蒼星石短編39
銀「私のクイズに答えられなかったら、ヤクルト奢ってねぇ」翠「これは負けられんですぅ!」蒼「仕方ない。僕もやるよ」銀「さて 今までやってれば分かる問題よ。突然蒼星石は鏡の前に立って……」①『お化粧』したくなりました②『夢の世界』へ行きたくなりました蒼「ハハハ、こんなの楽勝だね。蒼星石」翠「……」蒼「え?」翠「……どっち、でしたっけ?」蒼「本気で聞くな」
biero「いやだって持ち主が判明したんだし」 注意:毛ここはけっこうな豪邸ローゼンさんのお宅今日も仲良し双子の三女四女翠星石と蒼星石は一緒にお風呂に入っていました。二人でお風呂に入れるようになってから、高校生になる今までほぼ毎日二人は一緒にお風呂に入っています。そんなわけで当然のように二人は二人の体に詳しく、お互いに「双子だから目と髪の長さしか変わらないね」等と言い合っていたものですが。翠星石が先に10人は楽に着替えられる脱衣所から出て行った後、蒼星石は姿見に一糸まとわぬ自分の体を写してみます。知らず知らず、蒼星石の視線は自らが気にしている一点に注がれます。「ふぅ」思わず、ためいき。蒼星石が気にしている事を知っている双子の姉は「別にあるからって何が変わるってもんでもないですよ」と言ってはくれるのですが。ふぅ、蒼星石はもう一度アンニュイなため息をつきます。何もかもがそっくりで鏡写しな二人なのにどうしてここだけぜんぜん違うのか。翠星石はまさに植物を慈しむ彼女らしく、濃すぎず薄すぎず優美な曲線を描く茂みがあります。たいして蒼星石は生まれた時と特に変わんない感じです。『貧相』という言葉が蒼星石の頭をよぎります。しょっちゅう『貧乳』という言葉でからかわれている一つ下の妹に対して実は共感を抱いたりしている蒼星石だったりします。口にしたら殺されそうなので胸に抱くだけですが。蒼星石は毎日のように行っている行動を今日も行っていただけです。ああ、ですが、なんという事でしょう、気鬱に陥りすぎた蒼星石は重要な事を失念していたのです。ローゼン家では女性がさきにお風呂に入るのが暗黙のしきたりになっているという事。そして、二人は今日女性としては最後にお風呂に入った事。最後に今日は幼なじみの桜田ジュン君が止まりに来て居た事。それは蒼星石が姿見を見ながら、これは本当に植物に対して鋏をたくさん使って来た報いではないかと悩んでいた時です。脱衣所と廊下のドアが、開きました。思わず、蒼星石は振り返ります。「え」「あ」ええ、一糸まとわぬ姿で。その後彼女とそのコンプレックスを知った幼なじみの間に色々あるのですが、それはまた、別の話。ーーー今夜はただ、惨劇の幕が上がりましたとさ。
「たんぽぽだ」「原っぱが黄色なの! すごいのー」 黄色いたんぽぽが咲いているのを見つけ、両手をブーンとさせて雛苺は走り出します。「転んじゃダメだよ」 何時ものことながら蒼星石はまるで保護者だな、と苦笑いを浮かべます。「そーせーせきー、ちょっと来てなのー」 雛苺が黄色い絨毯を敷き詰めたような原っぱにちょこんと座って手を振っています。どうしたのかな? と思いつつ蒼星石はゆっくり雛苺に近付いていきました。「どうしたの? 何か見つけた?」「えへへ。あのねーいつも蒼星石には遊んでもらってたりするからありがとーなの」 と雛苺は自分の膝をぽんぽん叩きました。これは正しくあれでしょう。「えぇと、雛苺?」「膝枕なのー」 素晴らしい笑顔で雛苺は宣言しました。「雛苺、大丈夫? 重くない?」「だいじょーぶなの。リラックスするのよ」 結局言いくるめられて雛苺の膝の上に頭を乗せた蒼星石。考えてみれば、普段からしっかりものの蒼星石は誰かに甘えたりすることはあまりありませんでした。時たま翠星石にぎゅうっとしてもらうだけで満足する子なのです。たまにはこんなのもいいかな? なんて蒼星石が思う頃、微かに寝息が聞こえて来ます。「雛苺?」 黄色い原っぱは暖かくてたんぽぽの太陽のような香りがふわふわです。蒼星石は雛苺を起こさないようにそぉっと起き上がり、雛苺を自分の膝の上に乗せました。いわゆる膝枕状態です。 「こっちのほうが僕らしいんだよね」 雛苺は眠っています。蒼星石は雛苺の寝顔を見て優しく微笑みました。
翠「あがれー! あがれですぅー!」蒼「ん? アレは翠星石、何をやってるんだろう」翠「あがりやがれですぅー!」蒼「……」翠「こんなにあがって……全くお前はあがりたがりやですねぇ。 ……わっ! 蒼星石ッ!」蒼「……」翠「いつから……見てたですか?」蒼「『あがれー』のくだりから」翠「……恥ずかしいですぅ」と言うわけでage
このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー と 利用規約 が適用されます。
1文字以上入力してください
本文は少なくとも1文字以上必要です。
1文字以上入力してください。