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第六話 「悲哀の第4世界」


トビラを抜けた先はやはり同じ紫の光景が広がっていた。
私が念じれば風景を変える事も出来るらしいが
めんどくさくてする気にはなれない。

「さて・・・次の思い出を見ましょうか。」

・・・なんかますます偉そうになってきてないかと
疑問を抱きつつ私は念じる。
他の所でも同じ様に最初に人型の物体が出て
その物体に付いてる時間のメモリが過去を辿っていく。
やがてメモリは止まる。
指した時代は・・・私が四歳の時の年。
そしてまさかとは思ったがあの時の日にち。
・・・見たくはないが見なければ進めない気がする。
私は再び念じて思い出の映像を出す。
風景が変わっていく。
そこは普通の交差点。
そして周りにあまり人は居なく、居るのは
私ときらきーちゃん、そして今は居ないお母さん。
その三人以外数人しか居なかった。
三人は楽しげに仲良く喋っている。

「微笑ましいですね。」
「・・・うん。」

ほんとに微笑ましい。
此処までは。

「・・あ、きらきーちゃん。」
「なんでしょう?」
「・・・あれ。」

指をさしながらそう言う。
指の先にはくんくんというマスコットがデパートの前で
人が居ない中、風船を持って懸命に客引きをしている。

「・・・風船。」
「貰いに行きましょう。」
「・・・うん。」

私はよほど欲しかったのかきらきーちゃんの手を引いて
くんくんの方へと走っていく。
そしてその距離が20M、10Mと近付いて行く。
あと5M、その時に横断歩道を渡っていた。
すぐ近くに近付く影があるとしらず。


残り2M、その横にはデパートの地下駐車場の出口がある。
道路に車が少ないと思い加速した車の目の前に
2人が飛び出る。
加速して来た車は止まれない。
2人を避けようとして横に急に曲がる。
ドン!
地下駐車場の壁に車がぶつかる。
2人は無事・・・では無い。

「きらきーちゃん!きらきーちゃん!」

車が壁にぶつかったせいで近くにあったランプの破片が
右目に刺さっている。
雪華綺晶は痛さに耐え切れず気絶している為
読んでも返事は無い。

「お母さん!きらきーちゃんが・・!きらきーちゃんが・・!」

・・・返事が無い。
ぱっと見回す。
私達はお母さんより前にいたから後ろにいるはず。
後ろを見ると壁にぶつかた車がある。
車の向こう側を見てみる。
お母さんが居た。
だがいつものように元気な姿では無い。


赤色の水たまりの真ん中で寝ている。
うつ伏せて寝ている。

「お母さん!起きて・・・。」

近寄って体を揺らす。
しかし返事は無い。

「寝てないで起きて!お母さん!」

もう一度揺らす、しかし起きない。
気づくと自分の服に水溜りの水がかかっている。
それを地面でぱっと拭く。
しかし赤色の水はとれない。
とれない・・?何で・・?

お母さんの体を起こす。

「ねえ!起きて・・・。」

今じゃ流れない涙を私は両目から流しながら
体を揺らす。
はっと気付く。お母さんの体に雪華綺晶の目に刺さってるのと
同じ破片がささってる。
目では無く胴体に、左胸に。
そして赤い水はそこからあふれ出て・・。


「何で赤い水がお母さんから出てるの?ねぇ?何で?
 起きてよ・・・起きてよ・・・・!」

泣き喚く。
しかし返事は無い。
目を覚まさない。
動かない。

「・・・。」

声も出ない。
笑っても無い。
右目から何故か涙が出ていない。

「あ・・・あ・・・・。」

赤い水は服からとれない。
赤い水はお母さんの体から流れるのをやめない。
・・・赤い水?
そっか・・・これは・・・。

「血・・・・。」

お母さんはもう、生きては無い。

「う、うああああああああああああああああ!!!!!!」


そこで一旦映像が消える。
消えたと思ったら今度は病院の中での映像だ。

「即死です・・。」

お母さんに医者が言う。
また映像が飛び今度は別の医者と私とお父さんと
きらきーちゃんのいる医務室の映像。

「目はもう・・・見えません。傷も・・・とれはしません。」

そしてきらきーちゃんに言い終えると次に医者は私を見る。

「精神的ショックです、涙腺の異常で右目は涙が枯渇。
 左目は涙の調節が出来ません・・。」

映像は次に家の中を移る。
お父さんが涙を浮かべながら
きらきーちゃんの右目に眼帯をつける。
傷が残り、目が見えなくなり悲惨な事になっている。
そして次に私にの左目に眼帯をつけようとする。
眼帯が触れた瞬間、私は左目から涙を流し始める。
少しのショックですぐに泣くようになった。
風が当たっただけで涙が溢れ出るので目が見えたもんじゃない。
私達はこれをきっかけに片目を眼帯で覆う事になる。


「あ・・・あ・・・。」

私は思わずショックで胃液が逆流しそうになる。
しかしそうはならない。
最早幽霊のような私はそういう風な体の現象は起きない。
そうこうしてる内に映像が流れる。

「薔薇水晶ちゃんは強いねー、転んでも泣かないし。」

とある人の私に対する言葉。
強くなんかない、強くなんかない。
私は弱い、私は弱い。

「2人とも目はどうしたの?」

私が原因だ、私が原因だ。
私がきらきーちゃんの目を、きらきーちゃんの目を。

「もう・・・い・・・や・・。」

しかし映像は止まらない。
また次に映像が映し出される。
これは・・・ジュンが死んだ時の様子。


葬式場へと向かう。
そして中に入る前に私は左目に目薬をさす。
その様子を一人の女子、桑田が見ている。

「作り泣き?ほんと最低ねー。無感情女。」

最低

私はそうだ、私は愚か者、愚か者。
実の姉を傷つけ
親の命を奪った

最低な愚か者。
そうだ、死んだら良かった。
死んだら良かった、死んだら良かった。
私は死んだっていい子。
死んだっていい子。

「うあ・・・あ・・・。」

眼帯が外れる、自分の弱さ・・・愚かさの象徴の涙が溢れ出る。
映像が消える。
変わりにきらきーちゃんが出現する。
無論、本物では無くて私が作り出した虚像であるが。


「あ・・・あ・・・きらき・・・ちゃん・・。」
「無様ね。」

私が作り出した虚像は私に暴言を吐いていく。

「人殺し。」
「あ・・・あ・・。」
「実の姉を傷付けた最低な女。」

眼帯の下の傷を見せながら語る。

「も・・う・・いわな・・い・・で。」
「自分の愚かさ、弱さを隠す強がり。」
「い・・・や・・・。」
「親殺しの罪深い罪深い・・・愚か者。」

私はだれ・・?私は愚か者・・・。
死んだっていい子・・・。
最低な子・・・。
罪深い罪深い


ほんとは弱い弱い愚か者


「う、うああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

薔薇水晶が叫ぶと体から光が出て弾ける。
光が弾けた後、ラプラスの魔以外に残ったものは無かった。

「・・・おやおや、壊れてしまいましたか。」

周りを見回す、しかし何も無い。

「んーどうやら第0世界へは行ってないようですね。
 となると・・・無意識の海ですか。
 助かったといえば助かりましたか・・・。」

ドアへと手をかけて開けてそのまま第4世界から出て行く。

「流石に責任を感じますね、これは・・・。
 はて・・・どうしましょうか。」

第4に続けて第3、第2世界を出て第1世界に戻ってきた
ラプラスは頭を手を当ててじっくりと考える。

「ちょっと反則気味ですがやむを得ませんね。
 あの人達に声をかけますか・・。」

空中に手をかざし一気に手を下げる。
するとジッパーのように空中に穴が開いていく。
そこに入るとラプラスは何処かに消えてしまった。


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