第三話 天使 ~Angel~
最悪…まさにその一言であった。朝九時過ぎ、いつもより遅くの起床。理由は言うならば一限の先生が嫌だから、ただそれだけ。
目覚ましをわざとセットせずゆったりと用意をする。そしていつもより三十分ほど遅れて家をでる。学校までの道程をゆったりと歩をすすめ、いつもと違い誰もいない通学路。教室に臆せず入る、あの先生はこうまでも狙って遅刻されることに慣れたのか、私のほうへ目線を流しただけに止まり特に何も言わなかった。退屈な授業、意味があるとは思えない。けどあの子との約束のために―――――――――第三話天使 ~Angel~最悪だ…あの子との絆ともいえる携帯のストラップを無くしてしまった。
最後に確認したのは学校をでる際に見たのが最後。
ポケットからストラップをだした形にしてたのがまずかった、いつ落としたのかわからない。
しらみつぶしに病院のロビーから学校へそして二度目の病院への道、自分でもわかるぐらい動揺している、
汗を大量にかき、ときおり自分の腑甲斐なさに目頭が熱くなる。なんで私がこんな目に―――――――――最悪だ…はや二時間以上経過し、もうまわりも気にせず無我夢中に探していた。するとそこへ…「あの…どうかしたんですか?」私は探す行為を遮られたことと見つからない憤りの感情が先にでて睨み付ける形で顔を向けた。もともと銀髪に加え、釣り上がった目に赤い瞳、別に睨み付けているわけではないが威圧的だと誤解されることが多く、学校なんかでは孤立することが多かった。はじめの頃は治そうと努力はしたが、他人のためにコビを売る自分に嫌気を覚え、どうせならと孤立することを選んだ。結果、私はあの子の前以外で笑うことを忘れた。どうせ今回も私の態度に親切心を折られるに決まっている…「…なに?」ジ「いや、なに?っていわれても…」「用がないなら話し掛けないでくれるぅ」私は高圧的に言い放った。ジ「まぁそのなんだ…何か探してるんだろ?手伝うよ」「はぁ?そんなこと頼むぎりもないわぁ。余計な事しないで」さらに突き飛ばすように言った。ジ「んーなんつーかあれだ、まぁ気にすんなよ。もちつもたれずってな、とりあえずこっちを探すからな」「か…勝手にすればぁ」内心驚いていた。いまだかつてこのような人に会った事はなかった。こんなにおひとよしなんてただの馬鹿じゃないのと非難はしたが反面忘れていた嬉しい感情もあった。ジ「なぁ捜し物ってなんだ?」「な…あなた馬鹿ぁ?普通最初に聞くでしょそんなものぉ」ジ「まぁなんだその気にするな」「まったく…携帯のストラップよぉ。特徴は変わった天使といったところねぇ」ジ「なるほど天使のストラップね」さらに子一時間たっただろうか…さすがに疲れがピークを越え、効率は落ちていた。ジ「おい!もしかしてコレじゃないか?」彼が手にしているのは紛れもないそれだった。私は嬉しさのあまり駈け寄っていった。「ソレよぉ!いったいどこにあったのかしらぁ?」ジ「あぁ道の沸きの溝に入っていたよ、鎖が見えたからまさかと思い開けてみたらあったよ」「溝ってあなたそこまでするぅ?」ジ「はは、なんでだろーな?まぁ、一応泥は拭き取ったけど洗ったほうがいいな」ホレといって彼が差し出す。「ありがと…」すごい照れくさかった、久々に言う他者への感謝の言葉。彼は笑顔で返事を返してくれた。おそらく私も今笑っているだろう。さすがにこのまま帰すのは悪いと思い、お礼を考えていた。やっぱりここは無難にお茶に誘うのがいいのだろうか…?ふとそのことを言おうとしたら、ジ「あぁそうだ今何時かな?」私はストラップを付け終え携帯の時間を見た。「ん~四時二十分ってとこねぇ」すると彼はみるみる顔が青ざめていった。ジ「う…じゃあこのへんで!見つかったからよかったな!」といい小走りに駆けていった。時間がやばかったのだろうか…などと考えていると肝心なことに気が付いた。「あぁ…名前聞くの忘れたわぁ…」この時限りは自分の馬鹿さに怒りを感じた。ふと歩みを病院の入り口に向けた際ガラスに反射した姿が相当汚れていることに気が付いた。そういえば彼もどろどろだったな…あぁ結果的にお茶に誘わなくてよかったのかもしれない。けれどもこのままあの子どころか病院に行くのも衛生上注意されそうだ。一回かえって着替えることにしよう。それにしても彼は稀に見るいい人だったのかなぁ…名前を聞けなかったのは残念だけど、おそらく通院かお見舞いかの帰りだろうからまた会えるかもしれないわぁ。それにしても…今日は最高の日かもしれないわぁ…結局その日はシャワーを浴びたら疲れ切っていたのかベットに倒れこむと深い眠りに落ちた、気付いたときには面会時間をすぎていた。結局あの子には会えなかったけどまた明日いくことにしよう。あの子に会う以外に楽しみがある病院に。流れゆくときのなかで再会を夢見て少女は眠りについた――――――つづく...おまけあぁ実にやばい、こいつぁ一大事だぜ…携帯を取出して見てみる。探すのに夢中で気が付かなかったのだろう着信10件、メール7件…イエイ!ALL真紅だぜ!一通目今どこなの?私を置いて先に帰ったのかしら?二通目ただちに連絡をいれなさい三通目ちょっと聞いているの?今どこなの?四通目嫌がらせかしら?さすがに怒るわよ?五通目先に帰るわ。とりあえず連絡しなさい六通目家にもいないようだけどどこにいるのかしら?悪ふざけならいいかげんにしなさい七通目わかったわ、約束をやぶるのね。覚えてなさいよ、今なら連絡さえすれば許すわ最後のメールからすでに二十分あまり経過している、ここで返信したが、返ってくる気配がしない。今家の手前数十メートル前返信がないのに焦った僕は電話することにした――――ジ「や…やぁ真k(プツッ……)」プープープープー…無機質な電話からの返答、僕は覚悟して数十メートルを駆け抜けた。門にいましたよ、赤い鬼が…ジ「ちょ…待て真紅話を聞k」真「問答無用なのだわ」僕の全力疾走+真紅の豪椀のスピード=∞のパワーが顔面にめり…ウア゛ァァァァァァ!!!
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