再会 一番目
月が星が一切無い夜の空。周囲には夜の闇が広がり、所々ある街灯の明かり以外に灯りと言うのは存在しなかった。 人々が動物が植物が眠りにつく丑三つ時。 そんな暗闇を、七つの人影が足音なく走りかけてゆく。 そして、一つの大きな屋敷の前にて七つの人影は立ち止まった。 真ん中に立つ人影が、懐から携帯電話らしきモノを取り出すと何処かへと連絡を取り始めた。 しばらくして連絡が終えたのか、携帯電話を懐にしまう人影。 残りの六つに合図を出すと、七つの影は一斉に屋敷の中へと足を踏み込んだ。 だが、踏み込んだと同時に七つの影は、屋敷から弾き飛ばされてしまう。 くっ……と、一つの影は地面にバランスよく着地した後屋敷を睨む。 対侵入者用防壁方陣が働いているのかと、舌打ちをする一つの影。 一つの影は、すぐさま残りの六つの影に次の指示を出す。 すると、六つの影は散開し屋敷の周囲を覆う壁をグルリと駆け行く。 数分後六つの影が、戻ってくると六つの影の一つが小さく頷いた。 そして……凄まじい轟音と共に六つの影が仕掛けた爆薬が、爆混ぜた。 殆どの壁が、原型を止めておらず屋敷の近くに存在していた家屋にも被害が出ているが…… 七つの影は、その爆発により対侵入者用防壁方陣が揺らめくのと同時に屋敷の敷地内へと瞬時に侵入を果たす。 七つの影が向う先は、その屋敷の敷地内に存在する倉庫。 倉庫の扉の前に到着すると一つの影が、背に背負っていた玄翁を構え躊躇なく振り下ろした。 鈍い木が折れる音と共に、倉庫の扉は開けられた。 七つの影が一斉に倉庫に入ると同時に、何かを手早く探し始め一つの影がそれを見つけると カンッと、ワザとらしい足踏みを一つした。 他の場所で目的のものを探していた影達は、目的のものが見つかったと言う知らせを受け すぐさま倉庫から飛び出ると同時に、そのままちりじりに爆発の余波で燃え上がる屋敷の一部や木々を背に 夜の闇へと消えていくのだった。 「やられたわねぇ……まさか此処まで直接的に来るなんてねぇ?」 と、欠伸を一つもらしながら、机に突っ伏す水銀燈は、自分の方を向いて座っている蒼星石にそう声かけられる。「そうだね。関西か関東かどちらかわからないけど……蒼の倉庫から【鬼の爪】が盗られたよ」「私の所は【鬼の鬣】……一体、あんな事してまで何をするのかしらねぇ?」「さぁ?」 水銀燈の言葉に、困ったように肩をすくめる蒼星石。 そんな二人の元に、雛苺と金糸雀がやってくる。 雛苺は何時もの明るい笑顔は其処になく何処か悲しげな様子が見て取れる。 対して、金糸雀は面白くなさそうな顔をしていた。「盗られちゃったの……大切な大切なモノ盗られちゃったの」「どうやら、八乙女全員が同時に被害受けたらしいかしら」 今にも泣き出しそうな雛苺とは、対照的に静かな怒りの焔が小さく揺らめいている金糸雀。「あらぁ……じゃぁ皆被害にあったのねぇ……」「現在、うちの者が関東か関西か調査中かしら……」 金糸雀の言葉に、それなら直ぐわかるわねぇ~と、水銀燈は一度伸びをした。 「それで? 雛苺と金糸雀は何を盗られたんだい?」「雛の所は【鬼の人形】なの……あの人形で小さい頃遊んだの。大切なモノなの……」「私の所は【鬼術大全集】かしら……此処まで来れば何をしたいのか本当に丸わかりかしら」 はぁ……と、金糸雀はため息をつく。 そんな金糸雀を見て、水銀燈と蒼星石はあらかさまよねぇ? と、苦笑し 雛苺はうにゅ? と首をかしげる。「鬼の召喚でもして、八乙女を打ち倒し名を売ってやる」「ってぇ考えよねぇ~どう見ても~」 金糸雀の言葉に続けて笑いながらに言う水銀燈。「でもまぁ……無駄な事よねぇ?」「そうだね」「うにゅ」「まったくかしら……」 「おーい。そろそろ授業始めるから席についてほしいのだがー?」 そう言いながら教室に入ってくるのは、担任で歴史担当教員の桜田潤。「その鬼が」「目の前に」「いるのー」「やれやれかしら」
【NG】シーン「おーい。そろそろ授業を始めるから席についてもらえないかなぁ~?」 教室に入ってくるのは、副担任で……なんか担当の梅岡。「…………」「…………」「…………」「…………」((((あとで梅岡ブッチギル))))「ふぅ……やはり不死屋の芋羊羹は美味いな……」
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