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迷宮~DREAM MEMORYS~


第一話 「夢の案内人」


夢とはなんでしょうか?
夢とは人の思いが見せる幻。
思い出の幻、そしてそれは複雑で
まるで迷宮の様。
これはそんな迷宮に迷い込んだ
一人の乙女の不思議な思い出のお話。
最後までご覧あれ・・。

「此処はどこ私はだぁれ?」

それが目が覚めて最初に言ったことだ。
後半はギャグで言ってるのだが。
しかし、本当に此処はどこなんだろう?
周りを見回す。
周りには何も無い、紫色の空間に私がただ一人
浮いている状態。
夢なのかな・・?にしては変だな。
足をバタつかせながら考える。
一体どうしてこんな所にいるのか?
私はさっきまできらきーちゃんと一緒に
お買い物をしてた筈だ。
けど気がついたら此処、一体何があったんだ?
そしてきらきーちゃんは?
また周りを見回すがやはり誰も居ない。
と思ってたその時。
紫色の空間にジッパーのような亀裂が入り
段々ジッパーを下ろす要領で亀裂が広がっていく。
そしてその亀裂の中に誰かが居る。

「・・あなたは誰?」

というより何者なのだ?
この男、格好はタキシードを着てシルクハットを被り
杖を持っている。そして顔は兎。

「あなたは誰?とは愚問ですな。
 私はあなた、あなたは私。私は誰でもあるのですよ。」

・・何を言ってるのだ?この兎は。

「おやおや、理解できなかったみたいですね。
 まぁそれはさておき何か聞きたい事はありますか?
 何しろ暇なのでお話がしたくて。」
「・・・あなたは誰?」
「ほほう、またその質問ですか。
 まぁよろしいでしょう。私はいわゆる“思い“ですね。」
「・・・思い?」

さっきから疑問系でしか話してないね私。
まぁそれだけこいつの話がわかりにくいって事なのだけど。

「ええ、思想の“思い“です。
 人の“思い“そのものです。
 名前は無いのですが自分で勝手に名付けた名前があるので
 それを名乗っておきましょう、私はラプラスの魔。
 以後お見知りおきを・・。薔薇水晶さん。」

何で私の名前を知っているのだ?
こいつ・・・ラプラスには言った覚えが無いのに。

「何で私の名前知ってるの・・?」
「私は全ての人の思いの結晶、つまりは全ての人の事を知ってるのですよ。」

うーん・・。よくわからないが悪い奴では無さそうだ。
とりあえず色々と話してみよう。

「全てを知ってるて・・・あなた神様?」
「そうですね、神とは人を創りし者でなく人が創りし者。
 昔から人は救世主なるものを求めていた。
 結果色んな人が独自の神を自分の頭の中で創りあげたのですよ。
 悪魔だって同じです、同じく人が敵を欲したので頭の中で
 創りあげたのです。どちらも思いの結晶。
 人が創りあげたものです。私の存在はまさにそれですね。
 悪魔と言う人も居る、神と言う人も居る、そして
 或いは思想や全、救世主などと言う人も居る。」

三行でおk、と言いたい所だけどラプラスには何を言っても
最低その三倍以上で返事を返されそうだ・・・。
まぁようするにこいつは人の思想ってことでいいんだよね?
人の思いだから誰でもあるって事で。

「で、その神様が・・ラプラスが何故此処に居るの?」
「ここは思いが集いし場所だからです。」


思想そのものだから思いの集う場所に居るのか。
って・・・思いが集いし場所って?

「ここはどこなの・・?」
「まぁ簡単に言えば“夢“の中でしょうか。
 “夢とは思いがみせる幻ですから。
 私は“夢“の住人ですよ。」

そういえば夢は人の思ってる事を映すって聞いた事があるな・・。

「そういえば私は何故夢の中に居るの・・・?
 寝た覚えが無いんだけど・・。」
「おや、覚えてなかったのですか。」
「・・・何を?」
「今からそれをお見せします。」

ラプラスは杖を空中で一振りする。
すると空中に何やら映像が浮かんでくる。

「あなたの“思い出“を映してみましょう、あなたに
 何があったのか。」

私は映像に近付く、そしてそこに寝転がって映像を見始めた。
これは・・・私ときらきーちゃん?
買い物をしてた時の様子だ、ここから覚えていないんだ。
欠落した記憶が気になり目を釘付けにする。
すると映像の中の私はおもちゃ屋に向かって走り出す。


確か・・・そうだ、アッガイのプラモを見つけて・・
それで・・・。
そして私はおもちゃ屋に着こうとした瞬間
横からバイクが突っ込んできた。

私はそれに当てられ・・そして倒れた。
思わず目を背ける。

「お分かりいただけたでしょうか?」
「・・・死んだの?私?」
「いいえ、ちゃんと生きてますよ。」
「・・・え?」
「そんな漫画みたいにすぐ死ぬ訳ないじゃないですか。
 原付きに引かれただけですのに。」

一気に力が抜ける。
なんだ・・・というような感覚だ。

「じゃあこれは死後の世界とかじゃなく
 ただの夢なの・・・?」
「ええ、これはただの夢です。
 しかし死後の世界も夢も同じ様なものなのですよ。」
「どういう事・・?」
「死とは本来“無“なのです。皆平等の死なわけです。
 無の世界に私達の魂、“有“の存在が生き
 何時しか自然に消え失せて行く訳です。」

確かにデスノートでもそんな事言ってたな、仏教でも死は無とか。
ん・・?けどそれじゃあ・・。

「じゃあ死後の世界なんてないんじゃ・・?」
「お察しの通り死の世界などございません。
 “無“から“有“の世界が出来る事無いのです。
 しかし“有“から“有“は作り出せるのです。」
「“有“から“有“・・?」
「ええ、さっきも言った通り魂とは“有“の存在。
 それには記憶が含まれています。
 記憶とはつまり思い、思いとは“思い出“、つまり死後の世界とは
 “思い出“が構築する世界なのですよ。
 夢というのも思いが見せる幻、つまりは思いが構築してる訳ですから
 死後の世界というものと似たような物なのです。」
「へぇ・・・。」

まぁ兎に角死んでないようで良かった・・・。
さっきの映像を見る限りじゃきらきーちゃんは何もなってないようだし・・。
ん・・?もし夢なら・・。

「夢だったら覚める事も出来るのじゃないの・・?」

どっからか取り出した布で杖を拭いているラプラスに尋ねる。
ラプラスは杖を拭きながら語る。

「中々お察しが良いですね、その通りあなたの夢なのですから
 何だって出来ます、目を覚ます事を。
 しかしあなたは覚めれません。」

「何で・・?」
「体の方がまだ意識不明の状態なのです。
 だから暫くは目覚めれないわけです。
 ご心配なく、死んでる訳じゃないのでいずれ覚めれますから。」

はぁ・・・要するに私は暫く寝たきりで
この夢の中に居ないといけない訳かぁ・・。

「・・・暇を持て余す。」
「でしょうね、ではちょっと暇つぶしでもしましょうか?」
「例えば・・?」
「夢の中とは楽しいものですよ、自分の思い出を覗いていけるし
 色んな人の思いが交差する場所や自分への重いが綴られた場所、
 それにうまく行けば他人の夢だって見れるのですよ。」
「へぇ・・・楽しそうだね。」
「ええ、だから暫くこの夢の“迷宮“を巡って暇を潰しませんか?」
「・・・悪くないね。」
「でしょう、では行きましょうか。
 まずは・・・第0世界へと行きましょうか。」

さて・・・暫くは夢ライフな訳だね・・・。
まぁラプラスも居る事だし・・暇もしなさそうだからいっか。
私はラプラスが空間にジッパーのように
穴を開けるとラプラスについて行く。
さて・・・どんな所だろう?
0世界とは・・?

不思議な長い長い暇つぶしが始まった。

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