兎料理は
薔「・・・ラプラス~、どこ~?」雪「観念して出てきなさ~い!」ラプラスは二人から必死で逃げていた。捕まったらヤラレル・・・。一昨日は鍋にされた。昨日はシチューだった。今日はポワレにでもされそうだ。ラ「なのに何で生きてるかですと!?。ぐふふ、愚問ですなぁ。 この屋敷の地下には科学の粋を集めた・・・はっ、まずい!」二人の気配を感じたのか脱兎の如く逃げ出すラプラス。しかし次第にいつものように追い詰められていく。薔「・・・ふふ、もう少しだよ。」雪「しかし逃走経路も隠れる場所もいつも同じとは。所詮『兎』ですわね。」夕食前に追われるとラプラスは必ず自室に逃げ込むのだ。本人はうまく逃げおおせたと思っているらしいのだが。嗚呼、悲しき小動物。ラ「う、迫ってきてますな。だが今回はいつもとひと味違いますぞ。」何度も捕まるうちに学習でもしたのだろうか。今日のラプラスは自信に満ち溢れていた。
しばらくして勢いよく扉が開け放たれ、二人が部屋に姿を現した。薔「ラプラス、もう逃げられないよ。」雪「おとなしくお縄につきなさい。」しかしそこには片目に銀縁眼鏡をかけた兎の紳士がいるだけだった。薔「・・・あれ?あなたはアソビン教授?」雪「おかしいですわね。あの、ラプラス見ませんでした?」兎「ラプラス殿でしたらあちらの窓から降りていきましたぞ。」雪華綺晶が窓に目をやると壁際の机の脚からロープが垂らされていた。薔「・・・そう。ありがと。」兎「どういたしまして。ではワタクシはマークⅢの講義がありますので(ry」一礼して扉に向かおうとする兎の紳士の前に雪華綺晶が立ちはだかる。立ち止まったところに背後からの一撃、紳士はそのまま取り押さえられた。雪「ふぅ、ラプラス!この程度の仕掛で逃げられるとでも?」ラ「・・・わかりますか?」薔「・・・ニオイだな。」ラ「くっ、もはやこれまでorz」雪「さ、厨房に向かいましょう。今日の料理は狩人風ですわ。」やがて厨房から断末魔の叫びが館内に響き渡る。その頃地下のプラントでは明日の生贄となるラプラスが誕生していた。終わる
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