真紅短編39
雛「聞いてなの、真紅!ヒナね、凄いこと考えちゃったのよ♪」紅「あら、何かしら?」雛「あのね、まずはこの紙を見てくださいなの」雛苺は一枚の紙を真紅に手渡した。そこには次のようなことが書かれていた。・水銀燈 5うにゅー・ばらしー 4うにゅー・翠星石 3うにゅー・トモエ 2うにゅー・雛苺 1うにゅー・真紅紅「これは何かのランキングなの?」雛「そうなのよ。みんなのお胸のランキングなの」紅「む、胸?!…この数字とうにゅーはどういう関係があるのかしら?」雛「そこが大事な所ですなの!うにゅーはね、お胸の大きさを表わす単位なのよ。 “1うにゅー”は、うにゅー1個っていう意味なの」紅「じゃあ、この“水銀燈 5うにゅー”っていうのは?」雛「水銀燈のお胸は、うにゅー5個くらいの大きさってことなのよ。 ちなみに単位としては“5うにゅー”がMAXだから、 水銀燈がNo.1ってことなの」紅「…つまり、数字が小さくなるに従って胸も小さくなるということね?」雛「うぃ~」紅「ねぇ雛苺、とても気になるのだけれど、 この紙で私の名前の所だけが空欄になっているのは何故なのかしら?」雛「うよ?ごめんなさいなの。ちょっと書き忘れちゃったのよ」紅「私の胸の単位とやらを教えて頂戴」雛「うーと…、真紅のお胸は“1/2うにゅー”なの」紅「な、なんですって?!」ビキビキ雛「落ち着いてなのよ、真紅!あのね、真紅のお胸は確かにヒナよりも小さいかもしれないけど、 “ゼロうにゅー”じゃないだけまだ大丈夫なの。 ゼロうにゅーだと無乳(むにゅう)になっちゃうけど、 真紅は“1/2うにゅー”だから――。え~と、微乳だったかな?貧乳だったかな? とにかくお胸はあるから問題はないのよ」紅「ああ、なんてこと…なんてこと……」――真紅、17歳。自分の胸に無念を覚えた出来事であった…。
「はぁ…」「元気ないわねぇ、ため息なんてついて背中丸めてると、余計に胸が小さくなるわよぉ」素早く防御態勢を取る水銀燈だったが何時もの鉄拳は飛んでこなかった。(これは重症ねぇ)「何かあったのねぇ、よかったら私に話してみない?」「なにもないわ、それに貴女には関係ない事よ…」「ふぅーん、この世の不幸を一身に集めたような顔してなんにも無いなんて有り得ないわぁ」「…あのね…無いのよ…」「無いって…まさか貴女…ジュンは知ってるの?」「ジュンは…良いって言ってくれたけど…」「そう…じゃあよかったじゃない」「でも、周りの人が…」「あらぁ、貴女は誇り高いローゼンの娘でしょう、人目を気にしてうじうじしてるなんてぇ真紅らしくないわぁ。」「…そうね…有難う水銀燈、吹っ切れたわ」「元気になってよかったわぁ、何かあったら言いなさぁい、姉妹あげて協力するわぁ」(はぁー真紅が妊娠ねぇ…複雑だわぁ)(水銀燈に話して良かった雛苺より胸が無くても私は私なのだわ)
真「みっちゃんさんの呼び方を変えましょう」J「『ちゃん』と『さん』が一緒に付いてるしな」真「みっさん?」J「いや、何か変な感じがする」真「みつみつ」J「駄目だろ」真「くさぶー」J「いやいやいやwww」真「『とっつぁん』風にみっつぁんはどうかしら!?」J「あんまり変わってないよな・・・」真「みっつぁん・・・みっつぁん・・みっつぁんみっつぁん・・・」J「おい真紅?如何した?」真「みっつぁんみっつぁんみっつぁんみっつぁんみっつぁんみっつぁん・・・」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・真「餡蜜が食べたくなったのだわ」J「はい?」
紅「貴方そこに座って頂戴」紅「いいからさっさと座りなさい」紅「目を閉じなさい」紅「文句が多い、すぐに目を閉じなさい」tyu紅「い、今のはほんの冗談よ、すぐに忘れるのだわ」
『遅刻真紅』……ん…朝…ね。今は…?八時。八…時?普段なら家を出る時間じゃない!体から血の気が引くのがわかる。ああ、寝坊した日は寝覚めが良すぎるのよね。このままでは私の無遅刻無欠席の記録が…いえ、それより遅刻常習犯の金糸雀や水銀燈に馬鹿にされるに決まってる!それだけは私のプライドが…絶対に許さないのだわ!焦る気持ちを抑えつつも、ここは冷静に分析するのが吉ね。始業ベルは九時ジャスト、家から学校まではどんなに早くとも四十分。つまりあと二十分以内に最低顔を洗って歯を磨いて化粧をして髪を作って…時間はないけれど、無様な姿で登校するなら死んだ方がましだわ。そういえば前に翠星石がまさに起きた直後ですぅ、って感じだった事があったわね…あの時の顔と言ったら…ふふ、思い返すだけで笑いが吹き出してしまうわ。…とか考えているうちにあと十分しかないじゃない!まず歯を…な!?歯磨き粉が出ないわ!私としたことがなんと迂闊な…絞ればまだ…ブジュ!ああっ、なんてこと!ダイレクトに排水溝に!いえ、落ち着くのよ真紅。この絞りカスで…少ないけどここは我慢だわ。洗顔…は問題ないわね。化粧は…とりあえず眉と…ああ!?あと二分しかないわ!急がないと!髪はもう結ってる時間がない。たまには下ろしていくのも淑女の嗜み。さあ、あとは駅までダッシュよ!――××線上り〇〇行き発車します。閉まるドアにご注意くださいまずい!あれに乗らないと…!プシュー ガン! きゃっ!プシューふー、とりあえず一安心ね。「お客様にご連絡致します。駆け込み乗車は危ないのでご遠慮ください」うるさいわね!こっちは必死なのよ!クスクス… クスクス…!?私が笑われている…?く、屈辱だわ…――つぎはー桃種学園ー桃種学園ーよし、気を取り直して学校までダッシュよ。あと五分で九時。私の足なら余裕ね。ハアッ、ハアッ、ハアッ…ふぅー、ギリギリ一分前ね。教室に入る前に身なりを整えておかないと…よし。行くわよ。優雅に。普段通りに…ガラッ おはよう。………変ね?誰もいない…なぜ…?ッ!!しまった!一時間目は体育なのだわ!失態…いえ、体育の教師はいつも来るのが遅いから急げばまだ…!女子更衣室まで行くと間に合わない…誰もいないし、ここはやむをえないわ。ガラッ 「いや~遅刻、遅刻。って誰もいな…うぇ!?真…」グワラガラガキン!!「くぁいとわ!!」ジュン…タイミングが悪すぎるのだわ。しばらく眠ってなさい。それより急がないと!……あぁ……遅かった…「プーッ!真紅のアホが今更のこのこやってきやがったですぅ!」「ふふふぅ、ほんとにダメねぇ。おばかさんなんだから」「まったくー!カナを少しは見習ってほしいかしら!」「くっ…貴女達に言われたくはないのだわ…」「へーん!遅刻するねぼすけ野郎に何言われても悔しくないですぅ!」「そうよぉ。ねぼすけしんくぅ。おまけにぶさいく」「こ、これは寝坊じゃないわ…そう。髪を下ろして歩いてたら性能テストで、お年寄りを助けててくんくんは天才よ!」「……プギャーハッハッハ!真紅が壊れたです、腹ぁいてぇーです!ヒッヒッヒ…」「真紅、君っててんぱるとわかりやすいよね。本を逆さに読んだりさ」「う、うるさいわよ!」うぅ…最悪なのだわ…
「これが…おばあさま直伝の、当家に伝わる至高の茶葉で淹れた紅茶です」オディール・フォッセーがそう言い、琥珀色の液体の揺れるポットをテーブルに置いた。「これは!何て芳醇な香りなんだ!」蒼星石が感嘆の声を上げる。「こんなの飲んだら、もう普通の紅茶なんて飲めんですぅ…」翠星石が小さく、ほっとため息を漏らす。だが……「やれやれね…こんなもので感動してるようでは、まだまだね…」真紅は呆れたように呟いた。「何ですって!」オディールは顔色を変えて真紅に詰め寄る。「そうだぞ、真紅!こんなに美味しいのに…!」ジュンが非礼を詫びるよう真紅に促すが…真紅は落ち着いた表情を崩さず、席を立ち、その顔に微笑みすら浮かべて言った。「貴方達に本当の紅茶を飲ませてあげるのだわ。…来週のこの時間、ここに来て頂戴」楼善新聞社のグータラ社員、真紅が巻き起こす一大騒動!ライバルの有栖川新聞社の水銀燈との究極vs至高の料理対決! 『美味しんく』始まらないよ!保☆守
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