J王ロボ
べ「なあ、お前蒼星石の幼馴染だろ?」J「そうだけど、それがどうした?」べ「実を言うとさ・・俺、蒼星石の事が好きかもしれないんだ・・」J「は、はぁ・・その、それで?」べ「それでよ。今度デートしたいんだが、俺あんまり蒼嬢と面識ないじゃねーか」J「まあ、そうだな」べ「で、だ。今度のデートの約束をお前に取り付けてきてほしい、頼んだぞ!」ダッシュで逃げ出すベジータ。J「え。おい、ちょと待て!・・・行ったか・・」 ↓J「なあ、蒼星石・・ちょと、頼みがあるんだが・・」蒼「改まって如何したの?それと、二人っきりの時は『ソウちゃん』って呼んで良いよ?」J「あ、ああ。うん・・でな、今度の休みにベジータが一緒に遊びに行きたいって言うんだ」蒼「へー良いんじゃないかな?で、何処に行くの?ジュン君は映画に行きたいとか言ってたよね」J「いや、その、な。蒼ちゃんと二人っきりで行きたいって、言うんだが・・その、どうだろ?」蒼「あーそう言う事ね。僕は別に良いけど・・」J「そ、そうか。有難う多分ベジータも喜ぶよ(何か、嫌な役だな・・これ」蒼「そう・・」J「詳しい日程は後で連絡するよ・・その、ごめんな変な、事言って・・」蒼「いや、良いよ。ジュン君も友達付き合いがあるんだから、気にしないで」J「ああ、ありがとう。・・多分、遊園地になると思う。そんな話してたし・・」蒼「そ、そうなんだ。僕、遊園地好きだから、楽しみだな。あはは・・はは・・」
二人の間に気まずい空気が流れ、蒼星石の笑い声は虚しく響く。
べ「はい、もしもし。ベジータだが」J「俺だよ、ジュンだよ。」べ「そ、その。蒼嬢の方はどうだった!?」J「OKだってさ、行き先とか伝えるから、教えてくれ」べ「ありがとう心の友よ!行き先は『薔薇遊園地』だ!それで、時間はだな・・ ・・だから、よろしくな!ひひひ、コレで蒼嬢は俺の魅力にめろめ」『プチッ』ジュンが電話を強制的に終了させたJ「はぁ・・何だろうな・・この気持ち・・心配だな、蒼ちゃん・・」 ↓
デート当日・遊園地べ「ははは、それでね・・」蒼「へーそうなんだ、面白いねー」そんな二人を見つめる影があった。J「中々紳士的だな・・って、俺は何してんだよ!!!」そう、ジュンである。蒼星石が心配で結局見に来てしまった。J「はぁ・・まあ、何だろう・・うん、気にしたら負けだ、負け犬だ・・」
蒼「ふーん、次はジェットコースターに行こうよ」べ「ああ。まかせろ!(よし、中々いい雰囲気だ!」 ↓べ「機械のくせに・・中々やるじゃねーか・・」蒼「あはは、ベジータ君が怖がりすぎだよ。じゃ、次は何処に行こうか」
J「何か・・凄くいい雰囲気じゃねーか・・俺、何してんだろうな・・」ジュンが木の上から見ていた。子「ねーあれ何ー?おサルさん?」親「しっ!見ちゃだめよ!さ、薔薇戦隊のショーを見に行きましょうねー」J「・・・('A`)」ジュンは負け犬に成った。J「俺も、気晴らしに・・薔薇戦隊でも見に行こうかな・・でも、一人だとちょと恥ずかしいな・・」
一口メモ・薔薇戦隊とは? 薔薇戦隊とはジュンが子供の頃に大ブレイクした戦隊物である。7人の隊員で操る巨大J王ロボと巨大怪人との戦いは必見!国外輸出もされていたシリーズである。付け加えると。ジュンは巨大ロボJ王が大好きだった。
モヒカンA「あーん、最近の交友関係はどーなってるんですかー?」モヒカンB「そうだそうだ!バギーで追い回すぞ!」モヒカンC「ひゃははは。水だ水だ!!」
世紀末のモヒカン達が居た。べ「ふん。下種共が、この金をくれてやる、失せろ(へっ、決まったぜ」モヒカンC「ああん?今の時代に金が何の価値がある?」『どかっ!』ベジータが差し出した札束を手と共に蹴り飛ばす。べ「う、うわっ!」相当数のペリカが舞い上がる。モヒカンA「へへ、ならこの女は貰っていくぜ。ヒヒヒ」べ「ま、待て!!金なら、まだある!!」モヒカンB「ひひひ、女を助けたかったら。その10倍は用意するんだな!!」蒼「う、うわっ!だ、誰か助けて!」だが、誰も助けに入らない。皆面倒ごとはごめんなのだモヒカンA「へっ、皆自分の身が可愛いんだ。それじゃあ、早く金を持ってくるんだな。ガハハハハ!」??「まていっ。うぬら、その娘を放してやれ」モヒカンA「ああ?誰だてめー?」降り注ぐペリカから現れたのはJ王ロボ「我が名はJ王ロボ、天を目指すロボである!」
J王ロボ(着グルミ)であった。
モヒカンA「は、ははは。誰かと思えばJ王ロボかよww」モヒカンB「ひっひっひっ、俺が子供の頃やってた戦隊物のロボじゃねーか!」モヒカンC「食い物だ、食い物をもってこい!ぎゃははははは」蒼「J王・・ろぼ?」J王ロボはモヒカンA・B・Cに向かって走り出す。モヒカン「「「な、何だ!?」」」J王ロボ「ふぅん、どりゃぁ!ぬぅん!!」必殺技『秘孔突き』をするモヒカンA「な、何?別に痛くも・・」J王ロボ「うぬらが生きる明日はない・・」そして手のギミックを作動させ
『ドッパァ!!』
モヒカン「「「ひ、ひでぶっ!!」」」血糊が吹き出る、モヒカン達はいつもの台詞を言って倒れる。J王ロボ「(あー結構クセになるな、これ。J王ロボ目指して鍛えてた甲斐あったよw)」ぶっちゃけ、使用したのは普通の突きなのだが。拳王の彼が使えば関係ないようだ。
周りから拍手が漏れる。男A「最近のパフォーマンスは凄いなw」男B「ああ。やっぱあの血糊がいいよなw」どうやら、ショーの延長として考えてるようだ。蒼「あの。助けてくれて有難うございます・・」J王ロボ「気にするでない。このような掃除も拳王の仕事よ(にしても、早く逃げないと)」女A「あ、あいつです。勝手にJ王ロボの着ぐるみを盗って行った奴です!」警備「まてーい!!そこを動くなよ!!」J王ロボ「では、さらばだ!(やべえええ、逃げ切れるかな!?」蒼「ありがとう・・J王ロボ・・・」J「それに、しても・・今日は大変だったな・・」なんと、J王ロボに変装していたのはジュンであったのだ!J「にしても、あの警備・・侮れないな・・投げ手錠使うなんて、まったく」時計は夜8時を指していた。J「うーん。蒼ちゃん大丈夫だったかな・・ベジータに限って、そういう事はないと思うけど・・」『こんこん』その時窓を叩く音が聞こえた。J「ん?蒼ちゃんか?」『ガラガラガラ』蒼「や、ジュン君。遊びに来たよ」J「ああ、あがりなよ」『ガラガラガラ パタン』
J「で、どうだった?今日の、その。デートは?」二人ともコタツに入って和んでいる。蒼「まあ。ぼちぼち楽しかったかなー」J「そうか、それは良かったよ」蒼「でも、あの後ベジータ君が『疲れてないか?俺、休憩とか出来る所知ってるんだが。どうだ?』 とか言って来た時はびっくりしたね」J「ちょ、ちょ!大丈夫だったか!?(あの糞野郎!!!」蒼「大丈夫だよ。そうじゃなかったら今ここに居ないってw」J「ま、まあ。それも、そうか・・(心配しちまうよ」蒼「ふふ、心配しちゃって。ジュン君は可愛いねー」J「いや。これは、その幼馴染としてだな・・その・・」蒼「あ、そうそう。今日は映画『超!怖い話』があるんだよね、見なきゃ」『ピッ』TVが電子音を上げブラウン管に色が走る。J「って、蒼ちゃん怖いの苦手だろ?んで見た後は『怖いから・・一緒に寝よう、ね?』って言う気だろ?」蒼「お、良く分かってるねーさすがジュン君」J「いや、流石に。俺達も、なあ?いい年な訳なんだし・・(蒼ちゃんがデートとかするから、変に意識しちまう・・」蒼「何言ってるんだよ、この前のホラー映画の時も一緒に寝てくれたじゃないか」ムッ、とした顔になりコチラを見る。J「いや、まあ・・その・・えーと、嫌じゃないんだが・・その・・」蒼「なら一緒に寝てもらおうかな。それとも、いやらしい妄想でもしちゃった?w」J「あーほらほら『超!怖い話始まるよ』」蒼「話そらしちゃって、クスクス」
ジュン・自室二人、一緒のベットに寝ている。只、一緒の空間を共にするためだけの同衾。部屋には青白い月明りが漏れていた。
二人は仰向けに寝ていた。J「あの映画は、本当に・・怖かったな・・」蒼「うん・・一人だと、泣いてたかも・・」数分の沈黙の後、蒼星石が口を開いた。蒼「ねえ、ジュン君『薔薇戦隊』って覚えてる?」J「ああ。覚えてるよ、俺達の子供の頃の番組だ(むしろ、今日演じてきたしなw」蒼「それでさ、J王ロボ居るよね、ジュン君が大好きだった奴。そのロボのキメ台詞がさ」蒼星石は相槌など求めてる様子はなく、話を続ける。蒼「『うぬらに明日を生きる資格はない・・』なのにジュン君はいつも『うぬらが生きる明日はない・・』 って、間違えてたよね・・どんなに注意しても、直らなかったよね・・僕ね、あの時とても怖かった・・」J「・・・ああ」蒼星石の言いたい事が何となく、分かってきた。じっと、次の言葉を待つ。
蒼「・・・その、言いたい事はそれだけなんだけど・・それと、ありがと・・」ぼそり、と蒼星石が呟く。J「そんなの、k」言葉を失う。青白い月明りに照らし出され、頬を赤らめる蒼星石の姿はとても、美しかった。蒼「・・どうしたの?」J「い、いや。その・・何でもない。もう、寝ようぜ」見とれていたなんて、言えやしないよ。蒼「あーこら、お姉さんに言って見なさい、ほらほら」『グシャグシャ』と頭を触られる。J「って、3日産まれるのが早かっただけだろ、それに俺の方がお兄さんっぽいわ!」蒼「そんな事言ってー昔は『蒼ちゃんを絶対守る、僕はナイトになる』って言ってたのになー」J「いや、まあ。それもそうだけど・・(俺は、絶対に。守ってみせる」蒼「でしょーじゃ、ホラ言いなよ、さっき何て思ってたのかな?」J「言わない、絶対俺は言わないからな、くらえ!」ジュンの手が蒼星石のほっぺに伸びる。蒼「甘いわ、馬鹿弟子めーw」じゃれ合う二人。J「ちょ、負けないからなw」青白い月明りに照らされる幼馴染の二人。
彼らの時間は過ぎていく。
FIN
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