第4話「事件は教室で起こっている!」
「MYFAIRFRAGMENT」第4話「事件は教室で起こっている!」
紅「で。結局なぜあなたたちは喧嘩したの。」蒼「それが……」
キーンコーンカーンコーン話をし始めてすぐに、予鈴が鳴り響く。
金「やばいのかしらー!もう予鈴なのかしら~」雛「でも、まだ話を聞いてないの~」蒼「僕は痛みが引くまでもう少し休んでいきなさい、って言われてるけど…」雛「なら、雛も残るの~!」金「雛苺!ダメなのかしら!クラス委員としてサボりは見逃せないのかしら!」紅「そうね。サボるのはよくないのだわ。話は放課後か、次の休み時間にでも…」雛「うにゅ~…そうなの!」
何かにひらめいたらしい雛苺。まだ足が痛そうな蒼星石の片方の腕を自分の方に回しはじめる。
蒼「ひ、雛苺?」雛「金糸雀もやるのー!」金「え?ええ、わかったのかしら。」
すると両側から蒼星石を支える、というかむしろ背負っているような状態に。二人とも蒼星石より背が低いので、そうしないと足を引きずってしまうのだ。
雛「このまま教室まで走るの~!」
言うが早いか、とっとと走り始める雛苺。釣られるように走り始める金糸雀。そのまま二人に運び去られる蒼星石。
金「ひ、雛苺、そんなに急がないで欲しいのかしら~~~!」蒼「ふ、二人とも?ちょ、手が…手が!うわあああああああああああああ…」
最後に、一人ぽつねんと置いていかれた真紅。
紅「二人とも元気ね…」
そう、げっそりした表情でつぶやくと、机においてあった鍵で保健室の扉を閉めて、職員室へと向かったのであった。
昼休み明けの授業。それは一番眠くなる授業であり、しかもそこに退屈な現国の授業と来れば。既に、開始10分にして3割近くが寝に入るという素敵な事態と相成っている。先生の側も既に諦観の念にとらわれているのか、注意する気も失せているようだ…教室にはただただ寝息と、そして先生が黒板に文字を書くための足場を動かしていく音だけが響いていた。そんな時。真紅の後頭に何かが当たる感触がした。何かと思って拾い上げてみると、それは丸められた紙。不思議に思ってそれを開いてみると…
雛『授業中でもこうやってお話を聞けば大丈夫なのー!』紅(雛苺……)
ふぅ、と小さくため息をついて後ろを見れば、小さく手を振る雛苺。横の方を見れば蒼星石も後ろを向いていることから、多分雛苺は彼女にも「手紙」を投げたのであろう。ふとみると、彼女の隣の席の翠星石は戻っていない。やはり大きな喧嘩をした後で戻りにくいのだろうか。他にも何人か…今日休んでいないはずの面子の姿が見えなかったが、きっとサボりなのだろう。あまり真面目な学生とは言えない水銀燈など特に、こういった昼食後の授業なんて出たくないのであろうから。ともかく、真紅はこういった授業中の手紙のやり取り…手で回すものならばまだしも、特に投げつけて渡すのはあまり好かない。優雅ではないからだ。「女の子はエレガントに」どこかで聞いたフレーズであるが、それが正しいと真紅は思っていた。なので、メモ帳を切り取り、それをたしなめる手紙をしたためて、回してもらおうと周囲を伺って…固まった。なぜなら、真紅から後、雛苺までほとんどの生徒が眠りの世界の住人だったからだ。暫く固まっていると、雛苺からもう一個手紙が飛んできた。
雛『どうしたのー?』
真紅の表情にかすかな怒りの感情が浮かぶ。しかし、これでは返答のしようがないので、仕方が無い。授業が終わるまで保留しよう、と前に向き直った所…もうひとつ、飛んできた。無視だ、無視しよう!そう思って後ろを振り返らずにいると、さらに飛んでくる。もう5個くらい投げつけられただろうか? とうとう真紅の心の中で、何かが切れる音がした。真紅は、もう一枚メモ用紙を切り取ると、先ほどと同じ内容をすこし怒りをこめて書きなおした。そして、手元にある中で一番大きな消しゴムをそれで包み…投げた。その「手紙」は狙い過たず雛苺の額に命中。少し溜飲の下がった真紅は、改めて前に向き直る。しばらくすると、また飛んでくる「手紙」。今度はご丁寧に真紅の投げた消しゴムを包んである。もう堪忍袋の緒が切れた、とばかりに真紅。何も書かずに再び投げる。そしてまた飛んでくる手紙…そんな不毛なやり取りは、結局その授業が終わるまで続いたのだのだった。
再び休み時間。
紅「雛苺……!」
休み時間の鐘がなって、挨拶をした直後、真紅は雛苺の元へ向かう。
紅「一体何をやっているの!人に物を投げるなんて…!」
怒るのソコなんだ…ひねった足を床につけないようにケンケン跳びで雛苺のところまでやってきた蒼星石は、そんなことを思った。しかし懸命なことに真紅の表情を見て思うだけにとどめる。
雛「ごめんなのー。でねー?、蒼星石に教えてもらったことも書いたんだけど、見た~?」紅「…は?」
振り返る真紅。そこには、読まずに投げられたまま放置された「手紙」の数々。一部は休み時間になって動き回っているクラスメイトに踏まれかけ、その一つなど、今まさに…
べ「…?なんだこれ…なんか書いてあるぞ」紅「絆パンチ!」(ガッべ「ぐはぁっ!…いいパンチ…だ…」
読まれる前に、何とかそれは回収された。そして、真紅はそのまま床に落ちた「手紙」を拾い集めはじめる。
金「真紅も人のこといえないくらい乱暴なのかしらー…」紅「状況によるのよっ!」蒼「真紅…さすがに今のはひどいって」
大げさに、床に倒れて見せたべジータの元にケンケンで近寄っていく蒼星石。
蒼「大丈夫?鼻血出てるよ…はい、ティッシュ」
ポケットティッシュを取り出して一枚だけひっぱってから、べジータの横にひざを付いて差し出す蒼星石。その体勢…べジータは確かに見た。蒼星石の背中に生えた白い翼、そして頭の上の光輪を…!ついでに言えば、スカートの中のまばゆいばかりの黒スパtt
べ「!!…蒼嬢!!俺は、俺は……!!」蒼「ええっ!?」
鍛えられたサイヤ人の筋肉で一挙動で起き上がるべジータ。そのままひざをついて顔を赤らめ、蒼星石の方ににじり寄っていく。さすがの蒼星石もそれには後じさりしようとした…そのとき!
?「蒼星石に…なにをやっているですかーーーーーー!!!」
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<次回予告>蒼星石のピンチに颯爽と現れた人物の正体やいかに!!蒼星石は翠星石と仲直りすることが出来るのか!!鍵を握るは水銀燈と薔薇水晶!?紅「今回はひどい目にあったのだわ…」雛「ちなみに書き手は「蒼い子はスパッツ派」らしいの~」金「また出番が少ないのかしら…」薔「次回!「MYFAIRFRAGMENT」!第5話「急展開!?そうは問屋がおろさない!!」見てね~☆」紅「…今の…誰?」
注:この次回予告は、80%の不確定成分、19%の法螺成分、1%の真実により構成されております☆
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