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「・・・・・・」
少し大きめの家のベランダに、切なそうな表情で立つ少女が居た。
長く美しい金髪は、黒のリボンで二つに結んでる。
澄み切った藍い瞳は、サファイアの様だ。
胸は無い・・いや、控えめだが中々良いスタイルを持ってる。

そしてその少女はベランダに設置されてる手すりを掴んだまま、はぁっと溜息を付く。
彼女の表情は、まだ曇っていた。
ふと少女は空を見上げる・・・・空は自分の瞳の様な晴天。

・・・・・もう直ぐアリスゲームが始まるとは思えない様な空。

少女は自分の懐から、タオルに包まれた『何か』を取り出す。
その何かを包んだタオルをゆっくり外していく。

・・・・・タオルを外すと、そこには黒く光る拳銃があった。
その拳銃を、少女は曇り顔で見つめ、また溜息。
そして、ゆっくり口を開く。

『・・・国王様は、何故行き成り戦えだなんて・・・・私は戦う事なぞ望んではいないのに』
すると少女は、拳銃をタオルに包み直し、懐に仕舞う。
また少女・・・真紅は口を開く。そしてポツリと『国王様・・・』と呟く。


同時刻

「これ・・・・は」
一人の少女が、自宅のドアの前に置かれてた白い箱の中身を見て唖然とする。
何処にでもありそうな真っ白い箱。その中には微量の綿と・・・・

黒く鈍い光を放つ拳銃二つ・・・・
そして白い紙。その紙には文字が書かれている。

『アリスゲームを始めよう。数日後に鐘を鳴らす。それがゲームの始まりの合図だ』・・・・と。
その下に小さく『フライングをした者はアリスになれる資格は一切ない』と、書かれてる。

国王・・・・ローゼンからの手紙。恐らくこれが最初の最後の手紙に成るであろう。
一人の少女は、その手紙の内容を見て、体を震わせていた。
そんな少女の行動に異変を感じた者が、声を掛ける。


「蒼星石ぃ~・・・玄関で何やってるんですかぁ?」

声を掛けた主は、左右対称の瞳と長い栗髪が特徴的な少女。
恐らく寝起きなのであろう。髪の毛が所々跳ねている。


「すっ翠星石・・・・何でもないよ・・・」

そう言うと、少女はさっと白い箱を後ろに隠す。
そんな自分の妹の行動を、翠星石は疑問に思い、妹の眼をじっと見る。

・・・・・・嘘を付いてる眼というのは直ぐに分かった。
何せ二人は双子で産まれる前からずっと一緒だったから。
証拠に、姉と同じオッドアイを持つ妹の眼はキョロキョロと彼方此方を見ていた。

翠「蒼星石、嘘を付いてるのバレバレですよぉ?」
蒼「へ・・・?僕は嘘なんて付いてな・・・・ッ!!!」
翠星石が蒼星石の近くに近付き、そのまま頬を思いっきり抓る。
行き成りの行動で驚いた蒼星石は、つい持っていた白い箱を落としてしまう。


翠「・・・この箱が如何したんですぅ?可笑しな蒼星せ・・・」
箱を見た瞬間、翠星石の動きが止まる。
白い箱から出た拳銃と手紙を見たから。


取り合えず翠星石は、手紙の内容を読んでみる。
・・・・・またもや翠星石の動きが止まる。

吹き荒れる風と物音が、妙に切なく感じられた。

翠「なっ・・・いっ今頃何で・・・『アリスゲーム』を」
蒼「僕にも分からないよ。でも、仕方ないんだよ」
翠「でも、翠星石は戦いたく無いですぅ・・・・」
蒼「・・・・仕様が無いよ。国王様が決めた事だから」
翠「・・・・・」
翠星石は悲しそうな表情で下を向く。

・・・・沈黙の時が流れる。

翠「ねえ蒼星石」
先に沈黙を破ったのは翠星石だった。
蒼星石は声に気が付き、翠星石の方へ目線をやる。

蒼「何・・・・?」
翠「蒼星石は・・・・戦うですか・・?」
蒼「・・・僕は、それが定めなら・・・・」
翠「・・・・・・翠星石とも戦うのですぅ・・・?」
翠星石の一言に、蒼星石は『え?』と声を出す。

翠「翠星石は戦わないです。・・・そりゃあ国王様には会ってみたいですし、近付きたいとは何時も何時も思ってます・・・・・けど」
蒼「・・・けど・・・?」
翠星石は何も言わず、蒼星石を軽く抱きしめる。又しても蒼星石が『え?』と声を出した。

翠「・・・翠星石はずっと蒼星石と一緒に居たいんです・・・何時までも」
そして翠星石は蒼星石の顔をじっと見て、こう言う。

翠「翠星石は・・・国王様より・・・自分よりも蒼星石が大切なんですぅ・・・蒼星石は・・それでも他の姉妹や翠星石と戦うですか?」

姉の声に、蒼星石は何かに気が付き、口を開く。

蒼「―――僕も君と同じだよ・・・君と戦わなくては駄目なら、僕は国王様に近づけなくても別にいいや」
その一言に翠星石はにこっと微笑み、蒼星石の体を離す。

翠「それでこそ私の妹ですぅ!・・・・じゃあさっさと部屋に戻るです。ずっと玄関に居ては風邪でも引いちゃうですぅ」

そして、双子の姉妹は仲良く部屋に戻っていく・・・・

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