【薔薇水晶とジュン】短編
【薔薇水晶とジュン】卒業「世界はひとつ?」「さあ――知らない世界があるのかも。たとえば、薔薇水晶たちが女子高生でなく、人形な世界とか」「じゃあ、何が幸せ?」「さあ――何が幸せなのかなんて、わからない」「…………」「そんな顔しないでよ……そうだな、そう。幸せなこと? それはたとえば、わくわくすること。誰かに褒められること。絆が出来ること」「うん、幸せなこと」「……多分、きっと、笑顔で居れること」「ねえ、ジュン」「うん?」「私は、思う。幸せだった日々。皆で笑い会うことが出来た日々。それは、確かにあったものだから。」「だから、卒業しても忘れない。今がどんなに悲しくても、きっと思い出せる。嘘じゃないんだから」「……ああ、それでいいんじゃないか?」「じゃあ、一緒に居てくれる? これからも、ずっと。私、きっと弱いから、泣いてしまう」「いいよ。……ようはそういうことなんだろ? 終わりは始まり。始まりはだけど、前の物語とは違う、だけどきっとどこか同じ物語」「ジュン、くさい」「うるせー。あーあ。おしまいかぁ」「あー、おしまいって言ったー」「……ああ、そうか」「そうだよ」それは、きっと、悲しいことじゃなくて。
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