ずっと傍らに…激闘編 第六章~ジュンside~
翌朝。まだ週末は遠い。なんせ、毎日が休日だと暇すぎて全く面白くないからだ。これから先、どうやって生きていこうか…の「それじゃジュンくん、お留守番お願いねー」ジ「あぁ」ねーちゃんも水銀燈から聞いたんだろう。僕が引き篭もっている理由を問うことは今のところ全く無い。それどころか、引き篭もっていることに触れようとさえしない。気を遣ってくれてるのか、見捨てているのかは僕には判らなかった。それにしても今日は凄い雨だ。昨日は普通に晴れてたのに、今日は激しい雷雨。警報が出ないのが不思議なくらい。だが、こうやって引き篭もっている僕は雨に濡れる苦労をせず、ただのんびりと部屋で過ごしていればいいだけなのだ。実に素晴らしい──と、リビングのソファに腰を沈ませて優越感に浸っていた。予『降水確率は午後12時までは100%、午後12時から午後6時までは30%となって──』ピッ…見飽きたのでテレビを消す。そろそろ自分の部屋に戻るか──それにしても、今朝は何もやる気が起きない。引き篭もってても勉強はしておかないとなぁって思っても、先の単元には入りづらい。授業を受けずに先の問題を解くのって結構勇気要るな…中途半端に覚えてしまったら後々に響きそうだから、翠星石のノートを見せてもらうかな…──なんて妥協して携帯を開く。やはり柏葉と翠星石から1件ずつメールが届いていた。~~~~~~~~□柏葉 巴□Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:-----------------------この雨男!なぁんてウソ☆近いうちに遊びに行くから待っててね。:*"
このメールを見て元気になってくれたらいいな~♪~~~~~~~□翠星石□Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:-----------------------言い忘れてましたが、今日はありがとうです。:*"今日の事は誰にも言うなですよ?
あと、お前が復帰するまでは抜き打ち訪問してやるですから、ちゃんと勉強しやがれです!さもなくば蹴り食らわせますからね!~~~~~~~~~柏葉は今朝送ってきてくれたらしい。でも昨日の夜の11時に送ってきてくれた翠星石にはちょっと迷惑かけたかな…とりあえず、柏葉には「いつでも来てくれ」と送り、翠星石には「はいはい」とだけ送った。長文を送る気にはならなかった。何だか今日は何も考える気がしない。考えるのがしんどい──それにしても相変わらず蒼星石から連絡がないのは何故だ?蒼星石にも見捨てられたのかな…仕方ないや…引き篭もりだし。そのうち翠星石や柏葉も離れていくだろう……そう考えると、あることが疑問に思えてくる。水銀燈がこの間言ってた事って、やっぱり本当なんだろうか。、話したいとは思わなくはない。ただ、今の僕は確実に話すことさえ面倒臭いと思っている。じきに僕はホンモノの引き篭もりになっていくんだろう。もう、ねーちゃんともダメかもしれない……はぁ…この頃はマイナス思考が先行しがちな気がするなぁ。そろそろ雨も小康状態になってきたみたいだし、気分転換に窓でも開けよう…...Zzz──その夕方、唐突に外から今まで聞いたことが無い程の罵声で目が覚めた。A「桜田死ねぇぇぇぇぇぇ!!!」B「裁縫やってる奴は死ねばいいと思うよ」C「おい!引き篭もってるんなら出て来い!」僕は蹴り出していた布団を慌ててバッと被り込んで縮こまった。何で僕の家にまで押し寄せてくるんだ??こういう時は窓を閉めたらいいのだろうが、自分の腕を向こうに見られてしまう。そうすれば、もっと惨い冷やかしが待っているだろう。だが、奴らの罵声はさらに勢いを増していった。A「死ね!」B「しね!」C「シネ!」“死ね死ねコール”が僕の頭にガンガン響く──僕はベッドから落ちて、のたうち回った。そのうち本棚が歪んで見えてきて、蛍光灯が虹模様になりそれがまた散髪屋のクルクル回るヤツの如く回転し、ベッドの下から鳥が一斉に僕に襲い掛かってきた。僕は死に物狂いで部屋のドアを開け、もうとにかくしんどいので、階段をわざと転げ落ちながら1階へ落ちて逃げようとした。──その鳥は、もう襲っては来なかった。しかし、体は物凄く重く感じるし、目の前は歪んだままだ。意識が朦朧とする中、僕は119番に何とか連絡した。消「こちら消防です。火事ですか?救急ですか?」ジ「救急車を──」症状も住所も何とか伝えて電話を切った僕は、匍匐前進で玄関へ進み、最後の力を振り絞って鍵を開けた。僕はそこで意識を失った──
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