【愛の行く末】第八話
真「おはよう、水銀燈」銀「あらぁ、おはよう真紅」真紅……あの7人の中で最も犯人に近い女。真紅はいつも私のジュンを下僕扱いして顎で扱き使っていた。それを見て私は何度はらわたが煮え繰り返ったことか……今、真紅の隣にジュンは居ない。犯人は真紅じゃなかったの?銀「ええ、もうすっかり。ごめんねぇ、心配掛けちゃったぁ?」真「べ、別に心配なんてしてないわ。それより今日はジュンは一緒じゃないの?朝はいつも一緒に居るでしょう?」銀「ジュンはなんだか用事があるみたいで……私は薔薇水晶を待ってるから悪いけど真紅は先に教室へ行ってくれない?」真「わかったわ。それじゃあ教室で」そう言うと真紅は学校へ向かった。ジュンを盗ったのはどうやら真紅じゃないみたい。彼女はジュンの事を下僕以上には思ってなかったようだ。でもそれはそれで腹が立つけど…そういえば今日は薔薇水晶がまだ来ない。あの子の家と私たちの家は方向が逆だから朝はいつもこの交差点で待ち合わせをしている。いつもならもう先に来て待ってるはずなのに何かあったのかな?(知らない友達の家に泊まったジュン……いつもの時間に現われない薔薇水晶……まさか……)私は頭に浮かんだ考えをすぐに否定した。だってあの子が私を裏切るはずないもの。(そうよ、薔薇水晶が私からジュンを盗むなんてあるはずないわぁ。でも……)そんなわけない。ありえない。何度そう思ってもこの嫌な予感が消えることはなかった。続く
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