第二十八話 JUMとスパ
「一つ屋根の下 第二十八話 JUMとスパ」
「あ~~~……気持ちいいぃ~~~~……」僕は、ホテルのスパでうたせ湯にあたっていた。あの後、一応病院には連れて行かれたが差し当たって異常もなかったので、こうしてホテルで昨日の話どおりにスパにいるわけだ。「うたせ湯といえば、修行かしらー!」カナ姉ちゃんが隣で胡坐をかきながら、胸の前で手の平を合わせ、俗に言う滝に打たれてる修行僧みたな事をしている。さすがはカナ姉ちゃん。今時小学生の男子でもやりそうにない事を平然とやってのける!そこに痺れる、憧れ……ないよ。まぁ、カナ姉ちゃんらしいっちゃらしいけど。「JUM……これね、腰にあてても気持ちいいよ……」逆隣では、何故か薔薇姉ちゃんが四つん這いで腰に打たせ湯を当てていた。「ぶはっ!ちょっと、薔薇姉ちゃん。そのカッコは……」「ん?……ちょっとエッチかな…?何ならJUMがこのまま後ろから……」僕は思わず薔薇姉ちゃんから目を逸らす。四つん這いの薔薇姉ちゃんは余りに刺激が強すぎる。そう、何せただでさえ水着なんて薄着なんだから。姉ちゃんも……まぁ、僕も。「腰が気持ちいいならお腹も気持ちいいかもかしら~。」カナ姉ちゃんは逆に仰向けになってうたせ湯をお腹に受けていた。「いたたたたた!!!お腹は痛いかしらー!」もっとも、数秒後にはギブアップしていたようだが。
「あ、JUM。こっちにいらっしゃいな~。」うたせ湯から離れて歩いてると、キラ姉ちゃんが僕を呼んだ。そっちに行くとキラ姉ちゃんはジャグジーに入っていた。僕もその中に入る。「うはぁ……このボコボコが何とも言えないね。」「そうですわね。気持ちいいですわ。それに………」スススッとキラ姉ちゃんが僕に寄ってきたと思えば、お湯の中で僕の体を抱きしめた。キラ姉ちゃんの胸が僕の体に当たる。銀姉ちゃんほどじゃないけど、姉妹で2番目だ。破壊力は高い。「ちょ、ちょっとキラ姉ちゃん!?」「あら?何ですか?私、ジャグジーの泡で全く見えませんわ。ですから、JUMが私に何かしても全く見えないですし、問題ありませんわよ?」キラ姉ちゃんがニヤニヤしながら言う。どこか銀姉ちゃんの影が見えるなぁ・・・キラ姉ちゃんの肌はスベスベしてて、柔らかい。その肌が今正に僕の全身に触れている感じだった。「ふふっ、私も姉妹に遅ればっかり取る訳にはいきません。食べ物に釣られると思ったら間違いですわ。」あ、違ったんだ。僕はてっきり………「マッ○や吉○家奢る位では、私のJUMに対する想いは阻めませんわ!」声高にそんな事を言う。○ックや吉野○って比較的ジャンクフードなんじゃ……「ははっ……じゃあ、今日の夜のバイキングと僕だったら?」僕は興味本位でそんな事を聞く。でも、答えを聞くと何か無性に落ち込んだ。「バイキングですわ!!」キラ姉ちゃんがグッと拳を握りながら言った。
「ふぅ……そろそろ出るか。またのぼせたら恥ずかしいしな。」僕が出口に向かってペタペタと歩く。すると、前から翠姉ちゃんと蒼姉ちゃんが来た。「お?JUM、もう出るですか?」「うん、そろそろ暑いしね。二人は何してたのさ?」「岩盤浴だよ。たくさん汗かいてきたから、水風呂入ろうかなって。」蒼姉ちゃんが説明してくれる。岩盤浴ってあれか。最近流行ってる。何でも、あれだけで相当カロリーが消費できるとかテレビでやってたな。「ああ、テレビでやってた奴ね。どうだった?」「うん、気持ちよかったよ。お肌も綺麗になったし……えっと…ほら…」蒼姉ちゃんは僕の手を掴むと自分の頬に当てる。僕の手にサラッと蒼姉ちゃんの髪が当たって流れる。触れた肌は、綺麗だった。ツルツルスベスベで頬のせいか程好く弾力もある。「えへへ……どうかな?」体温が上がっているせいか、蒼姉ちゃんの頬が赤い。「うん、僕はよく分からないけどスベスベしてて綺麗だと思うよ。」「へへっ、ありがとうJUM君。」そんな僕と蒼姉ちゃんのやり取りを隣の翠姉ちゃんは面白くなさそうに眺めていた。「む~~……J、JUM!翠星石のお肌も綺麗ですよ。さ、触りてぇですか?JUMが土下座するなら触らせてやらない事もないですぅ。」「へ?いや、別に。蒼姉ちゃんので分かったし。」「う……ええい、触らせてやるって言ってるですぅ!ほらぁ!」さっきと言ってる事違いません?それに、それ下手したら痴女だよ姉ちゃん。翠姉ちゃんが僕の手を引っ張る。その勢いが強すぎたんだろう……僕の手は翠姉ちゃんの胸を掴んでいた。
何ていうのかな。ソコは柔らかいとかマシュマロみたいとか表現されるけど。なんて言うか、ぷにぽにょ~んて感じだった。うん、ぷにぽにょーん。まぁ、要するに……僕の手は翠姉ちゃんの胸を触り、あまつさえこれも不可抗力だが、少しだけ。そう、少しだけ……揉んだ。「き…………」「いや、これは翠姉ちゃんが……」「きぃいいいいやああああああ!!!」次の瞬間ビンタが僕の顔に命中する。ああ、夕方真紅姉ちゃんに絆ックルを貰ったばかりなのに。「うぅ、JUMにまた汚されたですぅ!前回裸見られた(10話参照)ばかりか、今回はむ、む、胸まで触られたですぅ。触られたなんてもんじゃねぇですぅ。揉まれたですぅ!!変態です、鬼畜です、テクニシャンですぅ!」酷い言われようだ。しかも、今回も前回も明らかに不可抗力……まぁ、前回は多少悪いかもだけど。翠姉ちゃんは胸を押さえて、床にペタリと座りながら顔を伏せて泣いている……フリだと思うけど。「ぐすっ、もう翠星石はJUMに汚されまくりですぅ。」人聞き悪すぎます。他のお客さんが何事かと僕らをジロジロ見ている。さすがに、これは不味い。「あー……翠姉ちゃん。僕が悪かったから。だから、泣き止んで。ね?」僕はなだめる様に翠姉ちゃんに言う。しかし、一向に翠姉ちゃんは顔をあげない。マジで泣いてるのか?「ぐすっ……責任とりやがれ…ですぅ。」はぁ、と僕は溜息をつく。ああ、結局この流れになるんだろうなぁ。「……分かりましたよ。何なりとお申し付け下さい。お姫様?」「うん……じゃあ……」
でだ。スパの後、食事を取り今日は海で沢山遊んだせいかみんな疲れてたんだろう。今日はみんな速攻で布団でスヤスヤ寝息を立てている。今日も布団は8つしかない。僕はどうしてるかって?昨日は全身を姉ちゃんに達に掴まれていた。が、今日は違った。「JUM、もっと抱きしめやがれです。」僕の腕の中で翠姉ちゃんが小声で言う。一応、寝てるみんなに配慮してるんだろう。「はいはい……いいの?僕に触られると汚れるんじゃないの?」「う…す、翠星石はもうJUMに汚された後だから仕方ないんですぅ。分かったら口答えするなですぅ。」翠姉ちゃんはそんな事を言う。僕は言われたとおり翠姉ちゃんを強く抱きしめる。僕の胸と翠姉ちゃんの胸が密着し、体温が伝わっていく。「んんッ…そうですぅ……JUM…」翠姉ちゃんのシャンプーの香りが僕の鼻をつく。甘くていい匂いだ。「JUM……JUMにとって薔薇しーは…特別な存在ですか?」「薔薇姉ちゃん?何でさ?」「答えるです。拒否権はねぇですよ?」「ん…そうだなぁ。やっぱり、一緒に養子になったからね。翠姉ちゃんと蒼姉ちゃんに似てるかも。でも、だからって薔薇姉ちゃんだけが特別って訳じゃないよ。僕にとっては翠姉ちゃんも特別な存在だから…」「そうですか……まぁ、今はそれで勘弁しといてやるですよ。」翠姉ちゃんはそう言う。そして、しばらくすると僕の顔に顔を近づけてきた。目は閉じられている。「す、翠姉ちゃん!?……って…寝てるのか……」翠姉ちゃんはスースーと寝息を立てている。その寝顔は何時もの天邪鬼ではなく可愛らしい少女だった。僕は、その天邪鬼のオデコに軽くキスをすると目を瞑って闇の中に意識を落とした。「……全く、甲斐性ねえです…こういう時は唇にキスするもんですよ?でも…大好きですぅ…JUM。」意識が落ちる直前…そんな声が聞こえた気がした。END
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