『貴女のとりこ』 第十三回
『貴女のとりこ』 第十三回薔薇水晶は、ぶおぉ……と轟音を発して燃え上がる紅蓮の炎に炙られ、目を細めた。時折、伸びてくる火の舌が顔の近くを舐めて、産毛を焦がしていく。逃げだそうにも、両手両足は何かに拘束されていて動かせない。見れば、十字架のような物に括られ、燃え盛る炎の上に吊り下げられていた。一体全体、どうして、こんな状況に置かれているのか? いつの間に?訳が解らない。ただただ、暑く、熱かった。全身の汗腺が開き、体内の水分が流れ出していく。額から落ちてきた汗が鼻の頭に溜まって、くすぐったい。髪の間を抜け、耳の後ろを流れてきた汗は、下唇に留まり、揺れる。やがて、二つの滴は殆ど同時に、炎の中へ落ちていった。それは、炎に辿り着く寸前、蒸発して消えた。このままだと、冗談抜きに、乾涸らびてしまいそう。暑さを我慢する必要なんて無いし、干物になるまで待っているほど、暢気でもない。だが、この状況で下手に暴れれば、十字架に束縛されたまま炎へ直滑降してしまう。脱水症状で逝くか……焼死を選ぶか……。どちらにしても、絶対的な死は、変えられないかも知れない。暗澹たる気持ちで眺めていた焔が身に焼き付いて、紅蓮は暗黒に転じる。すると、ちらちらと瞬き、ゆらゆらと揺らめく火焔が、なにかを形作りはじめた。一体、何が始まろうとしているの? 皆目、見当が付かなかった。眉根を寄せる彼女の前で、火焔は漆黒の四角いスクリーンへと変貌を遂げた。ブツッ! ザッ……と耳障りな雑音。それを合図に、画面の中で砂嵐が吹き荒れ始める。何が映し出されるのか……。立ち尽くして、走査線上を乱れ飛ぶ砂嵐を凝視していると、徐々に、何かの像を結び始めた。浮かび上がるモノクロ画像。しかも、全体的にトーンが暗いので、何の画像か判然としない。ただ一点……スクリーンの右上部分に、ぽうっと仄明るい箇所があった。(何? あの部分――――どうにかして、拡大して見たいなぁ)暑さで朦朧としつつも、薔薇水晶が胸の内で切望すると、それに応えるように、画面は明るい箇所へとズームアップしていった。正体不明の明かりは小さな四角形。まるで、携帯電話のディスプレイみたい。更に拡大していくと、それは紛れもなく携帯電話のバックライトだった。この映像に、どんな意味が秘められているのだろう。それを把握すべく、スクリーンを食い入るように見つめていた薔薇水晶は、映像がぐらり……と振れた瞬間、微かな光に浮かび上がる『何か』を視界に捉えた。あれは、何なのだろうか。白っぽい棒状の物が転がっている。画像自体の黒レベルが強すぎて、一見しただけでは、どうにも良く解らない。それでも、根気よく、矯めつ眇めつしていると……。(なんだか…………人の腕……みたいな?)それは確かに、人間の左腕。肩から二の腕にかけての映像だった。低い視点で、横たわっている人を真横から見れば、こんなアングルになるのだろう。正体が判明して安堵する反面、薔薇水晶は、妙な胸騒ぎを覚えていた。腕だけが転がっているとなれば、尋常ならざる事態だ。――が、違った。腕の向こうに、ブラジャーのカップらしき隆起が、微かに映っている。下着の清楚なデザインから察して、この人物は年の頃10代後半から20代前半の、若い女性だろう。しかも何故か、薔薇水晶は直感的に、この娘が雪華綺晶か巴だと悟っていた。この映像を撮っているカメラのアングルを、もう少し右に寄せれば、横顔が見えそう。(動いて……右へ。右へ――)薔薇水晶が念じると、先程と同様に、画像が右に向きを変えていく。なにか、スポーツをしているのだろう。肩の筋肉が、普通の娘に比べて発達している。その肩の影から、細い頚が淡く浮かび上がり、顎の線と、耳朶と……髪が見えた。ショートカットの、ストレートな黒髪が。(この女の人って、まさか…………巴ちゃん?!)光量が少なすぎて、顔全体を写すことは出来ない。しかし、巴と符合する特徴は多かった。もし、この娘が巴だとしたら……姉の雪華綺晶も、すぐ側に居るかも知れない。(これって――もしかしたら、お姉ちゃんが助けを求めてるサインかもっ!?)予知夢、或いは、虫の報せ……と呼ばれるものか。生命の危機に瀕した身内の、救いを求める必死の想いが、肉親の元に届いたという摩訶不思議な話を、聞いた憶えがある。であれば、この映像も或いは――薔薇水晶は些細な動きすら見逃すまいと画面を睨め付け、片時も目を逸らさなかった。――――ふと、画面の上方……横たわる娘の奥で、何かが蠢いた。身を乗り出して、もぞもぞと動く何かを凝視すた。丸みを帯びた形状。人の頭部らしいが、判別しかねる。髪の毛だろうか? 白っぽい、緩くウェーブのかかったモノが、ちらちらと動いていた。何かの花を模した、髪飾りも……。だが、確認できたのは、そこまでだった。画面を食い入るように見つめていた薔薇水晶の左耳元に、ぶおぉん……と耳障りな振動音が迫り、高熱が襲ったのだ。不意打ちに驚き、身体を震わせた瞬間、薔薇水晶を捕らえていた十字架が、すとんと落下を始めていた。――死が待つ業火の中へと、まっしぐら。ひゃぅっ! と息を呑んで目を見開いた薔薇水晶の肌と耳が、熱気と騒音を感知する。音のする方へ顔を向けると、そこにはドライヤーと櫛を手にして佇む、蒼星石の姿があった。「あ……ごめん。起こしちゃったんだね」蒼星石はドライヤーのスイッチを切って、薔薇水晶に優しく微笑みかけた。どうやら、炎に炙られたと感じたのは、ドライヤーの熱気だったらしい。夢は、睡眠中に起きる些細な刺激を拡大解釈すると言うのは、本当のようだ。それにしても、あの奇妙な映像は、なんだったのだろう?ただの悪夢だったのならば、いっそ気が楽だ。変な夢と笑い飛ばして、明日には忘れてしまえるから。だが……今の夢は、どうだ。夢と呼ぶには、あまりにも生々しすぎた。今だって、夢の中で見た光景を、鮮明かつ詳細に思い出せる。薔薇水晶は、なんとなく、キツネに摘まれた気分だった。気分が落ち着くにつれて、段々と、周囲の環境を探る余裕が出てきた。微かに鼻腔を刺激する、薬品の臭い。アイボリーを基調とした、簡素な空間。どうやら、保健室のベッドに寝かされていたらしいと推察した薔薇水晶は、半身を起こそうとして、激しい頭痛と、眩暈に襲われた。貧血とは違う様だが、目の前が夕暮れを思わせる程に暗転して、頭がクラクラする。結局、薔薇水晶は諦めて、固めの枕に深々と頭を沈めた。「無理して起きない方が良いよ。さっき体温を計ったら、だいぶ熱があったから」「…………私……どうして……」「キミは屋上で倒れてたんだよ。雨の中でね。 ジュン君が見付けてくれなかったら、きっと今も、雨ざらしになってた筈だよ」雨に濡れていた薔薇水晶の髪は、蒼星石のお陰で、すっかり乾いている。たっぷりと雨水を吸い込んだ制服は脱がされて、今は二枚の下着のみの姿だった。女の子同士とは言え、あられもない姿を見られた事が気恥ずかしくて、薔薇水晶はシーツの下で脚を擦り止せ、もそもそと身悶えした。朱に染まった頬を見て、発熱に因るものと早合点した蒼星石が、医薬品の収められた棚から『熱冷まシート』を持ち出してきて、薔薇水晶の額にペタンと貼り付けた。だが、口元に浮かべた微笑みに相反して、蒼星石の眼差しは鋭い。彼女の様子から、薔薇水晶は何らかの詰問がくるものと確信した。「なにがあったの? まさか、自殺とか……バカなこと考えてたんじゃあないよね?」「違うよ……そんなんじゃない」即座に否定する薔薇水晶に、蒼星石も質問を畳みかける。「だったら何故、授業時間中に、屋上なんかに居たのさ」「…………だって」薔薇水晶は、蒼星石に注いでいた視線を逸らして、窓の外を見遣った。静まり返った室内で、窓を打つ雨の音だけが、ぱらぱらと時を刻む。ガラス越しに流れ落ちる滴に、今も心で流し続けている涙を重ねて、小さく吐息。吹き付ける風で、がたがたと揺れる窓を眺め続けて、数秒。薔薇水晶は、キュッと唇を噛んで、ぽつりと呟いた。「あんな教室には……居たくなかったから」強い口調で紡ぎ出された、彼女の本音。あからさまな嫌がらせは段々と減ってきているが、あくまで表向きのことだった。目の届かない陰では、心ない連中に、どんな事をされているのか。登下校の道すがら、擦れ違う人々に、どんな事を囁かれているのか。当事者である薔薇水晶は、蒼星石たちが想像する以上に、辛い目に遭っているのだろう。そして、独り、小さな身体に莫大な精神的苦痛を押し込めて、じっと堪えている。蒼星石は、ただ薔薇水晶の側に居て、支えてあげることしか出来ない自分の非力が歯痒かった。それは多分、他の友人たちも抱いている共通の感情だった。重苦しい空気に包まれて、言葉を失う二人。耳に届くのは雨だれと、扉や窓から侵入してくる湿った隙間風の悲鳴だけ。今にも窒息するかと思われた矢先、保健室の扉が開かれ、威勢の良い声が室内に響いた。「蒼星石ー、薔薇しぃの着替えと荷物を持って来たですよ」その言葉どおり、翠星石は薔薇水晶のジャージと体操着、鞄を抱えていた。薔薇水晶が目覚めていると気付くや、足音を響かせてベッド脇に歩み寄り、腹立たしげに着替え一式を荒っぽく放り出した。そして、腰に手を当て、威圧的に薔薇水晶を促した。「なに、ボサッとしてるです! さっさと着替えやがれですっ!」「ちょっと……やめなよ、姉さん。ごめんね、薔薇しぃ。 今、ジュン君が保健の先生と一緒に、早退の連絡をしに職員室へ行ってるんだよ。 迎えの人が来るまでに、帰り支度を済ませちゃわないとね。手伝おうか?」「着替えくらい……独りで出来るよ」薔薇水晶は熱が引き起こす目眩に堪えながら、翠星石と蒼星石の助力を断り、手早く着替えを済ませた。程なくして、車で乗り付けた執事の青年に連れられて、薔薇水晶は帰って行った。翠星石と蒼星石、ジュンの三人は昇降口まで赴いて、雨に霞む校門を出て行く車のテールランプを見送っていた。「薔薇しぃの軽挙妄動には、腹が立つですよ。まったく……心配させやがるです」「心労が嵩んでいたんだよ、きっと。眠ってる時も、だいぶ魘されてたからね」「無理もないさ。早く、元気になってくれれば良いけどな」翠星石と蒼星石の呟きに、ジュンは相槌を打った。どれだけ精神的に強い者だろうと、彼女と同じ境遇に陥れば気疲れしない訳がない。最悪、鬱状態に陥り、このまま引き籠もってしまうことだって……。「取り敢えず、今夜にでも電話して、元気づけてみるよ」その時にかける言葉を探しながら、ジュンは双子の姉妹を残して、教室へと引き返していった。家路を急ぐ高級セダンの、柔らかなリアシートに深々と身体を預けて、薔薇水晶は難儀そうに吐息した。頬が熱い。身体が火照っている。にも拘わらず、一滴の汗も出ていなかった。喉もカラカラだ。クラクラする感覚は、まるで波間に漂う小舟に乗せられているみたい。「お嬢さま。お加減は、いかがですか?」執事の青年、白崎が、ルームミラーを介して薔薇水晶を見つめていた。怜悧そうな切れ長の眼差し。知性を感じさせる、広い額。実際、外見に違わず、彼は優秀な人間だった。七年前、身内を失った白崎を、父が引き取ってからは、その恩義に報いるべく尽くしている。薔薇水晶と十も歳が離れていない若輩ながら、自らに科せられた役割を理解し、演じ続けていた。そんな彼のことを、薔薇水晶は出会ったときから、如才ない男だと思っていた。だが、それで嫌悪感を抱くような事は一切なく、寧ろ、その逆。他愛ない質問をしても、いつだって親身になって応じてくれる白崎に対して、薔薇水晶は実兄に寄せるような信頼と親近感を抱いていた。――恐らくは、雪華綺晶も。さっきの生々しい夢が脳裏を離れない。だから、薔薇水晶は白崎に話してみようと思った。彼はいつでも、問題を解決する糸口を差し出してくれるから。拍子抜けするほど、アッサリと。「ねえ。白崎さんは…………夢を見る?」「勿論ですとも。夢は現実世界の継続であり、願望の充足なのですから。 言うなれば、自己防衛というものでしょうか。 様々なストレスから魂を解放する為の、必要不可欠な作業なのです」「ふぅん? 白崎さんでも、ストレスを感じたりするの?」「それは……ヒドイ言い種ですねぇ。僕だってストレスぐらい感じますとも」勿論、それは解っていた。彼だって、妹にも等しい雪華綺晶が行方不明になって、心配している筈なのだ。執事の役を演じて、飄々と受け答えしていても、きっと。途切れる、二人の会話。だが、彼の言葉は、彼女の期待を裏切らなかった。 夢は現実世界の継続であり、願望の充足。 様々なストレスから魂を解放する、必要不可欠な作業。さっき、保健室で見た夢もまた、極度のストレスから逃れたい欲求が見せた、幻想だったのかも知れない。自分が救われるために、姉と友人の無事を祈り、世間の嫌疑を晴らしたいがために、彼女たちの帰還を願った。全ては、自己満足のため。ああ……なんて卑しく、浅ましい性根。薔薇水晶は溜息を吐いて、車窓を叩く雨を物憂げに眺めた。そんな彼女の横顔を、白崎が、鏡の中から観察している事に気付きもせず。同じ頃――雪華綺晶は横たわったまま、巴の身体を撫で回して、その滑らかな肌の感触を愉しんでいた。汗も掻かないし、新陳代謝によって垢が浮くこともない、汚れを知らない乙女の柔肌。喜ばしいことに、巴の身体は、柔らかさを取り戻しつつあった。眠りに就いた時には、まだ硬直していたのに、今や関節を動かすことも思いのままだ。もしかして、マッサージのお陰? なんて茶目っ気を見せながら、じっくりと慈しむ。ここ最近、求めても得られなかった触感を、心ゆくまで堪能しながら……。室温の高さも影響して、巴の身体は急速に死後硬直から抜け出し、軟化が始まっていた。少しばかり饐えた臭いが漂いだしていたが、雪華綺晶の発する汗の臭いに紛れて、どちらから放たれる臭気なのか、区別が付かなくなっていた。「ああぁ……ステキ♪ なんて素敵なんですの、貴女は。どんな時も凛として――美しい。 出会った時からずっと、貴女の美貌は……私の心を掴んで放さないのですわ」雪華綺晶は、携帯電話のバックライトに浮かび上がる巴の横顔を、ぼんやりと眺めながら、彼女の頬に指先を這わせて、顎の先まで、ゆっくりと撫で上げていった。たったそれだけの行為なのに、愛おしさで胸が張り裂けそうだった。もっと触れたい。もっと近付きたい。いっそ――ひとつになってしまいたい。けれど、彼女の想いは長続きしない。身体が鉛のように重く……動かない。動きたくない。空腹と疲労、薄くなっていく酸素量が、動き回ろうという意欲を、彼女から奪っていた。毎日、毎日……何もかもが億劫で、寝ても醒めても横臥したまま。身動きするのは精々、床擦れしないように寝返りを打つ時か、ささやかに巴を愛おしむ時だけ。しかし、物憂げな彼女の瞳が、突如として意欲の光を宿した。「……折角、動かせるようになったんですもの。たまには、着せ替え遊びをしましょうか」肘を突き、久方ぶりに身体を起こした雪華綺晶は、巴の頸の下に腕を潜り込ませて、壊れ物を扱うが如く、静かに抱え起こした。後頭部が枕を離れると、巴の頭は仰け反って、白磁のような喉元が露わになった。「あぅ……この眺めは、なかなかに扇情的ですわねぇ」雪華綺晶は、巴の喉に吸い付いて貪りたくなる衝動を抑え、抱き起こす腕に力を込めた。起こされるにつれて、反っていた頭が、がくり……と前に倒れる。その瞬間、雪華綺晶は見てしまった。白く、艶めかしい巴の首筋に現れた、黒ずんだ斑紋を。汚れが付着しているのかと、指先で擦ってみたが、落ちるどころか薄れもしない。唾液で指先を濡らして再び試みるも、結果は変わらず。更に良く確かめるべく、携帯電話を掴んで、巴の首筋を照らしたところ――「ひいっ!」未だ嘗て目にしたことがない、おぞましい光景が、雪華綺晶の目の前に、さらけ出された。首筋に浮かんだ黒い斑紋と同じモノが、巴の背中を、びっしりと埋め尽くしていたのだ。いわゆる、死斑と呼ばれる穢れの烙印は、よくよく見れば背中だけに留まらず、脇の下や太股の裏側、脹ら脛にまで、点々と刻み込まれていた。「あ……ああ…………うあああああっ!」雪華綺晶の喉から迸る、畏怖と驚愕、嫌悪と絶望が綯い交ぜになった叫び。こんな事、あってはならない。絶対に、許容してはならない。だが……『時』という現実は片時も休むことなく、冷酷に、無垢なる存在を犯していく。「……止めて…………止めて止めてっ! 私の巴を汚さないでっ!」血を吐くような叫び声をあげても、自然の摂理という蛮行は止まらない。目の前で、今も尚、巴が蹂躙され続けている。雪華綺晶にしてみれば、それは最早、神聖への冒涜。単なる犯罪行為にしか見えなかった。壊されていく。追い求めて、やっと手に入れた宝物が、為す術もなく略奪されていく。なのに、自分は犯行現場に立ち会っていながら、何の抵抗も出来ない。案山子みたいに突っ立って、ただただ指を銜えて、呆然と眺めているだけ。「私は、なんて無力で――無様なんでしょう」雪華綺晶は、敗北感に打ちひしがれながら、慟哭した。狭い地下室に、彼女の泣き声だけが、えんえんと響く。その、ほんの僅かな合間に―― 木偶の棒なのね……あなたは。 わたしを護ってくれるんじゃなかったの? うそつき。巴の呟きが聞こえた気がして、雪華綺晶は我に返った。……そうだった。なぜ、言われるまで気付かなかったのだろう。彼女の美しさを護れるのは、自分だけ。自分にのみ与えられた天職ではないか!雪華綺晶は琥珀色の瞳を爛々と輝かせて、穢れから巴を護る術を模索し始めた。巴という造形美を、永久に不可侵のものとする為の、最も効果的な手段を―― ~第十四回に続く~
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