MISSION no.10[決戦前奏曲]
[ARMORED CORE BATTLE OF ROSE]MISSION no.10[決戦前奏曲]「……もうちっと穏やかな乗り物は無いんですか? 急降下しすぎて耳が痛いです……」「あいにく、今のところ地上から地下への連絡通路はこれのみかしら」「通路って……これは完全に“縦”じゃねぇですか……」金属の板一枚の上に乗り、ほぼ自由落下に近い状態で下へ降りていく三人。金糸雀はこれをエレベーターと称すが、どう見ても遊園地にあるフリーフォールである。「ミラージュ本社……いったいどんなところですかね……」「とりあえず“まともじゃない”ってことだけは、このエレベーターから容易に推測できるわねぇ」◇―――今から数十分前。金糸雀に誘導され、パルヴァライザーの墓標となったビルから歩いて5分。もちろんACの速度で、である。だが移動したところでさほど風景は変わらず、ただ乾ききった荒野が広がっているのみ。沈みかけた日が空の端を茜色に染め、反対側の地平線からは月が顔を覗かせていた。極度の乾燥帯であるこの地方には元々人間は住んでおらず、大小さまざまな岩が転がっているだけであった。岩といってもACと比較すれば小石程度のものばかりだが、目の前には他とは明らかに異質な岩山がそびえ立っていた。「こりゃまた奇妙な……」「見事なまでに真っ平らですぅ」まさにエアーズ・ロックそのまんまな岩山。見た感じの横幅が40mぐらいという中途半端さを除けば、それはもうそっくりそのままであった。「こんな所に連れてきて、一体何のつもり?」「見てればわかるかしら。見てれば……」通信の向こう側から、金糸雀の怪しげな笑い声に混じって『ピッ』っと電子音が聞こえてきた。それと同時に岩山が轟音をたてて崩れ――いや、動き始めた。30秒程が経ったとき、目の前にあったはずのモノは、丁度岩山一個分の距離を横に移動していた。もともとあった場所には、自然に存在するはずの無い金属むき出しの地面が。「さぁさぁ、全員ここに乗るかしら! 三機じゃ少し狭いけど……」「……こうですか?」「そうそう。それじゃ、しっかり踏ん張るのよ。喋ると舌を噛むかしら」「え? それって―――うほぁッ!?」三機を乗せた鉄の板は、超高速で“落下”していった―――。◇「で、外に出るときはどうするですか?」「高速リニアレールで射出するかしら。 二秒もあれば地上に出るはずよ」「それは…ある種の拷問器具だと思うです……」そんなやり取りをしている内に、落下速度が遅くなり始める。しばらくして、あのエレベーター特有のベルの音が鳴り、扉が開いた。暗く狭い空間に光が差し込む。「こ、ここは……ガレージですか…!?」「…それにしては広すぎるわね。向こう側の車が豆粒に見えるわぁ」まさに恐ろしいほどの広さ。四角い部屋の一片であるここを北側とするならば、東と西側には大量のハンガーがあり、何十台ものMTと思しき物体が格納されていた。この北側には、二十はあるであろうAC・MT用のエレベーター。南側には大小二つの出入り口。大きい方からはトラックやレッカー車が出入りするようだ。徒歩で移動している人物はおらず、車両と作業用MTが所狭しと動き回っていた。「驚いたかしら? なんとこのガレージ、ディ○ニーランドより二回りほど小さい面積を誇っているかしら!」「広いんだか狭いんだか良くわからないんだけど……」「比較対象が一般常識であれば広すぎる、ということになるかしら。 でも施設全体との比率だと大体……1:32ぐらいかしら?」少しズレた説明をしながら金糸雀が機体をハンガーに固定する。「ガレージやオフィスはもちろん、居住、医療、娯楽まであらゆる施設を完備! これ自体が一つの街と言っても過言ではないかしら!」金糸雀がコックピットのハッチを開け、地面へ降りる。「そしてここは完全な自給自足が可能! 電力から食料品、衣料品にいたるまでを全て自力で生産しているかしら! さらに―――あら?」「金糸雀? どうかしたですか?」「―――――」金糸雀が無言のまま、南の方角を何度も指さす。何故だかその指先が小刻みに震えている。「よく見えないわねぇ……」限界まで目を凝らす。目に全神経を集中させ、できるだけ遠くを見ようと試みる。―――見えた。南側の扉が開いている。そして、恐ろしい速度でこちらへ向かってくる『何か』。もし床が土であったならば、物凄い砂煙を巻き上げていることだろう。その『何か』が、300mはある距離を疾走してくる。そして金糸雀を抱きしめ、否、凄まじいタックルを喰らわせた。「カぁぁぁナァァァあああ!!」「みみみみっちゃぁぁん!? ほっぺが摩擦で……って息がッ! 息ができないかしら……っ!」『みっちゃん』と呼ばれたその女性が金糸雀を両腕でがっちりホールドし、残像が見えるほどの速さで頬を擦り付けている。それに加えて韋駄天の如き速さで疾駆する女性。もはや人間業ではない。「心配したのよカナぁ! いきなり飛び出していっちゃったときはどうしようかとおぉぉ!!」「みっちゃん煙! 煙が出てるかしらッ……!!」金糸雀の頬が燻りはじめ、黒煙が立ち昇る。が、そんなことはお構い無しになおも地獄の抱擁を続ける。「これは……」「かなりの強敵出現ですぅ……」凄惨な光景を目の当たりにし、水銀燈と翠星石は少しばかり恐怖を覚えた。◇「……そう、あなた達がカナを助けてくれたのね」「助けたというか……巻き込まれただけというか……」「いえ、助けたのよ。あなた達がいなければ、今頃この施設そのものが存在していなかったわね」「たった今摩擦熱で殺されかけたところかしら……」「とりあえず質問をしたいんだけど……二つ――いや三つほど」最初はそんなに質問するつもりはなかった。ジュンの言っていた“ある人物”についてさえ訊ければ。だがいきなり奇妙な機動兵器に殺されかかり、この本部施設に降り、一気に気になることが増えた。「ええ、構わないわよ」「一つ目……アナタ、誰?」主にこの超人的な人物についてだが。「あら、私名前も言ってなかったの? これは失礼しちゃったわね。え? 挨拶もまだ? あららら……私ったら……」「いや、前フリは結構よ……」「あらそう……始めまして。私の名前は草笛みつ。このミラージュ本社の戦術部技術研究課のリーダー……。 それに加えて製品開発部の部長も務めさせてもらっているの。 研究とはいっても、さっきみたいに直接戦闘を行ったりもするけどね」「……とりあえず二つ目。 アナタ、金糸雀との関係は? 親……にしては随分と若そうだし――」と言い終わるか終らないかの内に、みつが発狂し始めた。「カナぁ! 聞いた聞いた!? 『随分と若そう』ですって! まだまだ私も現役ってこと!? キャーーーーーーッ!!」「おおお落ち着くかしらみっちゃ―――うわぁぁああ!?」そう叫ぶなり、金糸雀を抱きしめ竜巻のように回転を始めるみつ。そしてベーゴマのように高速で移動し、軌道上にあるものをすべて吹き飛ばしていく。あまりに回転が凄まじいので、通ったところには黒く焦げ跡が残っていた。「……あれって殴ってもいいわよねぇ?」「殴ったが最後、手首から先が消えてなくなると思うです」極度に感情が高ぶった人間独楽をなだめるのに、その後数時間を要したとか。◇「―――さて、いい加減質問に答えてもらえる?」言葉の端々に棘が現れ始めた水銀燈。本人は最大限冷静を装っているつもりである。対照的に、何事もなかったかのように平然としているみつ。息の一つも乱れていない。代償として髪の毛が悲惨なことになっていたが。「質問? どんな質問だったかしらね……年齢?」「まさか『若そう』の部分しか聞いてなかったわけ……? アナタは金糸雀の何なのか、って聞いたのよぉ…!」徐々に体から怒りのオーラがあふれ始める。が、みつはまったく意に介さない様子で答える。「えっと…親ではないけれども、保護者ではあるわね」「(『親ではないけれども』って……。やっぱり最初の話聞いてたんじゃない……!)」「……詳しくは話せないけど、この子には親がいないの」「―――えっ?」「というか、親戚は私を除いて全員死んだわ。 カナは私の姪でね、私が引き取って育てているの。もう何年になるかしらね……」急に遠い目になり、憂いが満ち始める。辺りは一転して、かなり気まずい空気に支配された。「それは………無神経なことを訊いてしまったわね……ごめんなさい、金糸雀……」「ううん…もう過去のことよ。慣れっこだし、別に気にしてないかしら」「そう……ありがとう」そして、水銀燈が小さく、何気なく呟いた。「……過去なんて…完全に忘れることができたらいいのに―――」「―――それは違うかしら!」「え?」突然、金糸雀が声を荒げた。予想外だったのか、完全に面食らった様子の水銀燈。「過去は……どんな些細なことだろうと、全てが今に繋がっているかしら。 嬉しいことも、辛いことも、全部が『自分』として成り立っているのよ。 経験したこと全てが『自分』。それを忘れてしまうことは、自分で自分を削り取っているということ。 だから水銀燈の言ったことは、『死にたい』と言っているのと同じかしら!」一気に喋ったため、金糸雀の顔は真っ赤になっていた。その場にいた全員が、口をぽかんと開けたままその場に立ち竦んでいた。「……そうね、金糸雀。でもね―――」水銀燈が、くるりと背を向けた。「―――私は……『死にたい』のよ。でも『死ねない』の……過去があるから。 死にたいのも過去のせい。死ねないのも、過去のせいなの……。 私は過去が、いえ、自分自身が憎くて仕方がない。だから私はレイヴンになった。 誰も愛さなくて済むから。誰からも、愛されなくて済むから。 ―――私に、愛される価値なんてなかったから」「……そうずっと思っていたのにねぇ」親指で翠星石のほうを親指で指し、溜め息まじりに言う。「このうるさいのと出会ってから、調子が狂いっぱなしよぉ」「水銀燈!“このうるさいの”とは何事ですか!? 翠星石のどこがうるさいか言ってみやがれですっ! そんなに死にてぇんだったら、今すぐ頭かち割ってやるです! どうです? 死にてぇですか!?」拳を上に掲げ、今にも振り下ろしてきそうな気迫の翠星石。フフッ、と、さも可笑しそうに笑う水銀燈。「やめとくわぁ。アナタじゃ、なんだか一発で死ねなさそうだからねぇ……」「当たり前です! そんな簡単に人間が死ねるはずがないですぅ!」「そういう問題じゃないと思うかしら……」どうも噛み合ってない会話。しかし先ほどまでの重たい空気は消え失せ、三人に少しばかり笑顔が戻っていた。◇「……で、最後の質問は一体何かしら?」「あぁ、すっかり忘れてたわぁ……」「水銀燈、最近忘れっぽくないですか?」乳酸菌不足よ、と意味不明な理由をつけながら、質問を思い出そうとする水銀燈。「えぇと………なんだったかしらね……」「無理に思い出さんでもいいと思うですよ」「それはそうだけど……何か…とても大事なことを忘れてるような―――」必死に“何か”を思い出そうと奮闘する。そこへ不意に、けたたましい警報が鳴り響いた。「ななな何ですか突然!? 地震ですか!? 雷!? 火事!? おじじですかッ!?」「あ、大丈夫かしら。施設付近を未識別のコードを持つ航空機やAC等が通ると、自動的に鳴る仕組みになってるだけかしら」「まったく…驚かすなですぅ……」「おじじって誰よ……?」一旦は安心した三人。だがその直後、今度は赤いランプが点灯し、明らかに非常事態であることを表していた。スピーカーから流れる緊急アナウンスが、さらに危機感を募らせる。『観測機より入電! アンノウンが南方52kmより接近中! 数1!』『攻撃により地上偵察部隊は壊滅! なおも目標は本部施設を目指し直進中!』ここでいうアンノウンはUNKNOWNのほうではなく、ただ単に正体不明を表すコードである。「直進中……? まさか位置がバレてるってこと……!?」そう言うと、みつは懐から社内用の携帯電話を取り出した。「管制室! 15秒以内に状況説明、それと敵の侵攻ルートの予測を!」『しかし……まだ上からの指令が―――』「緊急時に於ける戦術部の特権! 文字通り会社ごと潰れたくなかったら早くしなさいッ!!」『は、ハイぃっ!!』物凄い剣幕であちこちに指示を出すみつ。この姿に金糸雀と共に高速スピンをしていた人物を重ねることは不可能だった。「彼女……いつもああなの?」「いつもじゃないけど……お洋服を買いに行く時はあれに近い感じになるかしら」◇「―――そう、わかったわ。ありがとう」みつがパタン、と携帯電話を閉じた。「どうもここの位置が特定されているみたいね。 目標は、ここまでの最短ルート――つまり直線を辿ってきている。通り道にある警備隊はほぼ全滅したそうよ」「その目標っていったい何ですか? まさかまたあの奇妙な機動兵器じゃ……」「いえ、普通のACだそうよ。でもかなりの戦闘力を持っているみたい。 外に出してある戦力じゃまったく歯が立たない、って報告があったわ」「ま、よっぽどのヘタレじゃない限りは、ACに対抗できるのは同じACだけですからね」「もしくは、それに匹敵する能力を持った兵器か……」「人海戦術のどちらかかしら」「そう。だけど、今地上にはそのどちらもないの。せいぜいマシンガン装備のMTと対地対空ミサイルぐらい。 そこで―――」少し間をとり、乱れた髪をかきあげる。「今からあなた達二人に、クライアントとして依頼するわ。『この施設を防衛し、危険と思われる目標を撃退』してちょうだい。 ―――カナも手伝ってくれる? 補給は済ませておいたから」最初に会った時とはうって変わって、“できる”オーラが全開のみつ。久々の依頼とあって、水銀燈達の士気はどんどん高まっていく。「もっちろん! 今度こそ完璧に、施設に群がるハエどもを蹴散らしてやるかしら!」「相手がACなら、中に乗ってるやつをとっ捕まえて色々と聞き出せそうですね」「依頼は結構なんだけど、もらうもんはもうらうわよぉ」「あ、その辺は心配無用よ。上層部宛ての裏金を横流しさせてもらうから」「そんなドス黒い金よこすんじゃないわよぉ!!」一気にやる気が削がれたが、今は迫る危機を撃退することが最優先だ。そう自分に言い聞かせ、何とか気を紛らわせる。「それはそうと……私の機体は?」辺りを見回す水銀燈。だがどこにもあの黒い機体は見当たらない。「えぇと……“あれ”のこと?」みつが水銀燈の背後を指差した。「な………?」そこには、完全に解体された水銀燈の愛機の姿があった。腕や足から武装に至るまでが各個に切り離され、バラバラになっていた。「ぬわぁぁぁああああ!? わ、わ、わたた私のッ!? ―――ちょっとアンタぁ!! なんてことしてくれてんのよぉ!?」怒りのオーラを全開しながら、水銀燈がみつの鼻先まで迫る。「い、いや……あなたの機体だけ損傷が著しかったから……。 簡易メンテナンスじゃ直せそうにないから、恩返しの意味も込めてパーツを全部取り換えようかと……」できるだけ水銀燈から離れようと、体を逆“く”の字に折り曲げるみつ。気迫に圧倒され、少しばかり顔が引き攣っている。「幸いにもコアは取り換える必要はないみたいだから、7分もあれば修理は完了するでしょうね」「あ、そうだったの……それならそうと早く言いなさいよぉ……」ブツブツ言いながら、トラックで運ばれていくパーツを見送る水銀燈。「でも…本当にそんな短時間でできるの? いくら大勢メカニックがいるとはいえ……」「大丈夫。ここの経験と技術があれば、パーツの取り付けなんて戦艦の1/1プラモを組み立てるようなものよ」「それって結構重労働じゃない……?」水銀燈は思った。金糸雀は絶対この人の影響を受けている、と。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~地上。本部施設の南部12km地点。予想接触時間まで後6分12秒。もう既に日付は変わり、まさに真夜中。上空は厚い雲に覆われ、月明かりさえ届かない。そんな中、岩山の陰で会話をしている二人の男。『―――しかし損な役回りだぜ。武装がマシンガンだけの鉄屑で警備するなんてよ』『戦車や固定砲台より、こっちの方が動けるだけまだマシだと思いたいね』会話をしているのは、地上で見張りを続ける二人の警備員。MTに搭乗してはいるものの、量産機の量産機だけあってその性能は誉められたものではない。会話の通り、生身の白兵戦や戦車に乗ったまま踏みつぶされるよりはいくらかマシという程度。主に偵察用のため、レーダーだけは高性能なものを取り付けてある。近づかれれば肉眼に頼るしかないのだが、今は真夜中。明かりといったら月の光ぐらい。何も見えないに等しい状況での勤務なのだから、不満が募るのも当然といったら当然である。『周りが殺風景過ぎて飽きちまったな。荒野のど真ん中ってのはやめて欲しいぜ』『いや、これが森だったら余計に危険―――待った、レーダーに反応が……』かなり遠いが、確かにレーダー上には光点が一つ示されていた。その光点が恐ろしいスピードで移動している。レーダーのスキャンが追い付かず、点の動きがカクカクになっているほどだ。『速いなおい……ジェット戦闘機並のスピードだ。ACってのは全部こうなのか?』『知らないよ。余程の金持ちか、士官学校をトップで卒業でもしない限り一般人には手に入らないんだから……。 それにしても、本当に真っ直ぐ向かってくるんだね。ここで返り討ちにしてみようか』男の一人が岩陰から飛び出し、手に装備されたマシンガンを構える。『やめとけって。相手はACって話だ。そんな豆鉄砲じゃ傷一つ付けられないぜ』『冗談だよ。それぐらいわかっ―――』岩陰に戻ろうとしたその瞬間、突然飛んできたロケット弾がMTの頭部を吹き飛ばした。一発。二発。三発。全弾を立て続けにくらい、上半身は跡形も無くなってしまった。残る下半身も、直後に無数の弾丸によって粉砕され、文字通りただの鉄屑となり崩れ落ちた。『笹塚ッ―――! チッ、どこのどいつだ!? 姿を―――ぐっ!?』言葉を最後まで言い終える前に、ACの右腕が男のMTに深々と突き刺さった。パイルバンカーの先端がMTの胴体から飛び出し、そこから青白い火花が散る。「後ろ……だとっ………!?」」「どこの誰かは知らないけど―――ごめんなさい」「ク………クソッタレぇぇぇぇえええええええ!!!」腕を引き抜くと同時に火の手が上がり、そのまま爆発、炎上した―――。「(早く出てきなさい、水銀燈。彼女が―――蒼星石が来る前に……!)」燃え上がる残骸の前に佇むAC。炎に照らされたその機体は、とても―――紅かった。To be continued...
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