二日目-3
それから、私達は近くのレストランで昼食をとることにした。レストランはごった返していたが、何とか八人が座る事のできる席を見つけたわ。外は太陽が照り付けていたが、中は冷房が効いていてとても涼しい。翠「はぁ~……涼しいですぅ」銀「そうねぇ。外は暑くて暑くて……冷たいものが食べたいわぁ」翠星石と水銀燈が胸元をあけて、手でパタパタ仰いでいる。周りの男子が胸元をちらちら私達の方に視線を送っている。おそらく二人の胸元を見ているのだろうけど……オスはやっぱり下劣ね。蒼「とりあえず、何か頼まない?」蒼星石がメニューをすっとみんなの前に出した。雪「そうですね……私はこの『BIGオムライス! 30分で食べ切れたら無料』に挑戦してみようと思います」金「ええ~~っ!? 本当にやるかしらー!?」雪「もちろん。ここで引き下がったら負けですもの」金糸雀が驚きの声をあげる。確かに、写真を見る限りボリュームは十人前はありそうだ。苺「ヒナはね~……『イチゴソースパスタ』にするの」紅「うっぷ……絶対まずそうな名前なのだわ」翠「ちびちび、ぜってー残したら駄目ですよ」苺「絶対残さないの。イチゴ大好きなの~♪」
雛苺……本当に食べきれるのかしら?それにしても、そんな料理を扱っているこのレストランって……金「カナは、『卵尽くし』にするかしらー!」金糸雀は相変わらずの卵料理だ。毎日卵で飽きないのかと思っているけど、私が紅茶を毎日飲んでも飽きないのと一緒なのかもしれない。蒼「僕はちょっと高いけど『飛龍御膳』っていうのにしてみようかな」薔「……私も同じモノにしよう」紅「私も……それでいいわ」銀「私は『ステーキセット』でいいわぁ」翠「翠星石も水銀燈と同じやつにするですぅ」みんな注文がまとまったみたいだ。翠星石が通りがかった店員さんを呼ぶ。店員「ご注文は?」蒼「『イチゴソースパスタ』と『飛龍御膳』が三つ、ステーキセットが二つに『BIGオムライス』が一つ」店員「繰り返しますね、『イチゴソースパスタ』(ry」しばらくすると、料理がやってきた。
みんなで手を合わせて、いただきます。早速、雪華綺晶が大盛りオムライスをすっすっとスプーンを使って口に運んでいる。特撮映像のように、オムライスが雪華綺晶の口の中に吸い込まれていく。リアルフードファイトを見ている気分よ。隣では雛苺が、イチゴソースパスタをゴミを吸う掃除機のように吸い込んでいた。このイチゴソースパスタ、イチゴのソースの上にホイップクリームがたっぷり乗っている。紅と白のコントラストが毒々しい。苺「いっちご味のースパゲッチィー! いっちごっもいっぱい入ってるー! スパゲッチィー! ウォォ(ry」翠「うっぷ……見ているだけで胸焼け起こしそうです……」紅「同感よ……」翠星石が胸に手を当ててえずいている。はっきり言わせてもらえるなら……下品よ。まわりにソースが飛び散っているのにも構わず、雛苺はパスタを食べ続けている。そして、ものの一分で完食してしまった。苺「ごっちそうさまなの~!」蒼「速いね……」蒼星石も普段見慣れているとはいえ、唖然としている。しかも早食いして脂肪が胸にしかつかないのだから、もう本当になんと言うか不平等ね。私もお腹や太ももじゃなくて、胸に脂肪がいってほしいのだわ!薔「私達も……食べない?」蒼「そ……そうだね。つい二人に気圧されちゃって……」紅「私もよ……」
私や蒼星石も『飛龍御膳』に箸をつける。うん、おいしいわ。特にこの山菜料理。敬遠していたけど、かなり美味だ。銀「このステーキ、ジューシーねぇ」翠「とっても柔らかいですぅ~」二人はステーキにかぶりついていた。肉汁がお皿に滴り落ちている。かなり美味しそうね……私も食べてみたいわ。紅「水銀燈、貴方のお肉一切れと、私のお刺身二切れを交換しない?」銀「待って頂戴、ちょっと考えさせて……」トレード交渉をしてみる。水銀燈は『考える人』の様にしばらく考えた後、お肉を一切れこっちに渡してきた。銀「いいわよ。交換してあげる」紅「そう。ありがとう」銀「ふふ、どういたしまして」私も海老と赤身を小皿に入れて渡す。翠星石と蒼星石も私達と同じ様にステーキとお刺身を交換していた。今更だけど、二人は本当に仲が良い。金糸雀と薔薇水晶も互いの料理を交換している。美味しそうなスコッチエッグだ。この光景を見て、私の頭の中に『隣の芝生は青く見える』と言う諺が浮かんだ。
私達は料理を食べ終え、少し時間もあったので、お土産を見ていくことにした。旅行地特有のお土産は、見ていて飽きなかったわ。私はのりさんのために『高原クッキー』を買った。雪華綺晶はまたもや自分のおやつと言って大量のクッキーを買っていたわ。BIGオムライスも間食したのに、まだ食べられるのかしら……すごい。雛苺は苺パスタソースが売っているのを見て、ホクホク顔でそれを籠にいれている。金糸雀は私と同じ『高原クッキー』を買うらしい。卵にしないのと私が聞いたら、売ってるわけ無いかしら! と返された。もう……冗談よ、冗談。蒼星石と翠星石は二人でおもちゃの方を見ていた。『飛龍の笛』を物珍しそうに見ていた。水銀燈は薔薇水晶と一緒に、ストラップコーナーの方に行っていた。どうやら、新しい携帯ストラップが欲しいみたいだ。そんなこんなで、私達の高原散策は終わった。次の目的地は『チャイナタウン』とっても楽しみなのだわ。
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