門出
推奨BGM「サスケ」:彼女
J「・・・誰だ?こうしたのは?」蒼「あー、あー。」
蒼星石は、ジュンの机の上の白い液体から、明らに目を反らしていた。
J「・・・お前か。」蒼「ははっ!何の事だい!?」J「正直に言わないやつには・・・」
その瞬間、そっぽを向いている、蒼星石の顔をこっちに向け、甘いキスを・・・
蒼「うぇっ!にがっ?!、何コレ!?」J「残念、99カカオだ。」蒼「もう、僕がそれ嫌いなの知ってるのにー。」
そう言って、無邪気に頬を膨らませる、彼女の姿に、そのただ穢れの無い、その無垢な姿に。ああ愛しい、素直にそう思った、ただ彼女と恋人であるだけ、ただそれだけなのに。彼女がいなくなったら、全身が萎んでしまう、そう思うことすらある。僕は駄目だな、彼女とはとても、釣り合いが取れないかとすら、最近思う。こんなに近いのに、僕は彼女の心を守れるだろうか?
蒼「もー、今日は一緒に手を繋いで帰ってもらうからね?」J「・・・ああ分かった、けど少し、ほんの少し、聞きたいことがあるんだ。」蒼「何だい?」J「君は本当に、僕と一緒で言いのかい?」
数秒の間が空く、その後彼女はこう言った。
蒼「ふふっ、あはははははは!!」J「なっ、何がおかしいんだい?」蒼「馬鹿だなぁ、君がソレだから良いんだよ、君みたいに心の底から、本当に安心できる人は、早々居ないし。」蒼「それに君は、その上どんな困難にも、気丈に立ち向かえるような、丈夫な心を持っている、だから僕は君を選んだんだ。」J「そう、か。」J「御免な、変なこと聞いて。」蒼「良いんだ、僕も本当は少し心配だったから。」蒼「それじゃあ、帰ろうか。」J「ああ、そうだな・・・」
そして、僕と彼女と、手と手を握って帰る途中、彼女はこう言った。
蒼「ただ愛している、ただそれだけ、なのに壊れそうなこの心。」J「・・・僕もだ、愛してる。」蒼「うん・・・有難う。」
そう言って、彼女は僕に身を摺り寄せて向かい合い、こう言った。
蒼「何時までも、私は貴方を求めます。」J「?、なんかの御呪い?」蒼「君が僕のことを好きなら、何時までも貴方を守りますって言って?」J「分かった。」蒼「何時までも、私は貴方を求めます。」J「何時までも、私は貴女を守ります。」蒼「ふふっ、さぁ、行こうか・・・今日、君の家に泊まってもいい?」J「ああ、良いよ。」蒼「有難う、ちょっと姉と喧嘩しちゃってて・・・ありがとう。」J「如何いたしまして、私の大切な恋人よ。」蒼「ふふっ。」J「はははっ。」2人「あははははは・・・」
そう言うと、2人は夕暮れの小道を、身と身を合わせて帰っていった。
推奨BGM「サスケ」:青いベンチ
その後の川の端のとある2人。
真「・・・どう?気分は。」翠「複雑ですね・・・」真「・・・きっと良い事有るわよ。」翠「そうだと良いですね・・・」
その、珍しく気弱な彼女の発言に、今は何も言わないのが、得策だと考えた彼女は、黙って隣にいた。
翠「・・・明日あの2人におめでとう、とでも言うですか・・・」翠「そうですね、自分の妹の門出ですもんね・・・真紅胸借りてもいいですか?」真「ええ・・・」
そう言うと彼女は、溜まった物を、吐き出すかのように真紅の胸で啜り泣き始めた・・・
翠「ひっく・・・ありが・・・ぐすっ・・・とうです・・・ぐすん・・・真紅・・・」真「今日だけは、我慢しなくてもいいのよ?」
そう言って、翠星石はダムが決壊したかのように、大声で泣き。真紅も、つられたかのように、すすり泣き始めた。
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