機巧励起ローゼンメイデン 第2話「邂逅」
あらすじ平凡な少年桜田ジュンはある夜、一人の少女と出会う。それはこれから幕開ける戦いの始まりでしかなかった・・・・・・機巧励起ローゼンメイデン 第2話「邂逅」果てしない闘争の螺旋、その終りは見えず、絶えず、望まず続くその抗争、打ち倒せし敵の血で己が身を洗い流すその日々求める者は多く、また、略奪者も然り悠久の闘争の螺旋、共に歩む刃は幾度となく現れそして失ったその終極に待ち構える暗黒に向かい歩を進める為に己が手を鮮血で染める同種の存在を滅ぼし、打ち倒し、唯一となるためしかし、それで良いのだろうかいつからか少女の脳裏を掠めるようになった疑問闘い、倒し、引き摺り下ろし、嬲り、抉り、戦い、殺すそして、待つのは究極、窮極、終極、終局、終曲それを迎える為に生きる、否、存在する自分それで良いのだろうかそれで・・・・・・輪廻する思考に終りは来ない狂乱の叫びをあげる歓楽街、その光輝く闇の、光届かぬ闇の奥、機械の光で彩られた華やかな街の裏側は常に光の作る色濃い影を映す。発展、衰退、貧困、裕福、様々が様々に交じり合う混沌の片鱗。複雑に入り組んだ混沌と狂喜が交差する路地、その中を一人の少女が駆ける。ボロボロに擦り切れた紅い衣を身に纏い、その格好からは思いもしないようなスピードで疾走る。その後を、歓喜、または狂喜に近い叫びをあげる男達女達が追う。光宿らぬ、闇く淀んだ瞳は何処ともいえず虚ろいでいる。追いつけないにも関わらず、その群集は彼女を追い詰めようとただ蠢く。少女は気付いている。彼らの存在を、彼らの力を、彼らの目的を。だが、今の彼女には何も出来ない。ゆえに、逃げるしかない。少女は彼らから逃れる為に駆ける。一人の男が眺めてる。何もない虚空に浮かび、少女を、群集を、眺めている。彼女が疲れ果て、歩を止めるまでただ見つめる。何もせず、ただただ見つめている。中空に浮かび、彼女を見失わないように、その場でくるくると、回る。歩を止めるのを待つ。歩が止まるのを待つ。彼女が諦めるのを待つ。いや、諦めずとも止まるのを待つ。歩が止まればいい。その足が止まれば蜘蛛の糸は彼女を捕らえる。路地に仕掛けられた術式が、彼にしか見えない呪縛術式が、醜悪な紫色に蠢く。ふと、蠢きが止まる。頃合が来た。男は詠唱を終える。瞬間、路地裏に張り巡らされたその糸が少女に襲い掛かる。捕縛術式『もつれ糸の呪』。張り巡らせた術式は特定の対象が動きを止めるまでその魔力を停止し、動きを止めた瞬間呪はその魔力を全体へと広げ対象を呪縛する。疲れに足を止めた少女は糸から逃れようと壁を蹴り跳躍するが、糸の群れは途切れず、その数を増やし、少女に絡みつく。醜悪な紫が少女の四肢を体躯を縛り上げる。縛り上げた糸が体を締め付け、苦痛の吐息が口から漏れる。男は虚空からアスファルトの地面へと堕天し、彼女へ近づく。優男風の彼の口元がパックリと割れた傷口のように開く。ゾッとするような、悪意と歓喜に満ちた笑みだった。求めていたモノがいよいよ手に入る。彼女達の目覚めを待ち続けていた我々の苦労が今ここで報われる。幾星霜にも近いような年月を追い求め、目覚めていた彼女と戦い続け、略奪を試み、そして、逆に全てを奪われていたあの月日が終わる。男は、梅岡は、彼女へと手を伸ばす。その瞬間だった。彼女を縛り付けているその空間、空間移送魔術法陣が彼女の縛られている空間に突如として顕在化したのだ。いったい、何処のどいつがこんな魔術を?!空間移送術式、特定対象を魔術法陣で取り囲み、その対象の存在を0に近い値まで分解し、別の空間に構築した術式法陣内に対象を再度1の値にまで顕在化させる魔術。それを自分に気付かせる事なく突然発生させられた事に梅岡は狼狽した。しかし、その狼狽も一瞬の事。即座に立ち直り、魔術解除(デスペル)の術を己が手に握った魔導書『土蜘蛛異聞』を手に詠唱する。しかし、一瞬の狼狽が生み出した一瞬は魔術解除には遅かった。螺旋を描くように彼女を包む紋様の渦は加速度的にその速度を増し、終いには彼女の姿は眩いばかりの閃光に包まれた。間に合わない、梅岡はとっさに判断を下し、携帯のストラップをちぎり、その手にとる。「てつげやら・はわお・はわお・ちげるらそら!!!」唱える呪詛、プラスチックの瞳に妖しげな光が宿る。手に感じる波動を感じ取り即座に梅岡は人形を光の中へ投げた。術式中に己の術式を割り込ませ光の中へと融けたピエロの人形、閃光の中に投げ込まれた呪具は共に閃光と消え去った。気付けば、僕は陸橋の上で一人で佇んでいた。陸橋の下を車が幾台も走り去っていく。テールランプの光が帯になって流れていく。おぼつかない水銀灯に照らされ、僕はただ、突っ立っていた。今、何かをみたような気がしたんだけどな、今さっきまでの記憶を手繰り寄せてみる。コンビニに行ったコピーをとった家に帰った十字路を右へ駅前に向かう遊歩道を左に慣れた道をさくさく進む陸橋を登る目の前に<記憶削除済、擬似記憶構築要請>・・・・・・・目の前を猫が通り過ぎて驚いたあれ、何にもないじゃん。何を勘違いしてんだ僕は。何もないのにいきなりぼーっとするなんて、疲れてるのか、僕?僕は少し溜息をついた。何でもないのに、いきなりぼーっと道の上で突っ立っている僕。えらくこっけいな姿にとてつもなく落ち込む。少し、いや、かなり自分の頭が大丈夫か不安になりながらとぼとぼと家路へとつく僕。しかし、その落ち込みも次の瞬間吹っ飛んだ。「な、な、な、なああああああああああ!!?????」陸橋の上、一人の少女が、ボロボロの服を纏った少女がつか裸に近い女の子が僕の目の前に倒れていた
契約ピエロ魔術師ローブマテリアライズ変化次回 機巧励起ローゼンメイデン第3話「CRIMSON SUNISE」
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