~覚えてた約束、忘れた約束~
はじまりは僕自身だった。自業自得といえばそうなるが・・・。ジュン「あ~そうだ。今日姉ちゃん居ないから晩飯どうしようか」放課後に、そんな事をつぶやいたのが全ての始まりだった。
~学校~ジュン「う~ん。どうしよっかな・・・」水銀燈「あらぁ?ジュン。今日のりさんはいないのぉ?」ジュン「ん?ああ、今日はいないんだ。」水銀燈「なら私が晩御飯作ってあげようかぁ?」ジュン「え、いいの?・・・・・(でも、水銀燈って料理できたっけ?)」水銀燈「なによぉその疑いのまなざしはぁ」ジュン「な、なんでもないって。」真紅「どうかしたのかしら?」水銀燈「ジュンが私の料理を馬鹿にするのよぉ。」真紅「あら、女性を蔑むのはやめたほうがいいのだわ・・・・だけど水銀燈だものねぇ。」水銀燈「ちょっと!なんてことをいいだすのぉ?」真紅「あら、本当のことではないの?」水銀燈「真紅、貴方だって人のこと言えたものじゃないでしょぉ」真紅「な、何を言い出すの。」翠星石「なんか争ってねーでこの翠星石が結論を出してやるですぅ。」翠星石「結果は・・・・どっちもどっちで酷いってことですぅ」水銀燈、真紅「な!」水銀燈と真紅は一言声を合わせると少しの間の後アイコンタクトを取り合い、結果を出した。水銀燈「今日はいい味見役がいるから、料理の勉強でも使用かしらぁ。ねぇ真紅」真紅「そうなのだわ。今日はどれだけ失敗してもちゃんと消費してくれる人がいるから大丈夫なのだわ。」翠星石「・・・・だ、だれのことですぅ」水銀燈「誰だろうねぇ。」真紅「ふふふ」翠星石「ちょっと・・・・こっちくんなですぅ・・・・ギャーーー!」翠星石が真紅と水銀燈によって運ばれていく。多分今日は帰ってこれないだろうな。蒼星石「僕が作ってあげようかと思ったんだけどね・・・」ジュン「ん?用事でもあるのか?」蒼星石「水銀燈と真紅を止めないとね。翠星石が死なないように。」ジュン「でも、今止めるとまた何かするんじゃないのか?」蒼星石「大丈夫だよ。本当にやばくなったら止めるからね。いい薬だよ。」ジュン「ま、蒼星石がついていれば大丈夫だろ・・・・で、飯はどうするかな・・・。」雛苺「雛苺が作ってあげるの~」ジュン「おまえ・・・・料理できたか?」雛苺「うにゅ~ならできるの~」ジュン「主食とかにしてほしいんだが・・・」雛苺「うぃ~・・・・トモエがいるの~・・トゥモエ~!」巴「よんだ?雛苺。」雛苺「トモエは今日ひまなの~?」巴「暇だけど・・・なにかするの?」雛苺「ジュンのいえで料理するの~」巴「え?でも迷惑じゃ・・・」ジュン「いや、今日姉ちゃんがいないからな。料理つくる人がいないんだ。」巴「そう・・・。迷惑じゃなければ行ってもいい?」ジュン「あぁ、大歓迎さ。」雛苺「ヒナもいくの~」ジュン「じゃあ最初にスーパーでも寄るか。」巴「そうね。桜田君の家に行くまでにスーパーあるから丁度いいんじゃないかな。」雛苺「じゃあさっそくれっつごーなの~」
金糸雀「ちょっとまつかしら~」雛苺「どうかしたの~」金糸雀「雛苺。今日貴方当番なのかしら。当番の仕事やってからいくのかしら~」雛苺「え、そんなの・・・」金糸雀「問答無用かしら~さっさと日誌を書くかしら~」雛苺「うぃ~・・・ジュンと巴は先に行っててなの~書いたらすぐ行くの~」ジュン「ああ分かった。」巴「じゃあね、雛苺」雛苺「うぃ~」
~スーパ-~巴「桜田君は何が食べたい?」ジュン「僕は・・・なんでもいいよ。」巴「そういう答えが一番困るんだよね。」ジュン「あ、ゴメン・・・でもそんな言葉、姉ちゃんも言ってたな。」巴「作る側にとってみたら、注文があったほうが作りやすいからね」ジュン「じゃあ・・・・・カレー」巴「わかったよ・・・桜田君ってカレー好きなの?」ジュン「結構好きだね。あと簡単に作れるから柏葉にも手間かけさせなくて済むからね。」巴「ありがとう。じゃあ・・・ジャガイモとかが必要だね。」ジュン「あ、かごは持つよ・・・女の子に力仕事させちゃ駄目だからね。」巴「え?・・・うん。ありがとう。」ジュン「どういたしまして。・・・・あっちじゃないかな・・・野菜は・・・」巴「そうだね。じゃあいこうか。」
ジュン「要るもの全部買ったし・・・そろそろ行こうか。」巴「そうだね。・・・荷物全部持ってるけど大丈夫?」ジュン「これくらいなら片手で大丈夫だよ。」巴「そう?・・・・無理しないでね。」ジュン「大丈夫だって・・・・」巴「・・・・・・・」ジュン「・・・・・・・・・」突如流れる沈黙・・・巴「・・・・・・・」ジュン「・・・・・・・・」巴「・・・・・ねぇ、桜田くん。」ジュン「ん?なに?」巴「手・・・さ、つないでもいい? 」ジュン「え?あ、うん。いいよ。」巴「ありがとう・・・」ジュン「・・・・・・・・・」巴「・・・・・・」再び流れる沈黙、しかし先程のような気味の悪さはなく手を通して伝わってくる巴のあたたかさに身をゆだねているジュンであった。
~桜田家~ここまでずっとつないでいた手を巴のほうから離す。巴「さすがに両手がふさがってちゃ鍵も取れないでしょ?」さすがは柏葉、いろんなことを考えている・・・。そう思いつつ鍵を開ける巴「おじゃまします。」ジュン「いらっしゃい・・・この荷物とかはどこにおいていればいい?」巴「すぐ使うから台所にでも置いておいて・・・。」ジュン「あ、そうだ。はい。エプロン」巴「ありがとう。桜田君はテレビでも見てて。」ジュン「うん。わかった。」ジュンはリビングへ向かい、テレビをつける。その後から包丁のリズミカルな音などが聞こえてくる。ジュン「・・・・・・(くるっ」振り返ってみたジュン。そこには制服にエプロン姿の巴がいた。エプロンと制服。妙な組み合わせだが・・・・ジュンにはつぼであった。ジュン「・・・・(我慢我慢)」そういいきかせるとジュンはテレビのほうへと向いた。またしばらくして、ジュンは立ち上がり、台所へ向かった。台所へ行くとジュンの気配に気付き巴は振り向いた。巴「どうしたの?もうおなか減っちゃったの?」ジュン「違うけど・・・大丈夫かなって。」巴「心配してくれてるの?うれしいな。」そういうと巴は前を向き料理を続けた。ジュン「・・・・・(ぎゅっ」ジュンは自分の欲望に耐え切れず、後ろから巴を抱いた。巴「え?桜田君・・・・」ジュン「(嫌われるんだろうなぁ・・・・もういいや・・・)」巴「ねぇ、桜田君。覚えてる?」ジュンの予想とは判して巴はジュンの腕に手を当て語りだした。巴「子供のころさ・・・よく遊んだよね。」ジュン「あぁ・・・あのころは無邪気だった・・。」巴「じゃあさ、これは覚えてる?『ぼくはともえのだんなさんになる。だからおいしいりょうりをいっぱいつくってね。』」ジュン「え?僕そんなこと・・・いった?」巴「やっぱり覚えてないんだ。私はうれしかったな。今でも思い出せるもん。」ジュン「あ、えと・・・悪い。」巴「あやまらなくていいよ。・・・・・でもね・・・」ジュン「ん?」巴「今の状態じゃあ約束は半分しか守れてないよね。」ジュン「う、うん。」巴「だから・・・・ね。嫌ならべつにいいんだけど・・・。」ジュン「・・・柏葉・・・いや、巴。」そういうとジュンはくるりと巴を自分のほうへ向けた。ジュン「僕とさ・・・付き合ってほしいんだ。・・・もちろん結婚を前提にだ。」巴「・・・・ありがとう。・・・・こっちこそよろしくね。・・・・」ジュンと巴は抱き合った。何分も・・・そして口付けを交わした。巴「ふふっ・・・・・ジュンくん。もうすこしまっててね。あと少しでできるから。」ジュン「わかったよ。巴。」~こうして忘れられていた約束を思い出したジュンは巴と付き合い始めました。 この後どんなことが起きるか、新婚旅行にどこへ行くのかなどとかは・・・また別のお話・・・~
おまけ
金糸雀「まだおわらないのかしら~」雛苺「くーくー・・・トゥモエ~・・・くーくー」金糸雀「寝てるかしら!!」
翠星石「ごめんなさいですぅ。だから・・・もう食べれないですぅ」水銀燈「まだまだあるわよぉ。たっぷりとたべなさぁい」真紅「蒼星石は紅茶に睡眠薬入れて寝させたから助ける人はいないわよ」水銀燈「もうその減らず口が叩けないようにしてあげるぅ」翠星石「たすけて~~ですぅ~~~」蒼星石「すーすー・・・ジュンくん・・・す~す~」翠星石「イヤァァァァァァァァ!!!!!!!」
おわり
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