八章「闇と炎」
八章「闇と炎」走って屋敷の奥に行く真紅に金糸雀の悲鳴が聞こえた。真「金糸雀!?」真紅はさらに足を早め屋敷の奥の部屋に入る。水「あらぁ真紅ぅやっと来たのぉ?遅かったじゃなぁい。」真「水銀燈?なにを…しているの?金糸雀に何を?」真紅が見た光景それは壁にはり付けられ放心状態の金糸雀水「いうこと聞かないからぁお仕置きしてたのぉ。そしたらやりすぎちゃって。ふふ貴女が遅いからいけないのよぉ。」真「なんで…なぜ…こんなことを?」水「あなたをジャンクにするそれが私がここに来た目的の一つよぉ。」真「どうして?どうしてよ水銀燈あなたは…あなたは…」いまにも泣きそうな真紅に水銀燈は冷たい眼差しを送る。水「なぁにぃ?私がどうしたのよぉ?」真「あなたは優しい子だったじゃない?なのになぜこんなひどいことを?」水「さぁ昔のことなんてぇ覚えてないわぁ。覚えているのはそう貴女にされた仕打ちくらいねぇ。」そういわれると真紅は何もいえなくなった。水「どうせ貴女は私のことを持病持ちのめずらしい女としか思ってなかった。そうじゃなくてぇ?」真「ち、違うは私はあなたを親友だと…」水「親友ねぇ。私はそんなこと思っていないわぁ。」真「そんな…」水「さぁ剣を抜きなさぁい。抵抗しない人間をジャンクにしてもおもしろくないわぁ。」真「水銀燈…私は…」水「嫌とは言わせないわぁ。」水銀燈がそういうと金糸雀がまた苦しみだす。真「水銀燈やめて。金糸雀を離してあげて…」水「嫌よぉ。さぁ早くしないと金糸雀左腕もいっちゃうわよぉ?」それを聞いて真紅の中で何かが壊れた。真「……ンク……」真紅はボソリと呟く。水「なんですって?」それを聞き逃さなかった水銀燈は怒りの表情を見せる。真「ジャンクといってるのよ水銀燈。イカれてるわ。貴女は本当に……ジャンクだわ!!」そう叫び真紅は剣を抜く。水「私はジャンクなんかじゃない!!真紅もう許さない私が殺してあげるわ。メイメイ」そう叫び水銀燈はメイメイを手にかざし刀を手にとる。そしてメイメイを胸に吸収する。水「さぁ真紅私がジャンクにしてあげるわ。」水銀燈は漆黒の翼をはやし真紅に向っていく。真「闇…貴女らしいわね。ホーリエ」向ってくる水銀燈に真紅はホーリエの炎の壁を作る。水「ちっ」炎を当たる寸前水銀燈は漆黒の翼を盾として炎をガードする。真「(金糸雀は…気を失ってるだけのようね。)」突然苦しむのを止めた金糸雀を見て最悪の事態ではないことに真紅は安心する。水「よそ見なんて余裕ねぇ?真紅ぅ」いつのまにか炎を振り切り水銀燈は真紅の目の前にくる。真「だまりなさい。ホーリエ」真紅は剣に炎をまとわせ水銀燈に突撃する。水「無駄よぉ。」水銀燈がそういうと背中の翼を羽ばたかせる。 無数の漆黒の羽が真紅へと降り注ぐ。真「こざかしいわね。」真紅は怯むことなく炎をまとわせた剣を振る。漆黒の羽と炎はぶつかり双方ともに消滅する。真「(ここではあまり力が出せないわ。なんとか外に出ないと…)」真紅は金糸雀を見ながら考える。水「あらぁ真紅ぅ金糸雀が気になるのぉ?」水銀燈は宙に浮きながら真紅に問う。真「あなたは…何とも思わないのね。」水「ふふそんなことないわぁ。だって金糸雀は友達だったんですものぉ。」水銀燈はふざけた口調で真紅の質問に答える。真「よくも…よくもそんなことが言えたものね。」水「あらひどいじゃなぁい。う~んそうねぇ。じゃあこんなことしたりぃ?」そういうと水銀燈は金糸雀に向って無数の羽根を跳ばす。真「なっ」真紅は止めようと近づくが間に合わない。真「何をするの!!水銀燈」水「あらぁよくみなさぁい。当たってなんかないわよぉ。」真紅は水銀燈の言葉を聞き金糸雀のほうを見る。水銀燈の言う通り金糸雀には一つも当たっていなかった。水「これでわかってくれたぁ?」水銀燈は真紅にそう聞く。真「わからないわ。水銀燈!!ホーリエ」真紅は叫びながら水銀燈を薔薇の花びら型の炎で包囲する。水「なに真紅?不意討ちなんてひどいわねぇ。」炎に包囲されたことなの気にしないように水銀燈は真紅そう言い放つ。真「うるさいわ。くらいなさい。」真紅が叫ぶと薔薇の炎はすべて水銀燈に向っていく。水「くらうのは貴女よぉ真紅ぅ」水銀燈は漆黒の翼で炎を防ぐ。そして金糸雀に放った羽根を操り真紅に攻撃する。真「くっ。」後ろからきた羽根に一瞬判断が遅れた真紅は剣を盾として耐える。水「いい姿ねぇ真紅?」漆黒の翼で炎を凌いだ水銀燈が真紅に向ってそういい放つ。剣で防いだものの真紅は体をところどころ羽根で切り裂かれていた。真「この為に金糸雀に羽根を…」水「さあねぇ。貴女が攻撃してきたから返しただけよぉ。何かいけなぁい?」水銀燈はそういうと真紅に刀を向ける。水「さぁお喋りばかりじゃつまらないわぁ。そろそろ本気でいくわよぉ。」水銀燈は真紅に近付き刀を振る。真「そうわかったわ水銀燈」真紅は水銀燈の凶刃を自分の剣で防ぐ。水「そうこなくっちゃねぇ。さぁ真紅きなさい。ジャンクにしてあげるわ。」真紅はホーリエにより剣に炎をまとわせ水銀燈に放つ。それを水銀燈は宙に舞うことで回避する。水「真紅どこを狙ってるのぉ?」真紅は無言のままもう一度炎を放つ。水「何度も同じ手で効くと…!?」水銀燈は目の前の炎と先ほど真紅が放った炎に挟み撃ちされる。真「迂闊すぎるわ水銀燈。」水銀燈は翼を纏い炎を防ぐ。しかし2発同時に真紅の炎を受けて水銀燈は吹き飛び窓から外に投げ出される。真「金糸雀もう少し待っていてすぐにジュン達がくるはずよ。」真紅は金糸雀にそういうと水銀燈が投げ出された窓から外に出る。外に出た真紅に無数の羽根が降り注ぐ。水「よくもやったわね真紅。消えなさい!!」真「それくらい私が予想してないとでも思っているの水銀燈?」真紅は自分を炎の壁で包み水銀燈からの攻撃を防ぐ。水「ちっ。ならこれならどう?」水銀燈は片方の翼を黒龍へと変化させ真紅に攻撃する。真「やっかいな技ね。ホーリエ」羽根からの攻撃を防ぎきった真紅は炎の花びらを龍に当てる。水「そんなことしても無駄よぉ真紅ぅ」水銀燈はさらに龍の勢いを上げる。真「だから迂闊というのよ。」真紅は龍に当てた花びらをすべて集め炎の壁にして龍を防ぐ。一瞬龍の勢いがゆるまるが炎の壁はすぐに破壊される。水「何が迂闊なのよ真紅ぅ。」水銀燈は真紅がいた場所を見るしかしそこに真紅はいない。水「どこに!?隠れてないで出て来なさい!!」真「隠れてなんていないわよ水銀燈」水銀燈は声のしたほうを見るそこには真紅の剣から放たれた炎が向ってきていた。水「何度もそんな手には乗らないわ。」水銀燈はもう片方の翼から先ほど同様の龍をだし真紅の炎を破壊する。真「本当にやっかいな技ね。ならこれでどう水銀燈?ホーリエ」真紅の手のひらではホーリエの光が高まる。そして真紅はホーリエを水銀燈に放つ。水「なに!?」ホーリエはいままでよりも炎の力を増し炎龍となって水銀燈向っていく。真「終わりよ…水銀燈…」水銀燈は龍の炎に包まれる。すこしの間龍は燃え盛り消える。そして水銀燈の姿が見えてくる。真「防いだというの!?」水銀燈は二つの黒龍を戻し翼で炎龍を防いでいた。水「まだよ。まだ…まだ終わらないわ真紅」防御はしていたもののやはり受けたダメージは深刻。真「いえもう終わりよ。あなたはもう戦えないはずよ。」水「うるさい!!あなたなんかに…あなたなんかに後れをとるわけにはいかないのよ!!」満身創痍の状態で水銀燈は真紅に刀を向ける。真「これ以上は正直やりたくない……でもあなたは金糸雀を傷つけた。それだけは許すわけにはいかないわ!!」真紅は剣に炎まとわせる。水「きなさい真紅。私はまだ敗けてなんていないわ。」真紅が水銀燈に向けて炎を放とうとする。そのとき?「お前はそれで本当にいいのか?」謎の声が真紅の頭のなかに響く。真「誰?」真紅は剣を振るのを止め謎の声の話に耳を傾ける。?「お前は本当にそれを望んでいるのか…真紅?」真「なぜ私の名前を!?あなたは?まさかジュンがいっていた…」謎の声のに対して動揺しながら真紅は答える。?「その通りだ。それで真紅本当に水銀燈を殺すのか?」真「だって彼女は…」?「思い出せ真紅。お前がなぜここに来たのかもう一度はっきりと…な。そして水銀燈お前はなぜここにいる?」水銀燈にも同じ声が聞こえているようだ。真「私は…」真紅は思い出す何のためにここに来たのかを…?「(思い出せそうすれば…)水銀燈お前は…」水「うるさいわ。私に願いなんて無い。勝手に心の中に踏み込まないであいつのように…あい…つ?」?「(…そうか…水銀燈は…)」その時水銀燈に向けて一本の剣が飛んでくる。水銀燈はそれに気付くが間に合わずお腹辺りに刺さる。?「あ~あつまらない。せっかくうまく言ってたのに…誰かは知らないけど邪魔なんてほんとにうざいわね。」謎の声とは別の声が闇の中から聞こえてくる。?「(タイミングが悪い今の真紅にはきつい…どちらの意味でも…)」そして声の主が闇の中からあらわれる。
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