~第11話 作戦会議~
金糸雀は自分に良い考えがあると名乗り出た。金「薔薇学園一の頭脳派、この金糸雀にお任せかしら~」ジ「え~っと、他に何か意見のある人いるかい?」金「ちょっと、カナの話はまだ終わってないかしら!」ジ「なら早く言ってくれ」ジュンや薔薇乙女達も呆れた表情だった。金「コホン!カナの作戦はまず囮をつくるかしら。そしてその囮が密かにみんなに情報を与え、梅岡の隙をついてみんなで襲撃!まさしく楽してズルして梅岡の命を頂戴かしら~」ジ「誰が囮になるんだ?」金「へっ?」ジ「誰が囮になってみんなに情報を与えるんだ?」やはり金糸雀だった。作戦を思いついたのは良かったのだが、配役までは考えていなかったようだ。金「ジ、ジャンケンで決めるかしら~」一同「はぁっ~」みんなため息をつきながらジャンケンをした。全員「ジャンケン、ポン!」結局、負けたのは雪華綺晶だった。
雪「うっうっ、どうして私が…」ジ「がんばれよ雪華綺晶!」雪「ジュン君!私ジュン君と離れたくありません」雪華綺晶はジュンの袖を掴みながら言った。ジ「雪華綺晶…」真「…隅に置けないわね」水「なぁ~るほど、同情を誘うわけねぇ」翠「雪華綺晶、甘えてもダメですぅ」蒼「運も実力の内さ」金「がんばるかしら」雛「雪華綺晶、がんばるのー」薔「……ライバル…」雪「うっうっ、そんなぁ~」結局、雪華綺晶が囮の役をやることになった。この作戦は明日の朝に実行されることにした。今日は疲れたということでゆっくり休むことになった。時間は午後8時。外は満月だった。屋敷の中も月の光が差し込んでいた。薔薇乙女達は部屋でトランプをしていた。
雛「みんなで大富豪でもやるの~」水「あらぁ、良いわねぇ」翠「翠星石はいつも大富豪になるから、手加減してやるですぅ」蒼「超大貧民になったところしか見たこと無い気がする」金「カナの策略の前に敵は無しかしら~」薔「階段シバリ…してやる…」雪「それだけは勘弁してね」真「うるさいわね!静かにしなさい」雛「真紅はやらないの~??」真「そんな子供騙しやるわけないでしょ!」翠「ぷっ、きっとルールを知らないですぅ」水「真紅はきっと自分の胸と同じような貧民になりたくないのよぉ~」真「なんですって~!やってやろうじゃないの!」ジ「昼はあんなことあったのにみんな元気だなァ」ジュンは窓から満月を見ながら独り言を呟いていた。ジ「そういえば、梅岡は満月がどうとか言ってたな。満月になると何か起こるのか?」ジュンは嫌な予感がしていた。その時、屋敷中に狼の鳴き声が鳴り響いた。ウオオォォ~ン!ワオオォォ~ン!全員「!!!」薔薇乙女達はすぐにトランプを止めた。ジ「廊下からか!?」ジュンは廊下に飛び出した。廊下には誰もいなかった。ジ「どこから聞こえたんだ?下の階からか?」真「今の鳴き声は?」薔薇乙女達も部屋から出てきた。
ジ「分からない。だが下の階から聞こえてきた気がする」雪「下の階まで行ってみますか?」ジ「よし、様子だけ見に行こう」ジュンを先頭に全員下の階へ行った。相変わらず、3~5階は無人で何もなかった。ジ「あとは梅岡のいた2階だけか…」ジュン達は恐る恐る2階へ降りていった。2階はシ~ンとしていた。ジ「梅岡もいないのか?」そう思いながら歩いていくと前に人影が現れた。ジ「ついに出たか!」真「次は負けないわ」水「今度は手加減しないわよぉ」みんなが武器などを構え、戦う準備をした。しかし人影の正体はあの兎だった。ジ「またあの兎か…」兎「あの兎とはなんですか。せっかく、貴方達に情報を与えようとしましたのに」ジ「情報?なんだそれは?」兎「今ご主人様に近づかない方が身のためですよ」ジ「どういう意味だ?」兎「念のため貴方達に伝えておきますがあの方は狼男なのです」全員「狼男!?」兎「そうです。満月になると狼男になり暴れてしまいます。一応、理性はありますけどね」ジ「なんでそんなことをわざわざ僕達に教えたんだ?」兎「実は貴方達にあの方を倒して欲しいと思いまして」全員「!!」
兎「私もウンザリしています。あの方のせいで私は殺人の手助けをしてしまいました。私もこんな仕事をやらされるとは聞いてもいませんでした。どうかお願いします。あの方を倒してください。あの方を倒せばこの屋敷から出られます」薔薇乙女達は兎を疑っているようだった。しかし、ジュンは少し考えてから頷いた。ジ「……分かった」一同「ジュン!」兎「おぉ、ありがとうございます。ではお願いします。ピンチの時にはこの私がお助けしますので。ではっ!」そう言うと兎は消えてしまった。真「ジュン、なんであの兎の言うことを聞いてしまったの?主人である私の言うことは聞かないくせに」水「ジュンはやっぱり優しいのねぇ~」翠「ちび人間はお人よしですぅ~」蒼「ジュン君どうして…」雛「うにゅ~、よく分からなかったの~」金「いよいよカナの策略を使う時が来たのかしら~」薔「いよいよ終止符を打つのね…」雪「結局あの作戦を使うのですか~?(半泣)」ジ「まぁ、あの兎も悪い奴じゃないさ。それより今行くか?それとも明日にするか?」金「もちろん、明日に…真「今から行きましょ!」金「真紅?」真「いよいよ大詰めよ!」水「今度こそ負けないわぁ~」金「でも、カナの作戦は?」翠「誰もマヌケな策士の作戦なんか期待してないですぅ」金「ガ━━(゜ロ゜;)━━ン」
蒼「さぁ、心の準備はOKかい?」雛「ヒナもがんばるの~」薔「早く脱出して…ジュンと…(キャッ」雪「ホッ。囮にならなくて良かった…」ジ「よし、行くぞ!」一同「おーっ!」9人の勇姿たちが今前進していった。次回~満月は狼男の日~に続く
このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー と 利用規約 が適用されます。
1文字以上入力してください
本文は少なくとも1文字以上必要です。
1文字以上入力してください。