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 The One 「2」

 初めて自我を持ったその日から。
 彼は『正義の味方』になった。
 誰かが、教えた訳でもない。
 誰かに、教わった訳でもない。
 ただただ、気づけば……そう、『正義の味方』だっただけだ。
 そんな彼にも、モノを教える存在が居た。
 正確には彼が、『正義の味方』であると自覚したその瞬間からだが。
 彼にモノを教える存在の名前は『    』
 モノを教える彼もまた『正義の味方』だった存在だ。
 今では、その力は無くただの老人と成り果てているが
 その瞳には、燦然と輝く生命の灯りが燈っている。
 まぁ、『    』の事は置いておこう。
 とにかく、彼が自覚した瞬間から『    』は、彼に色々と教えた訳だ。
 異形のモノの正体が『■■■・■■』であり『■■■■■』から成っていると……


相変わらず晴れた日。
 彼、桜田ジュンは欠伸を一つ漏らして今回の転校先である学園に向かった。
 ジュンは、『正義の味方』であると同時に学生でもある。
 故に、転々と土地を移動しては異形のモノを狩り、それ以外の時は学生として過ごす。
 そんな二重生活を送っていた。
 そんな生活をジュンは、幼少の頃からしておりもう既に当たり前の事として認識している。
 ジュンは『日本における正義の味方』であり、良くわからないが勘めいたモノで
 異形のモノが活動しているだろう場所へと移動する。
 ジュンはコレを、妖怪アンテナだーとか適当に言っている節がある。
 因みに、『日本における』とつけたのは『正義の味方』が彼以外にも居るという事。
 アメリカにはアメリカの、中国には中国のという感じである。
 まぁ、『正義の味方』は一人だけじゃないという事である。
 日本には、ジュン以外に『正義の味方』が二十七名ほど居る。
 彼らも、また異形を狩る存在であり。生まれて自我を持ったその瞬間から
 自分がどういった存在であるかを認識し知るのだ。

 自我を持った瞬間から自分が『正義の味方』と認識し知る事を
 先代の『正義の味方』は、まるで英霊の出来損ないである。
 そんな言葉を思い出したジュンだった。
「この時期には珍しいが、転校生がこのクラスに編入する事になった。
 と、言っても親御さんの都合で一時的なものになるらしいのだが……
 親御さん曰く本人がその場所に留まりたいのであれば、留まるとの事だ。
 まぁなんだ、皆仲良くしてやれよ」
 と、ジュンの横で教壇に立つ教師が、そのクラスの生徒達にそう声かける。
 因みに、ジュンには両親が存在するが……仕事の関係と言う事で転々と転勤を繰り返している。
 故に、この教師が実際にジュンの両親に会った事も無く。
 まさに書類上で存在する両親であるといえる。
 自分の両親であるはずなのに、ジュンはこの両親にもう数十年と会っていなかった。

「さて、転校生君。すまないが自己紹介をお願いするよ」
「この度転校して来た桜田ジュンです。よろしく」
 淡々とそして事務的にそう言いながら教室を目線で見回すジュン。
 ふと、銀色が瞳にちらついた。
 あの時の銀色だ。間違いない。
 ジュンは、気取られない様にその銀色の持ち主を見て顔を覚えた。
「さぁて、一時間目はどうせ授業にならんだろ。適当に転校生である桜田に質問してやれ。
 時間が余ったら自由時間だ。ただし、煩くするなよ? したやつは人形に魂移して黙らせる」
 教師が、そんな物騒な事を言った後。
 ジュンは文字通り、質問攻めに会う事になった。
 質問攻めの間も、ジュンはあの銀色の持ち主を……
 銀色の持ち主である少女を、ジッとそして気取られぬ様に見ていたのだった。

 The One 「3」につづく・・・
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