雛苺短編16
教室のすみっこで一人ため息をつくことしかできない。この場所にはママやパパはいない。じぃじも、ばぁばもいない。それが不安で、寂しくて、ただただ居心地が悪くて。涙が流れないのが不思議なくらいにつらかった。小学校に入ったとき、そんな気持ちでいっぱいだったことを今でも覚えています。幼稚園にも保育園にも行ってなかったから、家族以外の人と長い時間を過ごすのに慣れていなかったのです。たくさんの人に「おめでとう」と声をかけられるたび、何もおめでたくないのにと私は思っていました。そんなある日のことです。友達も作らないまま、いつものようにぼーっと休み時間を過ごしていると、同じように一人きりで座ったままの男の子と目が合いました。すぐに男の子は目をそらしましたが、次の日も、そのまた次の日も目はあい続けました。そして、だんだんと男の子はなかなか目をそらさなくなっていきました。でもやっぱり最後には男の子が先に目をそらします。そしていつも悔しそうにします。ようやく気付きました。これは先に目をそらしたら負けのゲームなんだってことに。そうとわかったら絶対に負けられません。二人は休み時間のたびに見つめ合い、勝負し続けました。そのうちに、男の子の顔を見るのが楽しみになってきました。まだ一度も話したこともない男の子と、そうして勝負していることが楽しくて仕方なかったのです。授業中にだって横目で男の子を見るようになったころ、男の子が一日お休みをしました。その日は一日中不安で、寂しくて、泣き出しそうなくらいにつらい日でした…。そして私は気付きました。男の子と見つめ合う間は不安も寂しさも、泣き出しそうな辛さも感じなかったことに。いつのまにか男の子は友達になっていたのでした。大事な大事な友達になっていたのでした。次の日登校してきた男の子との勝負に、私ははじめて負けました。目があっただけでどきどきと胸が痛くなった気がして、思わずそらしてしまったのでした。しまったと思ってまた見てみると、男の子はすごく嬉しそうに笑っていました。その顔を見ていると思わず笑いが勝手にこぼれてきて…私は学校で初めて笑うことができました。それからもう6年が経とうとしています。私は友達がたくさんできて、いつも笑っています。男の子もすっごく大きくなって、とってもかっこよくなったと思います。ただ、あんまり笑顔を見せてくれなくなりました。それはちょっぴり残念です。でも、優しいところは全然変わってません。一緒にいるだけで嬉しい気持ちになることができます。だから中学に行っても、ずっとずっと一緒にいたいです。私の初めてのお友達。大切な大切な人。大好きな男の子、桜田じゅんくんと。『小学校の思い出』6年2組 雛苺「えっと…その…」「?どうかしたなの?」「これって…」「頑張って書いたのよ!自信作なの。」「あぁ、うん。すごくよく書けてる。」 「ありがとなの♪」「でも、ほかに書くことなかったのか?」「せっかくの卒業文集なのに…」「なんだか僕のことばっかだしさ…」「でも1番の思い出を書けって先生が言ったのよ?」「ヒナの1番はずーっとずーっとジュンなのよ!」「だからこれでいいのよ~」「ば!ばかっ!何言ってんだよ!」「本当のことなのよ。作文の最後にもちゃんと書いたもん。」「じゅんのこと、だーいすき♪」そう言いながら飛び付いて顔を見上げてみる。目が合うとジュンは顔を真っ赤にして「ばかやろう」と瞳をそらしてしまう。「ジュンの負けなのよ~」私は笑いながらいっそうジュンに強く抱き着いた。ふと窓から暖かな春の風が舞い込んでくるのを感じる。あの時に『貴方がいた幸せ』を書き綴った文集は、その風に優しく閉じられていく…横目にそんな光景を見て、私は少し切ない気持ちになった。けどすぐにそんな切なさは消えていく。私の背中をぎゅっと抱きしめた貴方から伝わる優しい体温。私はこれからも『貴方がいる幸せ』を、そのぬくもりの中に感じ続けていく。
雛「ぐぇへへへ! おまえを喰ってやるぅ!」雛「キャー! 助けてー!」雛「まてぇい!!」雛「誰だ!」雛「あなたは!?」雛「みんなー!」雛「レッド!」雛「ブルー!」雛「イエロー!」雛「ピンク!」(以下略)ジ「雛苺……両手にビニール袋嵌めて、何やってんだ?」の「テレビの影響って、怖いのねぇ……」ジ「?」雛「そぉれ♪ ひっとえんどら~ん♪ ひっとえんどら~ん♪ おもったいじょーにてっがムレる♪」蒼(い、違和感が……無いッ……!)続くかも
翠星石・真紅・雛苺がケーキを食べています「ケーキおいしーの!」「のりのお菓子作りの腕は確かね」「良くできたショートケーキですぅ♪」「あら、紅茶がないわね…ちょっと淹れてくるわ」トテトテ「いってらっしゃいなの~」「(きしししし、真紅が居ないこの隙にチビ苺のイチゴ貰いですぅ♪)あ!?デブネコが空飛んでるです!」ビシィ!「ネコさん!?どこなの!?」キョロキョロ「(隙ありです!いただきですぅ♪あむっ)ありゃ?塀の上歩いてただけだったてす」モグモグ「うゆ…飛んでるネコさん見たかったの…ああぁあぁああああ!?」「全くはしたないわね…レディなのだから無闇に大きな声を出すものではないわ。台所まで聞こえたわよ?」「イ、イチゴ…イチゴが…」「イチゴがどうかしたですか?」クククク「…翠星石が真紅のイチゴ食べちゃったの!」「な、なんですってぇ!?」「いいいいっ!?何でですかぁ!?確かに翠星石はチビ苺からイチゴを…えええっ!?」「フ…フフフフ…翠星石、覚悟は出来ているわね?」「ちょっ、タイム、タイムです!話せばわかっぴゃー!?」「ヒナに同じ技は2度も通用しないの。いまやこれは常識なのよ?」
それは―突然の―「雛苺…僕は…」「ジュン…ジュンー!」想いは募り、崩れ去り、「ヒナは…ヒナは…!」ここに、舞い降りる―「真紅!ジュンが大変なのー!」「そ、大変ね。あら、くんくんが始まるわ」「わーい!」ローゼン・メイデン リバース~アルジャーノンは笑わない~完
雛苺は甘えん坊だ。子供みたいに、なんでも一緒にやりたがる癖がある。でも、そこが無邪気で可愛いのだけれど――。紅「あら、もうすぐくんくんが始まる時間だわ。録画の準備をしなくては…」雛「ヒナもヒナも~」翠「お花にお水をあげるですぅ♪」雛「ヒナもヒナも~」の「そろそろ夕ごはんのお買い物に行かなくちゃ!」雛「ヒナもヒナも~」J「さてと、お風呂にでも入るとするか」雛「ヒナもヒナも~」J「えっ?!」雛「ヒナはもう子供じゃないのよ」J「…ゴクリ」雛「ねぇ、JUN、大人なヒナは嫌い?」雛苺は甘えん坊だ。子供みたいに、なんでも一緒にやりたがる癖がある。でも、時には大胆になる時もあるようだけれど――。
《Word is heart》『言葉にしなくても、想いは伝わる………』。テレビから流れてくる台詞。我が同居人はのぼせた顔で聞いているけれど。なんて陳腐な言い回し。考えてもみてほしい。もしも、そんな事になれば色々と大変じゃないか。色々と。イロイロと。――兎にも角にも。想いは言葉にしないと伝わらない。想いは声に出さないと伝えられない。それだって、何所までホントを伝えられているものか。だけども、それしか私は方法を知らない。だから、言葉にして、声を出して。そして、言葉はシンプルで良い。私が抱える想いもシンプルなのだから。そう思い、愛しい貴方に想いを伝えても。貴方はただ、苦笑するだけ。今はそれでもいいけれど。でも、何時かは気付いて欲しい。他の人には送っていない、貴方だけに伝えている、この想い。つまりは、こう言う事なのだ。――「うゅ~、ヒナは、貴方が大好きなのよっ」
ジ「腹すいた…」雛「ヒナのパンをお食べ!」ジ「すげぇ!その縦巻きロールはクロワッサンだったのか!!ありがうヒナパンちゃん!」翠「ひひひ!今日こそヒナパンちゃんを倒すですぅ!縦巻きロールは一人で十分なんですよ!」雛「うう…髪が減って力が出ないの…」巴「雛苺!新しいロールよ!!」シャキーン!雛「萌え分百倍!ヒナパンちゃん!いくのよ翠星石ー!」ドカァ!翠「さーしすーせそ~せーせきぃ…」キラーン!巴「やったわね雛苺!」雛「世界の萌えはヒナが守るのー!」ジ「幼女見ながらのクロワッサンうめえな…」うん、終われ。
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