甘い保守シリーズ8
71:甘ぁい保守を致しますわ「う~ん………やっぱり、見よう見まねじゃ上手くは作れないなぁ………」「――1日に置いて3度ある至福の時間に、お一人で何の独り言ですの?」「んぁ、雪華綺晶。たかが昼食に至福はいい過ぎ――いや、何でもない」「口は災いの元………賢い選択ですわ」「うん、身を持って知ってる。――んー、今日、姉ちゃんが寝坊しちゃってさ」「あら、のり様、朝はお強そうですのに。――なるほど、それで、ご自分で」「そ、弁当作ってみたんだ。だけどまぁ、結果は散々で………皆に見られるのも癪だし」「ふふ、意地っ張りですわね。――ワタクシは………ご相伴しても宜しいでしょうか?」「ばれちゃったし………笑わないなら」「横、失礼いたしますわ(―ふわり)―一生懸命作られたのでしょう?笑う訳ありませんわ」「べ、別にそんな頑張って作った訳じゃ………!」「いいえ、作られた筈ですわ」「………なんで、断言できるんだよ?」「だって――貴方様お一人のお弁当ならともかく、のり様のお弁当でもあるのでしょう?」「………ふん。――で、お前は何を食べるんだ?」「五時間目が体育ですから…少なめに、スタミナ定食のみ……のつもりだったのですが」「足りなけりゃ、終わった後にでも学食に行けば………ん?」「え、えと、その――宜しければ、交換………して頂けないでしょうか………?」「是と?」「それと」「腹壊しても知らないぞ。それに、美味しくないだろうし………」「――有難う御座います。では、頂きますわ」「躊躇なく食べるなぁ………。――なぁ、やっぱり、美味しくないだろ?」「あら、美味しいに決まってますわよ――貴方様の、想いが込められているんですもの」「………気にしてなかったから、髪とかは入っちゃってるかもな」「ワタクシは気にしませんわよ?ついでに、調味料として………唾液も下さいな―――(ちゅく」「ん………僕のにも、今の調味料、貰っていいか?」「次に作られる時に、ワタクシを想っていただけるなら――幾らでも、お望みのままに―ふふ」
72:ほのかな保守を致すんだよ「あれ、珍しいね。今日は自転車で来たんだ?」「ん、あぁ、ちょっと寝坊して………。1本逃すとこっちの方が早く着くんだ」「あはは、そっちの線路、時間帯によってはちぐはぐだもんね」「そうなんだよなぁ………自転車は寒いから、ヤなんだけど」「風が結構吹いてるもんね。ご苦労様」「まったくだ。――そうだ、良かったら駅まで送っていこうか?」「いいの?じゃあ、お言葉に甘えて………」「………あの、蒼星石さん?」「――どうかした?あ、やっぱり、早く帰りたいから降りて………とか?」「自分から振っておいて、そんな事は言わないけど。――僕が前のつもりだったんだけど」「へ?………………ぁ。あ、あはは、ほら、ボク、いっつも前だから………っ」「わからんでもないけど。――と、そろそろ行くぞ。ステップに足乗せて」「ぅ、うん。――………こう、でいいのかな?」「?あぁ、落ちない様に肩だけはもっとけよ。――じゃ、出発、とっ」「わわわ、ととと、ば、バランスがっ?」「――そんなにスピードは出してないつもりだけど、悪そうなら、もうちょっと掴まっておけよ?」「こ、こうっ?(むぎゅ」「――!?わ、こら、そんなにはくっつくなって!?」「え、え、えっ?だ、だって、君がくっつけって………」「くっつけとは言って……!?――あぁもぅ、『押し潰されてる』から、恥ずかしいんだってば!」「ふぇ?押しつぶ…………………………ぁ、ぇと。………………………えっち」「ぐ………っ!?お、男なんだからしょーがないだろ!と言うか、だから離れろって――!?」「………んと、運転しづらい?」「むしろ、加速しそう。――じゃなくて!そーいう風に考えたくないから――」「いいよ、そう言う風に考えても。――それに、こうしてる方が暖かいし………えへへ」「………ん、OK。じゃあ、お前の家まで飛ばすぞ、落ちないようになっ」「うんっ、出発進行ー!」
73:乙女な保守を致すですぅ「冬が………っ、冬がやってきちまったですよ………!」「………お前さ、春夏秋冬の変わり目でいつも騒いでるよな」「な、そんな事は………!――や、でも、冬は他の季節よりも殊更危険なのですよ!?」「ほー。具体的には?」「冬にはですね、白い悪魔がいやがるのですよ…あぁ!考えただけでも震えが………!」「武者震いか。と言うか、涎を拭く様に」「んぐ………ゴシュゴシュ」「んー、ちょっと意外だな。お前って、お菓子とか果物は好きだけど、餅もなのか?」「勿論、お餅単体も好きですが………お餅は、色々工夫を凝らせるのですよ。きなこ餅に餡餅、草餅………あぁ、お汁粉や善哉も………意外とアイスに乗せるのも………」「わー、聞いてるだけでお腹一杯。と言うか、全部甘い――デザート感覚だよな」「当然ですぅ。雪華綺晶の様に、何でもかんでも食う訳じゃねぇですよ」「ふむ。………でも、太るんじゃ――?」「あーあー、聞こえなーい聞こえないデース」「雪華綺晶は幾ら喰っても太らないもんなぁ………いや、実は陰でダイエットとか………?」「あれだけ食べてたら、ダイエットも何もあったもんじゃないですぅ」「………聞こえてるんじゃないか」「あーあー聞こえなーい」「あのなぁ………いじけて隅っこで座んな。――どれ、どんだけ重りが付いたかな、と(ぷに」「――!?て、てててててめぇ!乙女の柔肌を服の上からとは言――ひゃぁ!?」「――おりょ?………翠星石。流石に段腹になってるのはどうかと………(もにゅもにゅ」「ひゃぁぁ――そ、そーこーはー!お腹の上ですぅ!!?」――僕がその瞬間に見たモノは、腕を捻りながら拳を放つ翠星石だった。は、ハートブレイクショ(ry「………えと、うん。僕が悪かった。全面的に」「つーん」「ぁ~、ぅ~………そうだ、今度、スケート場でも行こうか?体動かせるしさ」「それはそれで微妙に失礼な誘いと思うですが。――仕方ありません、帰りにパフェをつけるなら」「いや、だから、運動の目的を………。まぁ、いいか。りょーかい(ぽんぽん」
74:乙女な保守を致す…(※ユリユリ)「さてと。まずは………」「やぁ………やだよぅ、金糸雀ぁ………やっぱり………止めよう?」「駄目なのかしら、薔薇水晶。貴女だって年頃なんだから――」「ぇぅぅ………乱暴にしちゃ、やだよ………?」「そんな事しないのかしら。だから、ちょっとだけ、我慢して?」「………ぅん、わかった。初めてだから………優しく、して」「………えーと。薔薇水晶。………お前、わざと変に言ってるだろ?」「ぇぅぅ、ちょっとでも気を紛らわす為に………お化粧なんて面倒くさいぃ………」「………まぁ、うん。金糸雀、何事も無理強いはよくないんじゃナイカナ?」「なんで口をかくかくさせながら言うのかしら??――今は、お節介だと思うけど」「気の所為だ。――うん?『けど』?」「このままじゃ何時まで経ってもノーメイクになっちゃうわ―教えられる時に教えていた方がいいと思うの」「そんなにノーメイクって駄目なのかなぁ………」「駄目とは言わないわ。――けれど、奇麗になれる方法を知っていても悪くはないかしら。特に――そう思ってほしい人が、傍にいるなら、尚更、ね?」「ぅん?あぁ、まぁ、そうかもしれないなぁ………??」「………わかった、金糸雀。我慢する」「――うん、いい子よ、薔薇水晶。元がいいんだから、ちょっとだけなのかしら」「――よし、是で全部終わり、と。そんなにかからなかったでしょう?」「確かに。――でもまぁ……印象は変わるもんだなぁ」「………金糸雀は、どう思う?」「もぅ!もうちょっとちゃんとした感想を――!……ん、勿論、奇麗になってるのかしら」「………褒められた。金糸雀、ありがとぉ(抱きゃっ」「なるほど、急に素直になったのはそう言う事か、ご馳走様。―お邪魔虫は退散するよ、じゃな」「――ち、違っ!?そーいう意図じゃ………!あぁぁ、行っちゃったかしら!?」「えへへぇ………もふもふぽかぽかぁ………♪」(タグに百合をつけていますが、信条的には百合ではありません。どんな信条だ)
75:乙女な保守を致します「すぅ………………」「――と、やっと見つかった。おーぃ、柏――」「――………………ぜぃっっっっっっ」「――ば………?」「………………ふぅ。――………?あ、………何時から?」「いや、ついさっきだけど………今のは?」「………気合いを入れる発声。試合中でもないから、単なる気紛れだけどね」「そうなのか?端で聞いてると、凄く気合い入ってた様に聞こえたけど」「………滅多に耳にしないからじゃないかな。クラブで練習してる時だと茶飯事よ」「そういうもんなのか。――そういや、柏葉、結構強かったっけ」「………凄く前向きに言うと、習練の賜ね」「含みのある言い方だな――人の事は言えないけどさ」「人並の体格で人並のセンス、無駄に気真面目だから練習量は人並み以上。………『以上』が一つでもあるんだから、相対的には『強い』部類に入るんじゃないかな」「あのなぁ………もっとこう素直にだな」「貴方に言われたくないな。――ところで、私に用があったんじゃ………?」「ん、あぁ………『下校時間で外は真っ暗だから青春少女を送りなさいっ』って」「誰がそんな事………いえ、いいわ、何となく想像がついたから」「うん、まぁ。――確かに、外も暗いから一人で帰るのは危ないかなって」「――心配、してくれてるの?」「………先生に言われたから、こう義務感が………いや、そりゃちょっとは心配もしてなくも」「………もぅ。――いいわ、帰りましょう」「でもなぁ………もし万が一、何かあっても逆に助けられそうな気がする………」「――そんな事ないわよ。女の子は、時と場合によって強くなったり弱くなったりするんだから」「随分都合のいい事で」「都合の問題じゃないわ。半自動のシステムなの。特に――」「はいはい。――とりあえず、待ってるから着替えてこいよ」「――守って欲しい人の前だと、ね。――覗いちゃ、駄目だよ?」
76:蕩ける保守を致すわよぅ4「風邪ひいた………ただいまぁ」 ………………………………「あれ、ねーちゃん?ただいま………」 ………………………………「って、そういやサークルの会合があるとか言ってたっけ………」 ………………………………「偶に人が必要にしてみれば………は、はくしゅっくしゅっ………ぅー」 ………………………………「まずい………家について安心したら、頭まで痛く………」 ………………………………「せめて二階に………もぅいいや、リビングで横になろ………」 ………………………………「熱も………ありそうだな………ふぅ………………――――すぅ………すぅ………」~~世界中の大好きを―― 君に――たい想いに足りない――♪~~(ん………なんか………温かくて柔らかくて………――する声………)って、え!?」~~体中の愛が――♪、あら、起しちゃった?――ただいまよぅ」「おかえり………膝枕なのは、見上げてる事からもわかるんだけど、なんでまたスカートで」「風邪を引いていて寒い時は人肌で温めるのが一番だもの」「暖房器具がなけりゃな。………なんで、風邪引いてるってわかった?」「お顔が赤かったから――こうして(ぴと」「って、額をくっつけるな!?口で言えばわかるから!」「そぅ?――と、起きたのなら、お薬飲む為にも何か食べないとね」「………なぁ、さっき口ずさんでたの――」「んん?昔、こうやってよく歌ってたなぁって。お姉ちゃんが幼稚園位の頃の歌よぅ」「………それで全然知らないのに聞き覚えがあるのか。なぁ、その………」「なぁに?」「えと、もうちょっと………温めてもらっていいかな、お姉ちゃん………?」
77:楽しい保守を致す「――さぁ、午前中に着けるよう、目的地に出発よっ!」「………いざいかん、魅惑の中南米文明展………!」「………みっちゃんがテンション高いのは何時もの事だけど」「ばらしーが目に見えて楽しそうなのは珍しい。いい事だ。――所で、金糸雀君?」「薔薇水晶が好きそうなイベントですものね。――何かしら、槐先生?」「君も、ばらしーや草笛先生と同じ、後ろ…後部座席でなくていいのか?」「カナ~、こっちに来ましょうよ。みっちゃん、左手にも可愛いお花が欲しいなぁうへへ」「………ばらしーも、来て欲しい。かむおーん」「みっちゃん、うるさいのかしら。――ごめんね、薔薇水晶。行きは助手席にいるわ」「ひぐえぐ。最近、カナがとっても冷たい………」「………かわいそ、かわいそ」「――草笛先生に花を譲るつもりはないが………本当にいいのかい?」「ええ、構わないのかしら。………理由は、後々分かってくると思います」「………ふむ。では、出発するぞ」―――――――「くーくーzzz」「すやすや………zzz」「――走り出してから約一時間で二人とも爆睡、と」「そこそこに早い時間に集合したからな。まぁ仕方ないだろう」「ええ。――やっぱり助手席で良かったのかしら」「ん、どういう事だい?」「ペーパードライバーな槐先生を一人で放っておくなんて危険すぎるのかしら」「くく、なるほど、是は手厳しい」「みっちゃんも、ちょっと無責任かしら。運転できるのは先生とみっちゃんだけなのに…」「金糸雀君、それは少し違う。草笛先生は、私の運転が安全だと確信して寝てるんだと思うぞ」「………その根拠は?」「少しでも危険だと判断していたら、彼女が君を其処に座らせる訳ないだろう?」「あ………」「くーくーzzz」
78:ほのかな保守を致すわよっ(【お願い】【笑って…】>>190の続き)「………色々見れた。楽しかった。………金糸雀は?」「カナ『も』よ。――やっぱり文化ある所、音楽もあり、だったのかしら」「でも、太鼓みたいなのしかなかった。………弦楽器は、ヨーロッパ特有?」「うーん………古代ギリシャにはあったみたいだけど…詳しくは知らないのかしら」「じゃ、今度はギリシャ展に行こ。………いいよね、お父様、みっちゃん先生?」「勿論よ、ばらしーちゃん。でもまぁ、とりあえず――」「――帰ろうか。三人とも、車に乗ってくれ」「帰りは私が助手席に座るから、カナ、交代しましょう」「あれ、みっちゃんも後ろじゃないのかしら?」「………センセ、両手に花だよ?」「あっはっは、凄く嬉しい誘惑。でも、前のおじさんにも花を与えてあげないとね」「………おじさん?――ふむ、花は花でも、姥桜――ごふぅ!?」「おとーさま、………怒るよ?」「わはー、見事なストレート。――ほらほら、槐先生、蹲ってないで帰りましょう」「薔薇水晶、容赦ない………。撃沈しているから、暫く無理なんじゃないかしら………?」「――すぅすぅzzz」「――すやすや………zzz」「………花――椿姫達は眠り姫になったみたいだな」「ふふ。――二人とも、まだまだ子どもですから」「ああ、そうだな。君も、疲れているなら寝てもいいんだぞ、草笛君?」「………私まで、この子達と同じ(子ども)扱いですか、槐『先輩』?」「ん、あぁ………すまない。今のは全く意識していなかったんだが」「尚、悪いですよ。――それに、今起きる為に行きは寝てたんですから」「ふむ………なるほどな」「『行きはよいよい、帰りは怖い』――姥桜で誠に申し訳ありませんが、お付き合いしますよ」「それは関所の歌なのだが………。それに、姥桜単体は綺麗な花なんだぞ?」「さぃですか。――ともかく、帰りましょう、槐セ・ン・パ・イ!」
79:クリスマスな保守を致すわよぅ「ぁ………あぁーーーーーー!?」「痛………っ、なんだよ、いきなり………?」「お、お姉ちゃん、皆にクリスマスパーティのお誘いメールを送ったんだけど………」「知ってる――当日になっていきなりな。集まるもんかねぇ………」「だけど、文章の途中で送っちゃったみたいで………『皆で、うち』で送信しちゃってたのよぅっ」「………まぁ、その。それじゃ来なくてもしょうがな――?」「あぅぅ………折角、皆で楽しく騒ごうと思ってたのにぃ………」「――いや。はは、僕が思ってたよりも、暇人は多いみたいだ」「………………ふぇ?」「やっと………やぁっと、補習から解放されたわぁ!」「其れはこっちの台詞。もう少し早く終わらせて欲しかったのだわ」「ふふ、でも真紅ちゃん、一度も急かさなかったわよね?――と、こんばんは。めぐ、真紅、銀ちゃん、到着したわよ」「ごめん………金糸雀。ばらしーが、録画に手間取ってた所為で………」「後で一緒に見せてもらうのかしら、ね?――ちょっと遅れちゃったけど、金糸雀、薔薇水晶、着いたのかしら!」「流石にワシらはお邪魔だと思ったのだが………」「あら、貴方、そう言う割には『森伊蔵』なんて出してきちゃったではないですか」「ま、翠星石はどっちでもよかったのですが、二人が迷ったらいけないので付添いですぅ。ふ、二人ともその顔はなんですか!?――えと、翠星石、おじじ、おばば、参上ですぅ!」「なかなかに盛況している様だな。来た甲斐があったと言うものだ」「ええ、先生も家で煮詰まりながらプロット作ってるよりも、今日位は騒いだ方がいいですよ。まぁ、ボクも人の事は言えないんですけど………。蒼星石、結菱先生、参加させてもらうよ」「――二人とも、早く来るのよ!パーティが始まっちゃうの!」「あらあら、雛姉様、そんなに駆けると転んでしまいますわよ」「ふふ、雪華綺晶も、お料理の匂いがしてきた辺りから早足になってるよ?お招き頂いてありがとうございます。雛苺、雪華綺晶、巴、参りました」「――な?」「――うんっ、お姉ちゃん、張り切って御馳走作っちゃうわ!」「いや、もう皆が持ってきてくれたので十分………まぁ、こんだけいればなんとかなるか」「――騒がしくなりそうね」「………真紅。嫌いか?」「だったら、来やしないのだわ」「それもそうだな。――ところで、よくあの文章、と言うか単語で通じたな」「まぁ、ね。――他の人ならともかく、のりだもの」「それは、褒めてるのか貶してるのか」「どちらでもないわ。言葉通りの意味。のりだから、『皆でうちで楽しみましょう』と理解できたのよ」「………そっか」「ええ。――あら?みっちゃん先生と槐先生は――」「――はぁい、サンタコスで今来たわよ!ついでに皆の分もあるからねっ!」「君の場合は単に、赤い服を着ているだけだろう。と言うか、私がトナカイか。――槐、みつ君、遅ればせながら到着だ」「――メール出した、ほぼ全員が来たんじゃないか………?」「みたいね。――いい事じゃない」「まぁ、な。――それじゃ、主催者の意向に沿おうか」「ええ、そうね。――のり、お料理してないで、最初の一言を言って頂戴」「え、え、お姉ちゃ、じゃなくて、私が?――えと、それじゃ――『メリークリスマスっ!』
80:クリスマスな保守を致すぞ「子どもたちは厳禁ですが、ほらほら、先生方は飲みましょうっ!」「もう、みっちゃんたらっ!絶対、自分が飲みたいだけなのかしら」「そう怒ってやるな、金糸雀君。なに、私は飲まないから、君も含めて帰りは送るさ」「………お父様、そんなに強くないし」「はっはっは、槐君、そんな事は許さんゾ!」「結菱先生、原稿から解放されて生き生きし過ぎですよ………はぁ」「ま、偶にはいいじゃねーですか、蒼星石。――ん、おじじとおばばは飲まないですか?」「ええ、私は飲まないから、『おじじ』さんに注いでやってくださいな。ふふ」「――む、いいのか?なら、少し頂こうかの」「つーまーりー!いっちばんぐぃっぐぃ飲めた方の愛が一番大きいんですよ!」「くくく、みつ君、何度も言わせるな。私のばらしーへの愛に、君のそれでは勝てない」「ふむ、何か一つに対する執着心は薄いのだがな。面白い、飲み比べに参加しようではないか」「話が変な方向に………頭が痛いのかしら」「………同上」「………以下略」「ま、まぁまぁ。でもまぁ、暴飲暴食は良かぁないですね。おじじ、止めてやってもらえませんか?」「興を削ぐのも申し訳ないが………生徒たちに示しが付かんのはいかんな、よし――」「あら、参加しないのですか、『元治』さん――」「………………ぇぅ」「………………ぉぁ」「………………ぅぇ」「――なんじゃ、もう終わりか?呆気ないな」「因みに、私は元治さんよりも飲めますからね。――うふふ」
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