『迷子』
『迷子』J 「学校も終わったし…帰るか真紅!」紅「そうね。特に残る理由もないし…帰りましょう」雛「しんく~!JUM~!待ってなの~!」紅「雛苺。珍しいわね。今日は巴と帰らないの?」雛「今日は巴は剣道部で遅くなるって言ってたの!だから一緒に帰りましょう!」J 「ああ。別に構わないよ。なあ真紅」紅「ええ。それじゃ帰りましょうか」雛「いっちごじゃむ~♪いっちごじゃむ~♪」紅「ちょっと雛苺!そんな歌歌うのはやめなさい!」雛「うい?どうして?」紅「一緒にいる私達まで恥ずかしいじゃない!ねえJUM」J 「別にいいんじゃないか?雛苺らしいし」雛「JUMはやさしいの~」紅「まったく…」
(ニャー)雛「あ!ネコさんなの!」紅「!!!!ね…猫!?」J 「ほんとだ。まだ子猫だな。親猫は近くにいるのかな?」雛「もしかしてママとはぐれちゃったの?小さなネコさん?」(ニャー…)J 「そうみたいだな」雛「迷子なのね…かわいそうなの…」J 「…まあそのうち親猫が迎えに来てくれるさ。さっ、帰ろう」
J 「おい雛苺?」雛「……そんなの…ダメなの」J 「え?」雛「そんなのかわいそうなの!この子はママが来てくれるまで独りぼっちなの!」J 「そりゃそうだけど…」雛「だから…ヒナがこの子のママを見つけてあげるの!」紅「雛苺。冷静になりなさい。もしかしたら、この子の親がここに迎えに来るかもしれないでしょ?」雛「でも…でも…」J 「…しょうがないな。僕も手伝うから一緒にその子猫のお母さんを探そう」紅「JUM!?」J 「こんなに小さいんだ。そんな遠くまで歩けないよ。ってことは近くに親猫がいるってことだろ?」紅「それは…そうでしょうけど…」雛「JUM!ありがとうなの!」J 「真紅はどうする?」紅「わ、私は遠慮しとくわ!それじゃあ先に帰らせてもらうわね!」(タッタッタッタ…)雛「真紅行っちゃったの…」J 「あいつ猫苦手だからな…まあいいや。じゃあ早くお母さんを見つけてあげないとな!」雛「うん!」ニャー
J 「この辺で猫がいそうなとこは…」雛「あそこの空き地はどうなの?」J 「そうだな…とりあえず行ってみるか!」(空き地にて…)雛「ネコさんがいっぱいいるの~」J 「ああそうだな。この子のお母さんはいるのかな?」雛「どうなの?小さなネコさん?」ニャー…J 「いないみたいだな」雛「なの…」J 「落ち込んでても仕方ない。次行こう」雛「うん!」J 「そっちはどうだー?」雛「いないのー!」J 「そうか…」雛「JUM~!いた?」J 「いや。いない」雛「そうなの…」J 「はぁ…」雛「うゆー…見つからないの…」J 「どうする?諦めるか?日も暮れてきたし…」雛「それはダメ!」J 「って言っても猫がいそうなとこはあらかた探したし…」雛「…JUMもういいの。後はヒナ一人で探すから。もう帰っていいのよ?」J 「そういうわけにはいかないさ。最後まで付き合うよ」雛「JUM…」J 「さて、この近くであと猫が居そうなのは…もしかしたらあそこかも」雛「どこ?」J 「まあついて来いよ」雛「うん!」ニャー
J 「ふう…ここだ」雛「神社…なの?」J 「ああ。ここなら境内の下とかに猫が隠れる場所があるし…もしかしたらって思ったんだ」雛「でも、どこにもネコさんいないのよ」J 「よく考えたら子供がいるってことは相当警戒心が強くなってるはずだからな。いたとしても出てこないかも…」にゃー!雛「あ!」ニャー!J 「お母さん…みたいだな」雛「よかったのね小さなネコさん…」ニャー!雛「もうママから離れちゃだめなのよ~!」J 「よかったな雛苺」雛「うん!本当によかったの!」J 「じゃあ帰ろうか」雛「…もう少し。もう少しここで夕日見て行きましょ」J 「それもいいな…じゃあそうしよう」
J 「……」雛「……」J 「なあ雛苺。一つ聞いてもいいか?」雛「うい?なあに?」J 「なんであの子猫のことであんなに一生懸命になったんだ?」雛「…ヒナね、ちっちゃい時に迷子になったことがあるの」雛「一人で遠くまで遊びに行っちゃって…お家がどこかわかんなくなっちゃったの。とっても怖かったの。寂しかったの」J 「ふ~ん。それでどうやって帰ったんだ?」雛「男の子が来てね、ヒナをお家まで連れてってくれたの」J 「その男の子は?」雛「ヒナ泣いてたから顔を覚えてないの。でもJUMみたいにとってもやさしい子だったの!」J 「へー」雛「だからね、今度はヒナが迷子の子を助けたいって思ったの!」J 「そうだったんだ…」
雛「夕日がきれいね…」J 「そうだな…」J (チラッ)雛「?どうしたのJUM?」J 「い、いや何でもない(////)」J (雛苺ってこんなに『キレイ』だったっけ?…きっと夕日のせいだな!うん!)(ぐ~)J 「ぐ~?」雛「おなかすいたの~」J 「お前の腹の音か!」雛「JUM~帰ろっ!」J 「そうだな。僕もお腹すいてきたし…帰ろう!」おしまい
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