『Lelien Maiden』
翠「起きるです・・・朝です!」蒼「ん~・・・」翠「ほ~ら、起きるです・・・。」蒼星石のおでこに唇を落とす・・・蒼星石はプリンセスのようにゆるゆると瞼を開けた・・・蒼「おはよう・・・」蒼星石は翠星石の頭に手を回し抱き寄せる翠「寝ぼけてるですか・・・ひゃっ!」耳に息を吹きかけられくすぐったさで体がヒクリと反応する蒼「耳・・・弱いよね・・・。」翠「ん・・・はぁ・・・やめるです蒼星石!」蒼「ええ・・・いいじゃない・・・。」翠「ひうっ!・・・学校に遅刻するですよ!!」蒼「はいはい・・・。」
蒼「おはよう。」水「おはよう・・・蒼星石。」不意に後ろから抱きすくめられる水「今日も素敵だわぁ・・・。」サラサラと柔らかな髪を指先で遊ばせる翠「水銀燈!私の蒼星石に手を出すなですぅ!」水「いいじゃなぁい・・・姉妹なんだから。」蒼「けど・・・あっちも怒ってるみたいだけど・・・。」指差した方にはなんとも複雑な顔をしている薔薇水晶が・・・薔「(私の銀ねえさまなのに・・・私の、銀ねえさまなのに・・・)」水「あぁん・・・そんな顔しないでぇ・・・薔薇水晶。」薔「だって・・・銀ねえさまが・・・。」慌てて横に行く水銀燈・・・上手く慰められたようだ・・・。
蒼「おはよう・・・真紅。」真「おはよう・・・朝から熱いわね。まったくもっと節度のある接し方は出来ないの?」蒼「いいんじゃないかな・・・水銀燈も言ったけど・・・姉妹だし。」真「だからこそよ・・・。いずれにしてももう少し控えて欲しいのだわ・・・」蒼「そんな事言って・・・昔は真紅が一番べったりだったじゃないか・・・。」真「//////昔は昔なのだわ・・・。」本当は一番情が強いくせに・・・素直じゃない・・・そこが可愛い所でもあるのだが・・・。蒼「雛苺と金糸雀は?」真「いつもの通りよ・・・。」蒼「また、服決めで盛り上がってるんだね・・・。」
金「きゃぁ~!!可愛いのかしら雛苺~!」雛「金糸雀もすてきなの~!」ポーズをとってはお互いを誉め合っている金「今日の服はこれで決まりかしら~?」雛「ヒナもこれでいくの~。」金「・・・にしても~。」雛「ふえ?」金糸雀は上から下までジーっと見る金「雛苺はなんでそんなに大きいのかしら~!?」小型でスリムな体形に似合わず胸だけはしっかり出ている・・・というより姉妹で一番でかい・・・雛「ん~・・・分かんない。」金「それに比べて私は・・・。」自分の胸に手を当てる・・・。一番下ではないが大きくはない。雛「そういうのは・・・え~と、人それぞれなの。」金「雛苺・・・」雛「オンリーワンなの~。」ニコッと笑った顔・・・例えるなら純真無垢な天使か・・・金「か・・・可愛いのかしら~!!」雛「カ・・・カナちゃん!ほっぺがまさちゅーせっちゅ!!」
―学校下駄箱を開けると・・・翠「あれ~・・・」蒼「どうしたの・・・」翠「また入ってやがるです・・・。」雛「ラブレターなの~!」蒼「・・・・・・」水「どうするのよ、翠星石w」翠「無視するに決まってますぅ。」真「それはいけないわ・・・付き合うつもりがないならキッチリ断っておくべきよ・・・それが礼儀なのだわ。」翠「まぁ・・・その方が後腐れなさそうですね・・・。」翠星石は深くため息をつき心底嫌そうな顔をする。そして、一人すたすたと教室へ向かってしまった。金「この間ももらってたけどモテモテなのかしら~・・・」蒼「早くしないと・・・予鈴なっちゃうよ・・・。」雛「あ・・・蒼星石ぃ・・・!」金「・・・なんで起こってるのかしらぁ?」水「そりゃぁ・・・いい気分はしないわよぉ・・・ねぇ、薔薇水晶?」薔「・・・うん。」水銀燈はクスクスと笑っていた・・・。
―授業中・・・金「・・・それでね・・・。」雛「くしししし・・・。」梅「こらー、雛苺、金糸雀、私語するな~。」雛「うい~・・・。」金「・・・は~い。」梅「それから、笹塚~。言わなくても分かってると思うが廊下に立っとけ~。」笹「・・・・・・」翠「え~っと・・・あ・・・シャーペンの芯がないですぅ・・・。」筆箱の中にある替え芯もカラだった・・・ちゃんとチェックしておくんだった・・・。翠「・・・蒼星石~・・・シャーペンの芯貸してほしいですぅ・・・」蒼「・・・はい・・・。」翠「ありがとですぅ・・・」蒼「早く・・・前向いたほうがいいよ・・・」翠「・・・なに怒ってるですか・・・?」蒼「別に・・・」梅「翠星石~、お前も廊下立つか~?」翠「・・・(よく、分からんです・・・)」
―昼休み翠「え~っと・・・体育館裏まで・・・ベタ過ぎるですちったぁ変化つけやがれですぅ。」体育館裏に行くと、男子生徒が一人いた。整った顔立ちで背もそこそこある・・・ラブレターなんて古風な手を使う辺り悪い人間じゃなさそうだ。男1「翠星石さん・・・?良かった来てくれて・・・手紙読んでくれた?」翠「一応、読んでやったです。」男1「あの・・・俺・・・。」翠「言っときますけど、私はお前と付き合う気は更々ないです。」男1「え・・・?」流石にそこまで言っては・・・と思えるぐらいに一刀両断翠「それだけ言いに来たです、頑張って他の女でも探す事です。」男1「ちょ・・・ちょっと!!」翠「なんです?まだ何かあるですか・・・?」男1「いや・・・聞くだけでも・・・。」翠「お前の言いたいことは手紙でちゃんと理解したです。その上で付き合わないと言ってるんです。」翠星石の言う事もごもっともだが、この男子生徒はそれだけでは納得しなかった。男1「ちょ・・・ちょっと待ってくれよ!」翠「しつこいです!お前に言う事はないです!!」さっさと立ち去りたいが腕を捕まれ思うように行かない男1「俺が・・・どんな気持ちでいたか・・・。」翠「知らんです!さっさと諦めるです・・・・・・いたっ・・・。」握られたところが痛んだ・・・かなりの力で捕まれている翠「だから・・・離すで・・・」
バシッ!!
蒼「汚い手で翠星石に触れないでくれるかな?」翠「蒼星石・・・来たですか?」蒼「ごめん・・・つけてきちゃった。」男1「お・・・おま・・・。」手が払いのけられたと思ったら、男・・・いや、女子生徒が間に入ってきている・・・。蒼「さっきから翠星石は付き合えないって言ってるよね?」男1「お・・・お前に何の関係が・・・。」蒼「関係・・・あるよ・・・?だって・・・」
蒼「僕達恋人同士だから・・・。」
そう言って翠星石の頬にキスをした後、男子生徒を見てふっと笑う翠「そ・・・蒼星石///」蒼「誰にも渡すつもりはないんだ・・・だから・・・諦めてくれないかな・・・?」男1「諦めって・・・おま・・・女だろ!?」蒼「関係ないよ・・・男だろうが・・・女だろうが・・・。」男1「いや・・・普通は・・・」蒼「僕は翠星石を愛してる・・・その気持ちは誰にも負けない。そして・・・翠星石も僕を愛してくれてる・・・。」翠「・・・///はい・・・ですぅ。」流されて、翠星石は思わず頷く・・・蒼「君が立ち入る隙なんてないんだよ・・・だから・・・」
蒼「さっさと消えてくれないかな?」
翠「助かったです・・・蒼星石・・・。」蒼「・・・・・・・・・」翠「蒼・・・星・・・石?」一瞬だった・・・体を後ろの壁に軽く押し付けられたかと思うと、次の瞬間には・・・二人の唇が重なっていた翠「・・・・・・むっ・・・蒼星石・・・誰か来たらどうするですか・・・!」蒼「構わないよ・・・見せ付けてあげれば・・・君に言い寄る人もいなくなる・・・。」翠「ちょっと・・・蒼星・・・むぅっ・・・。」再び唇が重なる・・・。今度は舌が入ってきた・・・。翠「/////////////////!!!!!!」頭の中が真っ白になった・・・訳が分からない・・・どうしてこんな事を・・・けれど・・・相手は蒼星石だ・・・別の相手だったら蹴り飛ばして半殺しにしてやるが・・・翠「ん・・・むぅ・・・」相手は・・・蒼星石・・・。その感触に恍惚としてくる・・・。気付けば蒼星石の背中に手を回し・・・何かを得ようとするように自らも舌を動かす・・・蒼「ん・・・。」翠「んむ・・・・・・ん・・・。」小さな水音のようなものだけが聞こえる・・・。二人は暫く大人のキスに酔いしれた・・・。
蒼「ふぅ・・・。」蒼星石が離れる・・・。二人の間に唾液の糸が生まれ、プツンと切れる・・・。翠「あ・・・あの・・・。」蒼「ごめん・・・翠星石・・・。」謝りながら、蒼星石は翠星石の肩に頭を預ける・・・。翠「・・・なんであやまるですか・・・?」蒼「・・・あんな事して・・・。」翠「別に怒ってないです・・・むしろ・・・その///」蒼「どうしても・・・嫌だったんだ・・・。」何が嫌なのかは何となく察しがついた・・・。翠「私は・・・蒼星石が一番です・・・。」蒼「ありがとう・・・信じてる・・・信じてるんだ・・・けど・・・。」
君が・・・誰かに告白されるたび・・・そっちに行くんじゃないかと怖かった・・・僕は・・・こんなに翠星石のことが好きなのに・・・だから・・・翠星石に触れたあの人を許せなかった・・・誰にも・・・渡したくない・・・もしも・・・無理に奪おうとする人がいたら・・・僕はその人を殺してしまうかもしれない
翠「・・・助けてくれてありがとうです。」蒼「・・・嫌いにならなかった・・・?」翠「もっと・・・好きになってしまったです・・・。」蒼「良かった・・・。」翠星石の頭をあやすようにぽんぽんと叩く蒼「ごめんね・・・。」翠「まだ、謝るですか・・・?そういうことなら・・・。」蒼星石の頬に両手を添えグイっと自分の方に向ける蒼「翠・・・」今度は翠星石のほうから重ねてきた・・・翠「これで・・・おあいこです///」顔を真っ赤にしている翠星石をみると何だか心が軽くなる・・・蒼「・・・ふふふ・・・そうだね・・・。」二人で顔を見合わせて笑う・・・翠「あっ!!」蒼「ど・・・どうしたの?」翠「皆を待たせてるですぅ!!」蒼「そ・・・それは急がないとね・・・。」
雛「遅いの~!!」金「先に食べ始めちゃったのかしら~。」翠「ごめんです・・・ちょっと色々とあったです。」雛「いろいろ・・・?」蒼「ん・・・まぁ・・・色々とね。」金「なんで、蒼星石が紅くなるのかしら~?」翠「それは、もういいです!真紅たちはいったいどう・・・」蒼「翠星石・・・」蒼星石が指差した先には・・・
木陰の芝生に真紅、水銀燈、薔薇水晶がいた。薔薇水晶は水銀燈の膝枕で眠っている・・・。真「あら・・・話がついたみたいね。」水「蒼星石が一緒のところを見ると、一悶着あったんじゃなぁい?翠星石も大変ねぇ・・・」真「その言い方・・・あなたも経験ありかしら・・・。」水「ふふふ・・・そのおかげでうっとおしいのは無くなったけど・・・。」膝で寝ている薔薇水晶の頭を撫でる・・・。真「その娘もあなたにゾッコンなのだわ・・・。」水「一度言われたわぁ・・・その辺の男には渡せないって・・・。」真「どうしたものかしらね・・・貴女はそれでいいのかしら?」水「そうねぇ・・・。」空を見上げる・・・水「先の事は分からないけど・・・皆大事な妹だけど・・・薔薇水晶だけは特別・・・かも知れないわ・・・。」視線を落とし、眠っている薔薇水晶をいとおしそうな目で見る・・・。水「貴女は・・・?」真「姉妹以上の感情を持つと・・・きっと後で寂しい思いをするのだわ・・・。私は・・・それに耐えられない・・・。」水「そう・・・。」真「けれど・・・。」真紅は水銀燈に寄り添うようにもたれかかる真「・・・貴女とこうしているのは・・・悪い気分じゃないわ・・・。」水「あら・・・光栄だわぁ・・・。」薔「・・・・・・・・・すやすや・・・#」
翠「・・・寝ているはずの薔薇水晶から黒いオーラが出てるのは気のせいですか?」蒼「気のせいだと思うよ・・・うん。」金「真紅と水銀燈はラブラブなのかしら~?」雛「ラブラブなの~。」蒼「ふ・・・二人とも!」万が一薔薇水晶に聞こえてたら殺されかねない・・・雛「うゆ?」金「ん?なにかしら雛苺?」雛「カナちゃん、お口にケチャップついてるの~。」雛苺はそれを指で拭い取りペロリと舐める・・・雛「んふふ~♪」金「ひ・・・雛苺・・・///」金糸雀の顔が見る見る紅くなっていく雛「ん?」金「(こ・・・これは・・・間接キスという奴かしら~///)」多分違う金「(雛苺に乙女の純潔を奪われるなんて一生の不覚かしら~///)」それも違う金「(でも・・・雛苺になら・・・)」雛「?」金糸雀の勘違いは止まらない・・・
―放課後・・・帰り道翠「ん~・・・今日も疲れたですぅ・・・。」真「さっさと帰らないとくんくんが始まるのだわ・・・。」水「薔薇水晶・・・あんまりくっつくと歩きにくいわよぉ・・・。」薔「私は・・・平気。」蒼「今夜は何にするんだい?」薔「シュウ・・・」雛「花丸ハンバーグがいいの~!」金「カナもそれがいいのかしら~。」翠「じゃあ、それに決まりです、材料買って帰るです。」薔「・・・・・・・・・くすん・・・」水「はいはい、私が今度作ってあげるから泣かないの・・・。」薔「・・・・・・///」翠星石と蒼星石はさり気なくてを繋ぎ・・・薔薇水晶は水銀燈にべったり・・・雛苺と金糸雀は楽しくおしゃべり・・・真「(7って・・・2で割り切れないものねぇ・・・)」真紅はふぅとため息をついた・・・。
雛「金糸雀~入るの~。」金「どうぞ~って・・・そのお菓子は何なのかしら~!?」雛「金糸雀とお話しながら食べるの~。」金「そんなことしたら私が水銀燈に怒られてしまう~!?」雛「食べないの?」金「・・・・・・・・・・・・」
ポリポリポリ・・・
金「それで、何の用なの?」雛「ん~特に何もないの~。」金「何もないの・・・?」雛「金糸雀とお話がしたかったの・・・。」金「・・・///(ちょっと照れくさいかしら///)」
金「雛苺・・・あなた、将来何になるつもりかしら?」雛「えっとね・・・うにゅうを作る人~。」金「うにゅう・・・ああ、いちご大福ね・・・。てことは・・・和菓子職人?」雛「金糸雀は何になるの?」金「私は・・・この頭脳を最も生かせるところかしら?」雛「頭脳・・・じゃあじゃあ、ヒナと一緒にうにゅうを作るの~!」金「和菓子職人の何処が頭脳を・・・」雛「そしたら、金糸雀とずっと一緒なの。」金「え・・・?」
雛「ヒナは金糸雀とずっと一緒にいたいの~!」
その言葉を聞いて、目が段々潤んでくる・・・・こんなに自分勝手なのに・・・なんだか無償に
雛「かな・・・りや・・・?」金「雛苺ぉぉぉぉぉ!!雛「ぎゃー!カナちゃんほっぺがまさちゅーせっちゅ!!」
金「カナも雛苺と一緒ならそれで幸せかしら~!!」
薔「水銀燈・・・入るね・・・。」水「どうぞぉ・・・。」薔「・・・聞いてもいい?」水「なに?答えられる事なら何でもいいわよぉ・・・?」薔「水銀燈・・・私・・・嫌な娘?」一瞬時が止まる・・・水「どおしたの・・・急に?」薔「昼休み・・・水銀燈と真紅が仲良くしてた・・・。」水「ああ・・・あれねぇ・・・起きていたの?」薔「・・・私・・・嫉妬・・・してた・・・」水「薔薇水晶・・・。」薔「真紅と・・・水銀・・・ううん・・・銀ねえさまが仲良くするのは・・・普通なのに・・・私・・・。」薔薇水晶の声が震えている・・・薔「とっても・・・嫌だった・・・。」つっ・・・と頬を涙が伝う・・・薔「今日だけじゃない・・・昨日も・・・その前も・・・銀ねえさまが誰かと・・・私以外の人といると・・・」水「・・・良い娘ね・・・。」薔「良い娘なんかじゃない・・・!私・・・とっても・・・自分勝手だ・・・!」水「・・・違うわ・・・薔薇水晶・・・。」薔「私・・・とっても・・・嫌な娘だ・・・!」水「違うわ!」薔「!!」水銀燈は薔薇水晶を後ろからそっと抱き締める・・・。水「貴女はとっても強くて優しい娘・・・だから・・・苦しいのよ・・・。」薔「・・・どういう・・・こと・・・」水「嫉妬・・・そういう気持ちは誰にでも在るの・・・そしてそれは、相手を想うほどに強くなるわ・・・。」薔「・・・・・・・・・」水「人によっては・・・それに流されて取り返しのつかない事になる人もいるわ・・・ けれど、貴女はちゃんと向き合ってる・・・ちゃんと認めてる・・・それはあなたが強いから・・・。」薔「強い・・・?」水「そして・・・それを認めて苦しむのは・・・優しい証拠・・・。」薔「優しい・・・?」水「真紅に悪いって思ってる・・・?」薔「うん・・・。」水「人は皆・・・正と負両方の心をもっている・・・どちらか片方だけの人間はいないわ・・・。」薔「でも・・・まったく怒ったりしない人もいる・・・。」水「そうね・・・けど、それは・・・表面に出さないだけよ・・・。」薔「出さない方が・・・良いの・・・?」水「時と場合・・・相手によるわぁ・・・。」薔「銀ねえさまは・・・?」水「私は・・・薔薇水晶の気持ち・・・素直に出して欲しいわ・・・。」
水「笑ってる薔薇水晶・・・怒ってる薔薇水晶・・・泣いてる薔薇水晶・・・やきもち妬いてる薔薇水晶・・・ 私は全部好きだわぁ・・・」
水「だから・・・気にしなくていいのよ・・・。」薔「銀ねえさまも・・・嫉妬するの?」その質問に思わず吹き出す・・・水「そうねぇ・・・貴女がラブレターもらった時は複雑な気分よぉ・・・?」薔「本当に・・・?」水「ええ。」薔「・・・良かった・・・。」嫉妬なんていう感情を抱いていたら・・・嫌われるかもしれない・・・そう思っていたけれど・・・そんな所も含めて好きだといってくれた・・・水「それに、安心して・・・私は・・・真紅も、雛苺も、翠星石、蒼星石・・・金糸雀・・・みんな好きよぉ・・・。」薔「私も・・・皆大好き・・・。」水「けれど・・・私の一番は貴女だわ・・・。」薔「私も・・・銀ねえさま・・・が一番・・・。」自分を抱き締めている腕をキュッと握る・・・薔「銀ねえさま・・・いつもと違う香りがする・・・。」水「分かる・・・?シャンプー変えてみたの・・・。」薔「・・・とっても・・・いい香り・・・。」水「ありがとう・・・。」薔「・・・銀ねえさま・・・。」水「なぁに・・・?」薔「こういうの・・・愛してるっていうの・・・?」水「・・・きっと、そうねぇ・・・。」薔薇水晶は体をひねり後ろを向くと、水銀燈にそっと口付けをして・・・
薔「・・・銀ねえさま・・・愛してる・・・w」
蒼「翠星石・・・ごめんね・・・昼間は。」翠「まだ言ってるですか・・・別にいいです。」ベッドに並んで座る二人の間に沈黙が流れる・・・蒼「あのさ・・・」翠「蒼星石が・・・恋人同士だって言った時・・・とってもビックリしたですけれど・・・とっても・・・嬉しかったです。」蒼「でも・・・迷惑じゃなかったかな・・・?」翠「そんな事ないです・・・。」翠星石は自分の手を蒼星石の手に重ねる翠「蒼星石のこと・・・大好きです・・・。けれど・・・やっぱり不安になる時もあるです・・・。」蒼「・・・・・・」翠「女の子同士じゃ・・・ダメなんじゃないかって・・・。けど・・・蒼星石がああ言った時・・・すっきりしました。」 「これで・・・良いんだって・・・。だから決めました・・・」
翠「翠星石は・・・ずっとずっと蒼星石の側にいるです・・・。」
蒼「・・・はは・・・。」正直・・・この笑顔は反則だと思う翠「蒼星・・・うっ・・・。」蒼星石に抱きすくめられる・・・その感触がとても心地良い蒼「僕も・・・君の側にいる・・・。」翠「ふふふ・・・。」蒼「ねぇ・・・昼間の続きしよ?」翠「・・・続き・・・///キス・・・ですか・・・?」蒼「うん・・・ダメ?」翠「・・・・・・//////」
真「皆何しているのかしらね・・・。」真紅は部屋で一人・・・皆が写った写真を眺めていた・・・。何時からだろうか・・・自分たちの間で・・・姉妹愛以上の感情が生まれたのは・・・真「・・・辛いだけなのだわ・・・。」水銀燈にはそう言った・・・確かにそれもあるがそれが全てではない・・・
ちょっと意地悪な水銀燈が好き・・・ちょっとドジな金糸雀が好き・・・ちょっと意地っ張りな翠星石が好き・・・ちょっと頑固な蒼星石が好き・・・ちょっと泣き虫な雛苺が好き・・・ちょっと朴念仁な薔薇水晶が好き・・・
真「誰か一人なんて・・・難しすぎるのだわ・・・。」気が付けば・・・少し離れてみるしかなかった・・・。真「ま・・・みなの幸せをただ願うのも・・・愛の形ではあるわね・・・。」
どんな形でもいい・・・皆が・・・等しく幸せになれるよう・・・。
end
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