第十八話 JUMと思春期
「一つ屋根の下 第十八話 JUMと思春期」
「はぁはぁはぁはぁはぁ・・・・・」僕はこの日、急いで家路へ向かっていた。というのも、正直命が危ないからだ。先日、べジータが僕の家に荷物を持って遊びに来た。しかし、帰るときには荷物は消えていた。そして・・・・今日奴は言った。「JUM、お前ドレが好みだった?」「は?言ってる意味が分からないんだけど?」べジータはニヤリとする。僕はとても嫌な予感がした。そう、ある意味命に関わるような・・・・「よし、教えてやろう・・・昨日俺はお前の家に荷物を持って行ったな?」「ん?ああ。そういえば帰りには荷物なかったな。あれがどうしたんだ?」「ああ・・・あれをお前のベッドの下に隠しておいた。」「何だ、それだけかよ。くだらねぇ・・・早く取りに来いよ?」杞憂だったのだろうか。僕は荷物を引っつかみ帰ろうとする。しかし、べジータがそれを阻んだ。「待て・・・JUM、あの中身が知りたくないのか?」「別に。どうせお前が衝動買いしたゲームとかだろ?あ、何なら僕が先にやっちまうよ?」「エロ本だ。」・・・・・はい?今なんて言いやがりましたか?このハゲは。「すまん、もう一回。」「エロ本だ。エロ本。それも俺が厳選したもうすっごい奴・・・・・ぶべらぁ!!!」僕はベジータを殴り倒して走った。そんなのが部屋掃除した姉ちゃんに見つかったら・・・走れ!走るんだ僕!「ふっ・・・ここからが本当の地獄だぜ?JUM・・・・」
「~~~♪~~~♪」しかし、JUMの努力も空しく、JUMの部屋は翠星石が掃除していた。鼻歌なんて歌いながら上機嫌だ。「・・・JUMのベッド・・・枕・・・ぎゅっ・・・・・はぅ・・・JUMの匂い・・・」姉さん、それはどうかと思いますよ?翠星石はJUMのベッドの上で枕を抱きしめていた。「って・・・翠星石は変態さんですか・・・こんなの誰かに見られたら破滅ですぅ。とっとと掃除を・・・あら?」翠星石が掃除機をベッドの下へ突っ込むと何か違和感を感じた。ついつい手を伸ばす。そこには、何か本のようなモノが入っていると思わしきバッグがあった。「?何ですかコレ?JUMこんなの持ってたですかね・・・ええっと・・・中身は・・・」翠星石がバッグのチャックを開く。ドサドサッと音と共に現れた本。それは・・・エロ本だった。「き・・・・きぃいいいいやああああああああああああああああ!!!!!」翠星石の悲鳴に他の姉妹も駆けつける。そして、JUMの部屋にばら撒かれた本を見て戦慄した。そう、水銀燈以外。「こ・・・これは・・・JUM・・・帰ったらお仕置きなのだわ・・・」真紅の目に炎が宿り、右腕に握り拳を作る。「ねぇ、カナ。何でこの人たち服脱いでるの?暑いのなの?」「カ、カナは知らないかしら~。それがエッチな本でJUMの御飯だなんて知らないかしらー!」罪なほど無邪気な雛苺に、意味を知ってか知らずか動揺する金糸雀。「JUMの好きなオカズをチェックですわ!」「JUMの好みのプレイをチェック・・・・」そして、読み漁るキラ薔薇コンビ。「でも・・・JUM君がこんなの持ってるなんて・・・ショックかも・・・」蒼星石はなるべくエロ本を見ないように言った。「全くです!こんな夢みたいな環境に居ながら・・・じゃなくて・・・ええと・・・けしからんです!!」「ショックゥ?貴方達温いわねぇ・・・単なる偏見よぉ?」プリプリする翠星石とショックを隠しきれない蒼星石に水銀燈が言った。
「へ、偏見って・・・水銀燈は・・・その・・・ショックじゃないの・・・?」「別にぃ?JUMだって年頃の男の子よぉ。むしろ、健全じゃなぁい?そ・れ・に♪」水銀燈はサーッとばら撒かれたエロ本を見る。そして、各姉妹の下に一冊ずつおいた。「な、な、なんのつもり水銀燈!?」「全部で9冊でしょぉ?JUMの性癖が分かるいいチャンスとおもってぇ♪きっと、JUMはそれを見ながら私達に当てはめて夜な夜なあんな事してるんだわぁ。」まぁ、実際はべジータが持ってきた奴なんだが・・・水銀燈はそれを知る由はない。ちなみに、各自に配られた本は、水銀燈には「きょぬー大好き」。金糸雀には「デココン通信」。翠星石には「ツンデレ大全集」。蒼星石には「僕っ子萌え」。真紅には「ひんぬうラバー」。雛苺には「ロリロリすとろべりぃ」。雪華綺晶には「美味しんぼ」。薔薇水晶には「不思議ちゃんはいいものだ。」だった。多分・・・雪華綺晶のはべジータが間違えたんだろう。「くっ・・・貧乳貧乳貧乳貧乳・・・・バカみたいなのだわ。」「あらぁ?真紅、こう考えるのよぉ?JUMはむしろ真紅は貧乳のほうがいいってぇ。だからそんな本も持ってるのぉ。ま、一番は水銀燈だけどぉ~。」「確かにそうなのだわ・・・でも他にもあるんじゃ・・・」水銀燈に丸め込まれた真紅。明らかに騙されてます。「そういえば水銀燈?9冊と言ったわね?最後の一冊は何なのですか?」雪華綺晶が美味しんぼを読みながら言う。順応力の高い人だ。「ええ・・・私はこれがあったから確信したのぉ・・・そう・・・これよ!!!!」バッとその本のタイトルを姉妹に見せる。姉妹の目がそのタイトルに釘付けになった。「こ・・・・これは・・・・!!!!」
「ただいま!!!」僕は急いで部屋に向かった。誰もいない、誰も見つけてない。それを祈って。「あらぁ、お帰りなさぁい、JUM。」そして、僕の願いは銀姉ちゃんの声に打ち砕かれた。部屋に入る。そこは何とも有り得ない光景だった。「・・・・・・姉ちゃん・・・・?」姉ちゃん達は、1冊のエロ・・・エロ本を持って僕を見つめていた。そして、次々にこう言った。「JUM、水銀燈の胸はJUMだけのものよぉ・・・だ・か・ら・好きにしていいのよぉ♪」「JUMはカナのオデコの魅力にメロメロかしら~!」「す、翠星石はツンデレとかってのじゃねーですぅ!で、でもJUMが好きなら・・その・・・な、何でもねーですぅ!」「JUM君は・・・こんな僕でも・・・いいんだよね?」「J、JUM。まぁ、貴方がそこまで言うのならその・・・バストアップ体操もやめてあげるのだわ。」「うよ・・・ヒナよく分からないけど・・・一緒に裸になるのー!」「JUM、私と海原○山を越えるのですわ!!」「JUM・・・私は不思議ちゃんじゃない・・・でも・・・JUMが好きなら・・・コ○ン星から来た事にするよ・・・?」僕は一気に頭がこんがらがった。まずさ、何この状況?そして、何を言ってるわけ?「いやさ、言ってる意味が・・・」「分かってるわぁ、JUM。貴方の本当の趣味・・・これなんでしょぉ?」銀姉ちゃんが掲げたエロ本のタイトル。それは・・・『好き好きお姉ちゃん大好き!』だった。僕は眩暈がした。「さぁ、みんなぁ!思春期のJUMの為に人肌脱ぐわよぉ!」「え?ちょ?やめ・・・い、いやあああああああああああああああ!!!!」その後の記憶がありません。でも、一個だけ覚えてます・・・とりあえずべジータは殴っとこう・・・今の僕はきっと完全体のセルよりも強い・・・END
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