこからツッコんだらいいんだ……」
「そんな、つっこむだなんて……ジュンのえっち」
「女の子がそういう下ネタ言うの、よくないな」
「媚薬の時点でアウトだと思う」
もっともだ。
「そんなわけで、のーんーでー!」
「……はあ」
ジュンはため息をつく。この女の子は。何もわかってない。
「判ったよ、、薔薇水晶。貸して」
「うん。はい」
薔薇水晶から手渡される。そして、ジュンは口にふくんで――

「――んん!?」

薔薇水晶の、唇を奪った。



ごく、と、唇から唇に、媚薬が伝えられる。いや、二人にしてみれば、お互いの唾液が、媚薬なのかもしれなかった。
「ん……」
そして、唇を離せば、互いの濡れた唇。えらく、興奮した。
「あのね、薔薇水晶」
ジュンは言う。
「そんなことしなくてもね、薔薇水晶が、キスをしてくれただけで、充分なの。わかった?」
「…………ん(真っ赤」
「そんなわけで」
「え?」
「実は、我慢できないんだけど、抱きしめていい?」
「も、もちろん――」

「はーい。ちょっと待ったー!」

「あ、アレっ。ジュンっ? 何で、私が鏡、……き、雪華綺晶!?」
「ふっふっふー! 無駄無駄! 主導権は私が握ったー! この瞬間を虎視眈々と狙い続け、
 うっかり鏡の中で嫉妬してしちゃったけど、やはり正義はかーつ!」
「せ、正義!? ま、負けないもんっ。っていうか、返せー! ジュンとの甘い時間を返せー!」
「悔しいか、悔しいのか薔薇水晶、悔しかったら取り返してみろー!」
「ま、負けるもんかー!」
そして、ジュンにはよくわからない戦いが始まった。独り言を呟いているところを見ると、二人だけしかわからない世界で何かしてるんだろう。
「っつーか、結局のところ」
この話って、何がしたかったのさ。……それにはきっと、答えはない。ドタバタいちゃいちゃラブコメが、書きたかった。多分、それだけなのだ――。

よくわからないエンディング:いつもの三人より、ちょっと何か違う三人









「そんなわけで唐突に海。まさに海。海しかありえない海」
「わー、ジュンの本気モードだー」
 解説しよう! ジュンの本気モードとは、つまり、その、あれだ、欲望のままにモードなのだッ!
「そして、水着ッ!」
「水着ー」
「……ぶい」
 もちろん、雪華綺晶も薔薇水晶も水着だった。そりゃあ、水着だ。しかもビキニだ。
「よっしゃあああああああああああああ!!」
「いつものことだけど、いつも以上だね」
「ん。……っていうか、何も海に向かって叫ばなくても」
「無理。主に無理。だって、水着。雪華綺晶と薔薇水晶の水着。ここがエデンか!」
「このテンションについていける私たちって、何なんだろうね」
「ジュンに染められてしまった私たち、みたいな。っていうか、水着以上のもの見てるよね」
「違う! たとえメイド服とか色々見ていたとしても、海イコール水着、逆もまた真なりッ!」
「…………ぽろり」
「そしてポロリあり――って、ダメだそれは!」
「あれ、喜ぶと思ったのにー」
「……は、恥ずかしいからやめてよぅ」
 きらきー、ばらしーの許可なし。どこがぽろりなのかは内緒。
「っつーか、二人の裸見ていいのは僕だけなの! 誰にも見せるもんか!」
「…………う、え、ちょ、な!?」
「……………………ジュン(甘い声」

そんなある日のいちゃいちゃ話。

「……うわー、僕は、何を言ったんだ」
「で、テンションが過ぎ去った後、落ち込むのもいつものことだよねー」
「うん。――でも、私たちは、ジュンのものなんだよねー。えっへへぇ」
「うわーーーー、やめてくれーーーーーー!」








「あー、いちゃいちゃしたい。ぶっちゃけシリアスばかりだとこっちはやってらんねーですよ!」
「口調が翠星石になってるよ、雪華綺晶。っていうか、シリアス? え、何の話?」
「んなもんはアレだよ。いつか来るか、もう来たのか、あるいはとっくに終わった物語の話だよ」
「雪華綺晶って、電波ちゃんだよね」
「……は、はい? 薔薇水晶さん? それ、貴方がおっしゃいます?」
「失礼だよ? 私、電波ゆんゆんじゃないもん」
「ゆんゆんとか言うあたりがアレだと気付け」
「……むー」
「……むー」

「「ジュンーーーーーー!! 私、電波なんかじゃないよねーーーーーーーー!?」」

「うお、何だ!? どうした!?」
「「かくかくしかじかー!」」
「え、二人のどっちが電波だって? 僕はそんな二人が好きだけど」
「「そんなこては聞いてないよ! だけどもっと言って! 嬉しいから!」」
「二人が好きだよ?」
「「──よし、何か幸せ!!」」
「……っつーか、二人とも仲良いよね、何だかんだで」



 後にアリスは語る。

 ──いや、貴方たち全員、電波より性質が悪いバカップルだわ。アホらしい。




いつも思っていました。好きな人と、いつもくっついていたいと。少しの時間だって離れていたくないのです。
 離れてしまえば、不安が絶え間無く私を襲い、私はもしかして泣いてしまう。
 ……ええ、はい。それ以上語るべきことはないのですが、強いて言うなら、私、ちょっとばかり普通の人よりも願いを叶えやすい事情がありまして。

 そんなわけで──

「ゴメンねジュン。手、くっついちゃったっ(はぁと」
「何だそれ」
 ジュンがうなだれた。何だよぅ、もう少し喜んでくれたっていいじゃんかよぅ。
「……じゃあ僕の目を見て言ってくれ」
「それは無理」
 色々な理由で。具体的には罪悪感とか照れ臭さとかで。


【もっとくっつこう─薔薇水晶と、ジュンと、雪華綺晶─】

いやまあ、多分寝ぼけてたときにやっちまったことなんじゃないかと。流石の雪華綺晶さんもこの事態には驚きを隠しきれません。
「うぅむ、もはや深層心理とか無 意識の領域でジュンを求めているのかしら、私。どうしましょう」
「……照れ隠しぃ」
 うるさい、薔薇水晶。
「いや、別に僕はこのままでもかまわない気がしてきたけど、どうする?」
「……また、そういうことを」
 この男は頭がきっととろけているのだ。少なくとも会った当時はまだシリアス部分は存在した。
 今となっては恥ずかしい台詞を臆面もなく言ってくれます。自重しろ。有り難みがなくなる。
 それでもその都度心がときめいたりするのは内緒だ。
 ……だから薔薇水晶のその視線は何。眠いなら寝てなよ。そんな生暖かい瞳で見つめるな。
「ジュンー……」
「何、薔薇水晶?」
「私ー、眠いからー、寝るー……」
「ん、わかった」
「その間、その照れまくってる人をよろしくー……」
「あ、やっぱり照れて──」
「照れてないよぅッ!?」
 くそ、最近いちゃつきすぎだったからジュンとのコミュニケーションを控え目にしたのが裏目に出たか!?
「すー……」
「うわ、ホントに寝やがった!?」
「……うーん? 雪華綺晶、どうする?」
 そこでそれを聞くのか。何となく、くっついた手に視線が向かう。

 ……ああもう。手、繋ぎたいなぁ。

「ジュン」
 呼び掛ければ、優しい微笑みが向けられる。オッケー。照れるけど、幸せな世界は手に入れたい。
「じゃ、一日中くっついたままで──」</</div>

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