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車を走らせ続ける事、数時間と約2日。
蒼星石はまだ平気、と言っているが。
いい加減風呂に入らないと、何だか嫌な予感がする。
そんな事を考えながら、少しくだらない雑談をしていると。
少し大きめの鋼鉄の門が、少し遠くに下ろされていた。


J「お?そろそろかと思ったが、やっと着いたな。」
蒼「随分大きい扉ですね、ジュン君。」
J「・・・なんか良い辛くないか?」
蒼「そうですか?」
J「まぁ、其れで良いんなら、それで良いんだが・・・」


そう言うと、門に軽トラを近づけていく。
すると上のほうから、止まれと言う声が聞こえた。
窓から顔を出して、見てみると。
其処には、門の上のほうから、スピーカーが出ていた。


J「・・・はい!止まりました!」
蒼「ジュン君?如何したの?」


ジュンが外に、大声で叫んでいるのが気になったらしい。
寝ていた蒼星石は怪訝そうに、ジュンに訊いてくる。
しかし・・・寝方が、ネコのように丸まって寝るとは・・・
さすが東方の女子、って所か?


J「ん?ああそれはな、あそこの鉄の門があるだろ?」
蒼「はい。」
J「其処に話してるんだ。」
蒼「へぇ・・・この国にも、妖術か何か有るんですか?」
J「よ、妖術?」
蒼「はい、妖術です。」


このノリ、何処かでした事無かったっけ?と思いながら。
門からの返答を、ひたすら待った。
そして、3分ぐらいたった頃。
門から、入れと通達が来て。
ジュンは軽トラを、門の中に入れた。
軽トラを入れた1分後、重々しく閉まる扉の音だけが響いた。
・・・バタン!!・・・


蒼「!(ビクンッ)・・・ふぅ・・・」
J(こいつ・・・扉の音に驚いたな・・・)
蒼「・・・!なんだい?ジュン君?」
J「・・・何でも~」
蒼「・・・うーん?」


そう言うと、軽トラを門の奥に押し込んで行く。
少し進んだところで、入国審査帳みたいのを渡され。
今まで居た国や、15歳までの経歴。
今の年齢を書き入れる。
・・・何歳だっけ?まぁ・・・17って入れて置こう・・・
蒼星石は・・・16で良いや・・・
そして入国審査を終了した。
入国期間は4日ぐらい、っと・・・
そう言えば審査委員、何かずっと俺の方見てたな・・・前会いました?
取り敢えずは、国の中の宿を取るため。
適当に軽トラで、国の中をうろちょろし始める。
お土産屋に、ペナント。
繁華街に・・・あった、宿屋だ。
早速インして、荷物を置こうとした所。
向こうに看板が見える・・・騒ぐな注意?何だ其れ?


J「おーい、そろそろ宿屋に着くぞ。」
蒼「ジュン君、そしたら何処かに行くの?」
J「いいや今日は寝る、そしたて明日何処か行く。」
蒼「其れは良い考えだね、ジュン君。」


そう言うと、早速この車を止めるため。
その宿の駐車場を、借りる事にした。
・・・別に、他の方法も無いことも無いが・・・


主「はい、いらっしゃい。」


宿に入ると、バーのマスターにでもなりそうな、良い感じの主人が迎えた。
・・・あれ?あの人・・・


J「すみません、貴方前会いませんでした?」
主「いいえ?・・・もしかして、私の家系の一人では無いでしょうか?」
J「・・・そうですか・・・」


この世代、同じ家系の人が世界中に散らばって。
各自で店を開いているとは、よく聴いた事が有るが。
あの町の白崎さんも、そうだったとは・・・
適当にチェックをして。
店主に礼を言ってから、蒼星石の所に戻ってくる。
蒼星石は、少し心配そうに聞いてくる。


蒼「ジュン君?如何したの?」
J「いや・・・間違いだったらしい・・・」
蒼「そう・・・」


そう言うと、宿の階段を上っていく。
階段を踏むたび、ミシッミシッと古惚けた音がする。
蒼星石は、その音を聴くたび。
少しビクッと、していた気がする。


J「あ。」


ジュンが間抜けな声を上げる。
その声に少しびくついて、蒼星石がたずねる。


蒼「ど、如何したんですか?」
J「ベット一つにしちゃった・・・」


久しぶりの知り合いに似た人を、見かけた拍子に。
ダブルでベットを頼むを、すっかり忘れていたようだ。
・・・あの店長、もしかしてわざと知ってて・・・
それならやっぱり、白崎に似てるな・・・


蒼「う、うん、僕はジュン君が良いなら・・・」
J「それじゃあ、2人で寝るか。」


ここら辺無頓着なジュンは、そう言うと紅くなったままの蒼星石を置いたまま。
自分の部屋の中に入っていった。


J「さて・・・如何するか・・・」
蒼「ジュン君、僕お風呂に言ってきて良いかな?」
J「ん、分かった。」
蒼「それじゃあ、お先に・・・」


そう言うとそそくさと、風呂の中に入っていった。
・・・やっぱり女子は、汚いの厭なんだろうな・・・
そんな事を考えていると、シャワーの音と和風の詩が流れてくる。
その声に、ふた耳を傾ける・・・


嗚呼、桜咲く、竜泉城。
私の中に巣食う、子供等は。
鬼か、祟りか、災いか。
はてまて、天のお召し子か。
咲き乱れる、彼岸花。
貴方の幸せ、噛み締めて。
大きな災い背に受けた、貴方の面影は。
この小さなお召し子にも、似ていりょうて。
貴方の幸せ、この子に繋がん。
貴方の好きな、お花と共に・・・


J「・・・」


詩を謳い終わると、今度はシャワーの音だけが。
この小さな部屋の中で。
大きく響いていた。
暫くすると、蒼星石がシャワーを浴び終えて。
新しく買った、着慣れない寝巻きを着てきた。
少しヨタヨタしているのが、何とも言えない気持ちに・・・


J「・・・」
蒼「どうか・・・な?」
J「うん、似合ってると思うよ・・・」


さっきの詩を聞くかどうか迷ったが。
結局隠しておいた方が、良いこともあるだろうと。
心の中でとどめておく事にした。


蒼「有難う。」
J「それじゃあ、俺は風呂行って来る。」
蒼「うん、分かった。」


そう言うと、ジュンは風呂の中に入って行った。
シャワーを浴びながら、ジュンは適当にぶつぶつぼやいていた。


J「・・・もしかしたら・・・」
J「いやしかし・・・俺ももう結構生きたからな・・・」
J「もしかしたら、そろそろ・・・」
J「・・・随分年寄り臭くなったな・・・」


そう言うと、風呂から出て行った。
其れを聞いていたのは、流れていく水だけである。


J「終わったよ~」
蒼「そうですか、何か飲みます?」
J「んー・・・水飲んでこよ・・・」


そう言うと、ジュンは水を飲み。
コップを適当に、置いておいた。


J「それじゃあ、寝るか・・・」
蒼「え・・・あ、うん・・・その・・・お休みなさい・・・」
J「・・・俺床で寝よ。」
蒼「あ、い、良いんです・・・一緒に寝てください・・・」


如何やら寂しいようだ。
しょうがないので、一緒に寝る事にした。
その日蒼星石は、ジュンの腕の中で。
ネコのように丸くなって、眠っていた。


J「・・・」


奇妙な錯覚を覚えていた。


J(・・・似ている・・・)


昔一緒に遊んだあの子に。


J(・・・似てる・・・)


将来を約束したあの子に。


J(・・・運命?・・・)


耳を澄ませれば、今でも聞こえてくる・・・


・・・とーりゃんせーとーりゃんせ。
こーこは、どーこの細道じゃ・・・
天神さまのー細道じゃ・・・
ちょーと、通してくだしゃんせ・・・
ご用のないもの、通しゃせぬ・・・
この子のなーなつの御祝いに・・・
おー札を納めに、まいります・・・
行ーきはよいよい、帰りはこわい・・・
こーわいながらも、通りゃんせ・・・
とーうりゃんせ・・・うふふふ・・・あはははは・・・


J(・・・)


分かりきった事だ。
あの子はもう居ない。
けれど・・・
もしかしたら・・・
もしかしたらこの子が・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・


気が付くと、朝だった。
窓を開けると、随分気持ちの良い、澄んだ空気が入り込んだ。
・・・分かりきった事だ・・・
あの子はこの世には・・・
もう居ない。

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