密室(後編)
蒼「ふぁ・・・あ・・・はぁ・・・やっぱり夢じゃないのか・・・」J「・・・駄目だ・・・」蒼「やっぱり、まだ判らない?」J「まぁ・・・じっくりな・・・じっくり・・・」蒼「・・・うん。」
・・・何かが可笑しい、何かがずれてる。・・・何だ?何がずれているんだ?・・・何だ?何故・・・この部屋を隅まで探しても良いといったんだ?鍵が見つかるかもしれんのに。・・・何故だ?益々謎は深まるばかりじゃないか・・・
蒼「・・・皆どうしてるのかなぁ・・・」J「さぁ・・・俺等を血眼で捜してるのかもな・・・」蒼「早く帰らなきゃね・・・」J「・・・2人とも元気なままでな。」蒼「うん・・・」
試しに逆に考えるんだ・・・犯人は何がしたい?犯人は・・・そうか・・・判った。
J「犯人が誰か推定された・・・」蒼「え?」J「だが・・・まだ多すぎて完全ではない・・・」蒼「そう何だ・・・」J「まぁ・・・誰かが判らんとなぁ・・・」蒼「うん・・・頑張って・・・」J「・・・ああ・・・」
再び脳はフル回転を始める。紙を取り、ペンで仮定を描く・・・・・・駄目だ、符合しない。・・・考えろ・・・考ええれば考えるほど脳は進化する・・・考えれば何か・・・何か糸口が・・・見えるはずだ・・・何だ?・・・何が糸口何だ?・・・何が・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
蒼(・・・生きたい・・・けど・・・)蒼(この人には勝てない、寧ろ何故か殺したい気がしない・・・)蒼(・・・殺しても、黄色い救急車行きだしな・・・はぁ・・・)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何だ?ピースが抜けてるぞ?おらおらもっと考えろ、生き抜くんだろ?そんなんじゃ2人とも腐っちまうぞ?何故だ・・・?・・・・・・・・・・・・・・・・・・変・・・変態?・・・・・・変態・・・か・・・一理あるかもな・・・しかし誰だ?その変態は・・・こんな馬鹿げたゲームを思いつく輩は・・・・・・こんな事で人殺して、その一生を棒に振らされるのか?実に馬鹿だ!何て馬鹿だ!そんな事を考える暇が有ったら、ひたすら探せ!出口を!迷宮の出口を!さぁ・・・・・・・・・・・・・・・・・さあ、脳を回転させろ!脳を構築して鍛え上げろ!脳は疲れを知らん!休みはこの後だ!さぁ!さぁさぁ!!さぁさぁさぁ!!!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・ある程度整理は出来た。問題は・・・何処に鍵があるか・・・だ。
J「はぁ・・・」蒼「如何したの?」J「鍵が何処か判らない・・・」蒼「そう・・・」J「そう言えば、お前って詩歌なんか作れたっけ?」蒼「うん・・・一応作れるけど・・・」J「試しにそうだな・・・恐怖の感情が欠落した俺でも、怖がる一番暗いのやってみて?」蒼「うん、判ったよ。」蒼「いくよ?」
そして、息を吸い語りかけるように、詩を謳い始めた。
私は此処だ、生贄を捧げろ。宴だ宴、血の祝杯を捧げろ。腹を食いちぎれ、相手を殺せ。全身をかけて探し出せ。栄光は死の巣窟に。抉り出せ、子が巣食う巣を。
・・・腹を食いちぎれか・・・顔のわりに凄い事・・・・・・・・・・・あ・・・そうか!・・・ああ・・・はぁ・・・しかしついてない、実についてない。鍵の居場所は・・・判ったが・・・はぁ・・・死ぬかもしれんね・・・
J「蒼星石・・・有難う・・・」蒼「ジュン・・・君?」J「鍵の場所がわかった・・・はぁ・・・」蒼「え・・・?」
その頃、殺人魔グリーンアップルは謎の部屋で、ラジオを伝って中を聞いていた。足元には、人の皮をなめして作ったフローリング。椅子には人骨を使い、綿は脳を使っていた。そして、ニタリと笑う。
グ「お?そろそろ、動くのか?」グ「楽しいねぇ・・・」グ「前の数人は、呆気なく壊れちゃったけど、今回は楽しめそうだぁ・・・フフフ・・・」グ「ハハハァ・・・どっちが死ぬかな?」グ「それとも、無事に出れるかなぁ?愉しみだなぁ!」グ「フフフフ・・・・」
その頃ジュンは、蒼星石にこう告げていた。
J「恐らく、あいつは俺等が殺しあった後、俺等の身体に埋め込んだ、どっちかの鍵をあのスピーカーで、取り出させるんだろう。」蒼「如何して判ったの?」J「そうじゃなければ、俺等を自由に動かしたりはせん。」蒼「あ・・・そうか・・・」
確かにそうだ、もし壁に埋め込んだなら、僕達が蹴った拍子に出るかもしれない。もし死体なら、食べた時出るかもしれない。もし無いんなら、ドアに鍵などつけない。それが理解できた。身体なら、相手を殺さない限り、出てきたりはしない。
J「さて・・・場所だけど。」J「俺の腹だ。」蒼「・・・え?」J「俺の腹だ、メスが有っただろ?メスと糸、そして針を取ってきてくれ・・・」蒼「え・・・けど・・・判った。」
そう言うと、それぞれを取ってきた。ジュンは死体から取った血をコップに入れたものを、其処に用意していた。
J「血は・・・コレで良し。」蒼「一体何を?」J「自分で腹をさばく。」蒼「え!?けど、それは・・・」J「ハイリスクだから止めろと?無理だ、さもなくば俺等は死ぬ。」蒼「うっ・・・」J「お前じゃあ、血が少なくて耐えられないだろう。」J「だから、俺の腹を俺が斬って手術する。」蒼「でも・・・」J「・・・俺の親が医者で、昔俺に無理やり手術やらせたから、ある程度実践はある。」蒼「・・・」J「安心しろ、血が無くなり掛けたら、其処のを飲めば良いんだからな?」蒼「・・・本当にするの?」J「信じろ、俺を。」蒼「・・・判った、けど奏して其処だと?」J「此処以外に、物を隠したら見えるぐらいの変化が、身体に出てくるからだ。」蒼「あ・・・そういうこと何だ・・・」J「はぁ・・・神の御慈悲を・・・AMEN!」
そう言うと、メスを火で炙って殺菌して、冷ました物で手術を開始した。正直きつい、先ずは腹を薄く臓器を切らないように切るが、麻酔が無いため死ぬほどキツイ。
J「痛たたたたた・・・落ち着けー俺・・・グッ!・・・」蒼「・・・死なないで・・・お願い・・・」
蒼星石は、自分の不甲斐なさに嘆いた。ジュンに蒼星石の声が聞こえた・・・
J(泣いてる?・・・そりゃあそうか。)
しかし、泣いてる姿を見る事が出来ない。手が震える・・・危ないが、蒼星石にやらせる訳にはいかない。そして腹を開き、鍵を探す。・・・・・・メスで軽く叩く、激痛が走り意識が何度も何度も、飛びそうになるが必死に耐えた。何故だか耐えれた盲腸辺りを叩くと、コンコンと鉄と鉄のぶつかる音がする、此処か!其処を急いで開けて、鍵を取り出す。鍵が有った!安心したのも束の間、血が少しにじみ出始めている。しかも超小型の盗撮ビデオまで一緒に出てきた、コレで俺等を見てたのか・・・その後は、針で開けた所と腹を縫う。不恰好で痛いが、其のままよりは遥かにマシだった。その後、腹を縫い終わり、無事に手術は成功した。腹はジンジン痛むが、大分慣れてきた。
J「いつつつつ・・・」J「っくー!・・・はぁはぁ・・・疲れた・・・」蒼「ジュン君!・・・大丈夫?」J「ははは・・・ああ・・・大丈夫だ。」蒼「良かった・・・」
その後、ジュンはコップの血を飲み出発する事にした。血でも飲まないよりは、飲んだほうが手術後なので良いと考えたからだ。
J「はぁー・・・こんな事になるとは・・・トホホ・・・さて、行くか・・・」蒼「御免・・・役に立たなくて・・・」J「良いんだ、もう済んだ事だし。」蒼「・・・有難う・・・」
そして、鍵でドアを開けると、ドアががちゃりと音を立てて、ドアが開く・・・どうやら部屋から出れたようだ。久しぶりの外の光・・・其処は、港の鉄の箱の群の中だった。その後、ジュン達は昼だった事が幸いし、漁師に満身創痍の所を助けられ。一命を取り留めた、ジュンは腹の中の血がにじみ出てて、危なかったらしい。警察は、ジュンの腹から出たビデオを逆探知するも、見つからずじまいだった。病院に救急車で搬送中、ジュンは言った。
J「・・・まだ終わっちゃいないな。」蒼「え?」J「犯人は俺等を狙っている、だから未だ俺等の安全が保障されたわけではない。」蒼「・・・」J「大体見当はついた、今度そいつに会って来る。」蒼「え?けど・・・」J「大丈夫だよ、警察と一緒だから。」蒼「そうだよね・・・」
ジュン達は1週間入院し、蒼星石は体の中の鍵とカメラを出して、同じく1週間休む形になった。学校は、今回の件で一月休校になった、そりゃあ誘拐通り魔が出たんだ、休みになっても可笑しくは無い。ジュンはそれを利用して、とある人の家に行った。それは今回の件の、ジュンが仮定した容疑者の家だ。
J「すみません、お話があるんですが。」??「やぁ、警察の皆さんそれにジュン君、無事だったのかい?、それで何の御用で?」J「ははは・・・惚けないで下さいよグリーンアップルこと・・・」J「うちの学校の教師・・・梅岡!」梅「あはははは!面白いジョークですね?私が?通り魔?ははははは!」J「白を切っているようだが、殺されたやつ等は皆俺と同じクラス何だよ。」梅「ほぉ?それで?」J「回収された遺体の殺害日は、アンタが個人で自宅調査票を出して回収した日の、3日後だ。」梅「・・・其処まで言われたら、後の調査で判ってしまうな、素晴らしい!実に素晴らしい!その通り、私がグリーンアップルだ!」
その時、警察が梅岡に手錠をした。逃げ様ともしない梅岡に、警察は少し怯み気味だったが。
梅「ははは!実に楽しかった!」J「奇人だな・・・」梅「人が人を!自分が生きるために殺すのは、見ていて実に楽しかったよ!」J「・・・」梅「ははははは・・・」J「・・・ふぅ・・・良い先生だと思ってたんだが・・・残念だ。」
そこら辺一体に、梅岡の高らかな笑い声が響いていた。
その後、僕は普通の生活をしている。あれ以降、あの精神病は良くなり始めている。今でも蒼星石には、感謝をしている。之からも・・・
J「それじゃ、帰ろうか?」蒼「うん・・・」J「・・・手繋ぐ?」蒼「お願いできるかな?」J「此方こそ宜しく。」
その後、ジュンと蒼星石はこの件で恋人になり。巷で良い意味での、噂の少年となった。梅岡は悪びれる事も無く、今まで殺してきた数を135人と法廷で言い。
家からその数だけの残骸が発見され、死刑になった。死ぬ間際でも高らかと笑い、死んで尚顔は哂っていたと言う。今ではあの症状があったことに感謝したい。アレのお陰で、あそこを出れたような物なのだから。
FIN
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