俺だけを見てくれ
蒼「ねぇ…ジュン君…」(ジュンに後ろから抱えられながら)J「…ん?何だ…?」(あー…柔らかさに癒されるー…)蒼「僕………告白されちゃった…」
J「……え?…女の子に…?」蒼「違う……男の子…」J「…まぁ僕の事は隠してるしなぁ…それで……?」蒼「駄目、嫌だ…って言ったけど……何か一回だけ付き合えって言われて……」J「押し切られたのか?」蒼「………」(こくん)J「……本当に僕以外には押しに弱いですねぇ…」蒼「だ、だって…凄い勢いだったから…その……ごめんね…」J「……で…?僕はどうしたらいいの…いつなの?そいつと会うの…?」蒼「今度の日曜日…駅前広場で11時に待ち合わせ…」
J「ふぅん……じゃあ僕はその日は一人でお預け喰らっとくよ。ふん…」蒼「…あの…ね、凄く勝手なんだけど…来て…欲しいんだ…」J「蒼星石が勝手に約束したんだろ……僕は関係無いからなっ!」蒼「……ごめんね…だってあの時断ったら…何されるか分からなかったから…」J「そんなの言い訳だろ。」蒼「…ごめん…でもきちんとジュン君には報告しておきたくて…今日は帰るね…」
J「……………」
蒼「お早う。」男「うん、お早う。今日は一日宜しくね。」蒼「は、はい……」
J(蒼星石はズボン…か…まぁそりゃそうだよな…私服のスカート姿なんて僕でさえそんなに見た事無いし… それにしても相手の男…確か頭も良くて運動もそれなりに出来る…まぁ蒼星石もそうなんだから… お似合いといえば…お似合いか…僕は何やってもそこそこだしな…はぁ……)
男「まだお昼ご飯には早いよね。先に映画でも見に行こうか…」蒼「……はい」男「そんな他人行儀な喋り方しないでよ…ね?」(肩に手を回す)蒼(ビクッ)「あ……その…手…避けてくれませんか…?」男「今日だけでも夢見させてくれるって言ったじゃん。それにまたそんな喋り方したから離してあげないよ…」(わービクついてる…可愛い)蒼「……う…うん…分かった…努力してみる…」(こんな人が一杯いる中で…恥ずかしい…)
J(くっそー何で仲良さ気に肩に手なんか回してるんだ!!ゴルァ!!外だったら蒼は僕に絶対あんな事させてくれないぞ…!! 何許してんだよ…!!あーもう…帰ろうかな…テレビ何再放送してたかなぁ…)
男「色々やってるね。何見たい…?」蒼「特に無いよ…」男「じゃあこの映画にしても良い?」蒼「うん…お任せするよ。」(恋愛物かぁ…あっ…スプラッタやってたんだっけ…そう言えば僕まだ見てない…今度ジュン君…一緒に来てくれるかなぁ…?)
J(れ…恋愛物だと…蒼が好きなのは猟奇的なスプラッタだろ?何でそんな普通の女の子みたいになってるんだよ!ブッてるのか…それとも… 僕が昨日冷たい言い方したから…捨てられたのかな…はぁ…)J「あ、チケット一枚お願いします。」係「一枚ですね。」J「一枚です。」(くっそーっ!!)
でまぁ当然の如く濡れシーン蒼「………」(やだなぁ…)男「………」(蒼星石の腕を上から押さえつける形で握る)蒼「やぁっ……ちょっと…何するの…?」男「まぁまぁ良いじゃない。一日限りの恋人同士なんだし…それに映画館では静かにね。」(声かわいー…)蒼「…………」(まさか映画終わるまで…このままなのかな…いやだよ…ジュン君……)(ちょっと涙が滲む)
J(くっそーっあいつ等何やってるんだよ…全然見えねぇ…しかも何この面白くない話…金返せYO!!)
~昼2時~男「じゃあ映画も見たし…ってあれ…目ちょっと赤いよ…ひょっとして泣いちゃった?やっぱり最後ウルっとキタよね。」蒼「……う、うん…」(まさかジュン君思い出して泣いちゃったとか言えないし…)男「やっぱりそうだよね。…じゃあ次はお腹も減っちゃったし、何処かに食べに行こうか…何か食べたいものある?」 (男の子っぽいと思ってたけど、意外と涙脆いのかも…こりゃ絶対いただきだ!)蒼「特に無いよ…」男「じゃあ俺がよく行くパスタ屋に行こうか。」
J(今度は昼飯か…頼むからそんなに高い店は止めてくれよな…)
蒼「……」(そう言えばおじいさんとおばあさんちゃんとお昼ごはん食べたかなー…煮物作っといたんだけど味大丈夫かな…?」男「俺の驕りだから好きなの選んで?ね。」蒼「そんな訳には行かないよ…こ、恋人同士…なら尚更自分の分は自分で払わないと…!」男「そう?じゃあそうしようか。気を使わせてゴメンね。」蒼「うん。」(良かった…変な借りは作りたくなかったから…)
J(結構高いな…僕は今月ピンチだから…仕方ない。店の前で張るか……いや…どうしよう…帰ろうかな…?」
男「どう?美味しい?」蒼「…う、うん。」(味が濃い…いつも和食ばっかり食べてるから余計にかな…でも自分で選んだ物だしね…)男「あっ…ちょっと止まって…」(蒼星石の口の端に付いたソースを指で取り、舐める。)蒼「……なっ…何するの…?や、やめて…!!」男「そっちのソースも美味しいね。あ、俺の口にも付いてる…俺のソースも味見してみる…?」蒼「そ…そんな事出来ない…」男「恋人同士なんでしょ…やってよ。ね…?」蒼「………うん…」(震える手で男の口からソースを取り、舐める)男「どう?美味しい?」(舌見えた…エロイな…)蒼「…う、うん……」(ジュン君…!!)
J(………!!そ、蒼……!!お前何してんだよ本当に…!!くそっ…… お前が舐めて良いのは僕の耳だけだろ?!)
午後4時男「まだ帰るには早いよねー。買い物でも行こうか。」蒼「うん……」男「俺本当はさー、今日蒼星石ちゃんがスカート穿いてきてくれるかも…ってちょっと期待してたんだけど…」蒼「ごめんね。僕私服殆どズボンだから…」男「勿体無いよ。そうだ、持ってないんだったら折角だからプレゼントさせてよ。」蒼「そんな…悪いから遠慮しておくよ…それに無いからって困るものでもないし…」男「恋人にプレゼント贈る事がそんなに遠慮しなきゃいけない事かな…?ね、お願い。」蒼「…う、うん……」
ジュン(今度は買い物か…しかも何かのブランドショップか…?)
男「うん、それ凄く似合ってるし、可愛いよ。それにしたら?」蒼「えっ……でも」(短いし…それにこの短さでこの値段って有りえない…いつもしユニ○ロで服買ってるからかな…? 皆よく服にこんなお金出せるな…)男「いいから。僕からのプレゼントなんだから…僕が良いっていうのにしておいて。」(体育の時とか見てたけど、やっぱ足綺麗だなー)蒼「うん…分かったよ…」男「じゃあこれお願いします。あ、そのまま着ておいて。」蒼「……そんな…ちょっと…」男「いいからいいから。僕がプレゼントした服を着た姿見てたいんだ。ね、良いだろ?」蒼「う…うん…」(まぁ確かにそうだよね…)
J(な…スカート穿いて出てきた…な、何で…しかもめっちゃ短いし…僕の前でもあんな短いの穿く所見たこと無いぞ…!! しかもずっと肩に手ぇ回してるし……俺の物気取りかよ……って、本当にそうなるかも…僕は…ヘタレだから…あぁ…くそっ!!)
午後6時蒼「もうこんな時間か…」男「それじゃあこんな時間に帰すのも何だし、晩御飯でも食べようか。」蒼「…でも僕…家でおじいさんとおばあさんが…」男「何も寝たきりって訳じゃないんでしょ…?それなら大丈夫だよ。そんなに縛られる事無いと思うし。 それに一日付き合うって言ってくれたじゃん。まだ12時間も経ってないよ。」蒼「うん…分かったよ……」男「それじゃ、また俺に店任せてくれる?」
J(もう流石に帰るだろって……晩飯行くのか?…って…飲み屋かよ……蒼は酒入ると…ヤバいんだよな…普段以上に甘えて…抱きついてきて…… でもそれ位自分でも分かってるはずだから…でも僕の事どうでもいいやとか思ってたら…飲むかもしれないな…どうしよう……帰ろうかな…宿題あるし……)
男「適当に頼むよ。何飲む?俺は…まぁとりあえず酎ハイでも…」蒼「僕はお酒駄目だから…グレープフルーツジュースで良いよ…」(どうなっちゃうか分からないし…)男「すっっごく弱いの?」蒼「いや…そんなに凄く弱いわけじゃないけど…」男「じゃあいいじゃん。じゃあグレープフルーツハイお願いね。」蒼「…………う、ウーロン茶も頼んで良い?」男「いいよいいよ~。」
蒼(あっ…駄目だ…クラクラしちゃう…どうしよう…ジュン君になら良いけどこの人に変な事しちゃったら…)男「どうしたの?顔赤いよ…回っちゃった…?」(本当に弱いんだなぁ…)蒼「う、うん……」(あー…目が回る…)男「ならこの店ちょっと熱気凄いし、落ち着ける所に休憩しに行こうか。送るのにもその状態じゃ無理そうだしね。」蒼「ご、ごめんね…」(公園かどこかかな…とにかくこの空気は吐き気がする…男「じゃ、行こうか。」(腰にそっと手を回す。)蒼「…ひゃっ……や、止めて…お願い…」男「でもこのままじゃ歩くの辛いでしょ?人にぶつかっちゃうかもしれないし…ね?」蒼「………」(駄目だ…もうあまり何も考えられないや……)
午後8時蒼「……」(歩くだけでしんどい…目も開けてられない……って結構人が多いな…何処なんだろ…)
男「大丈夫…?もっともたれても良いよ。」(柔らかいな~はぁ…って結構あっさりゲット出来そうだな…真面目な割りに抜けてるな…)蒼「いや…そういう訳には…いかないよ…あれ…?ここ…何処?」男「見て分からない?休憩できる場所を今探してるんだ。どういう所が良い?」
蒼「いやっ…止めて……も、もう帰る。もう充分でしょ?!」男「まだだよ。まだ16時間も残ってる。その間恋人同士なんでしょ?ね?」蒼「やっ…やだやだやだぁ…ぼ、僕は恋人同士でもそんな事しないぃ……」(必死に腰をくねって逃げようとする)男「落ち着いて、冷静になって考えてみて。逃げられると思ってるの?落ち着くために…一旦どこかに…ね?」(腰に当てていた手を下に下げ、足を触る。)蒼「やぁああっ!!やめて、お願い…お願いぃっ!!」男「はいはい、暴れない暴れない。俺達は恋人同士なんだから…そんなに騒いじゃ周りの人が誤解しちゃうよ?」
蒼「やっ…いやああぁ!!ジュン君!ジュンくん!助けて…ジュンくん…!」
男「ジュン……同じクラスの桜田…?あいつの事…好きなの?あんな目立たなくて何もとりえが無い奴…俺の方がいいよ。俺にしときなよ…」蒼「そ、そんな事無いっ!!ジュン君はっはぁっ…ちょっと頼りないかもしれないけど…すっごく優しいし、 おじいさんとおばあさん優先にしても…絶対怒らないし…それに…それに無理やりこんな事しない!!無理やりこんな所に連れ込まない!! 君なんか…ジュン君に比べたら全然大したこと無いよ!!」男「なんだと…?俺があのチビに劣るだと…?」
J「や、止めろっ!!蒼星石から手を離せっ!!」蒼「ジュン君!」男「はぁっ?!ドチビ!お前が…何でこんな所にいるんだよ?!」J「それはお前に言いたい!蒼星石を勝手につれまわして、こんな所に連れ込もうとして…!!お前の心の方がよっぽどチビじゃないか!!」蒼「ジュン君……」男「うっせぇよ!!これからお楽しみなんだから、邪魔者は消えろよ。」(蒼星石を片手で抱きしめたまま、ジュンにパンチ!)J「くっ……うううるさい!!蒼星石は僕の…僕の…大切な人なんだから…絶対お前を許さない!!」(腹に思い切りキック。たまたまみぞおちに入る)男「ぐわぁっかはぁ…くそ…」(手から力が抜ける)J「蒼星石、今だ!!こっち来い!」蒼「う、うん。」(ジュンに近寄り首筋にしがみつく)J「とりあえず逃げるぞっ!!」
男「くそぅ…くそ…くそ…そうせいせきた――んっ!!」
午後9時・どっかの公園J「大丈夫か?何かされたか…?」蒼「ううん…ジュン君こそ…頬…大丈夫?ハンカチ濡らしてくるね。ちょっと待ってて。」たたたた…J「良かった……蒼星石が無事で…本当に良かった…あぁ…何か意識が……」蒼「あれ?ジュン君…どうしよう…僕一人で運べないし…救急車呼ばなくても…平気かな…?」
J「あれ…?僕どうしてたんだろう?」(それに何か柔らかい……)蒼「気が付いた…?本当に…ごめんね……」J「って膝枕かぁ…蒼星石を助けた報酬としては充分かな……?」蒼「ねぇ…本当に大丈夫なの?……僕が勝手な事したから…」J「うぅん…もっと早くに助けに行けたんだけど…行かなかった僕が悪いんだ…それに怖い思いさせちゃったし…ごめん…」(あれ…何か顔に熱いものが…)蒼「…ずっと……見てて…うぐっ…くれたの?ひっく…ありがとう……」(ぽろぽろ)J「そんなんじゃないよ…ただ嫉妬してただけ…それに…もしかしたら蒼星石が僕に呆れて…あいつに走っちゃったかもって思ってて…ずっと見てただけだった。 けど悲鳴が聞こえたらそんな事頭からどっか消えて…走ってたなぁ…」(あ、これ涙か…)蒼「ぼ…うっ…僕こそ…ごめんね……で、でも……あの人と今日…一日居て…一つだけ良い事あったよ…?」J「なに?そのスカート?」蒼「違うよ。こんな物家に帰ったら捨てる。…あのね……やっぱり僕にはジュン君じゃないと駄目だなぁって…分かった。 同じ事されても、ジュン君なら嫌じゃないし……その…僕もしてあげたいって…思うから…迷惑かな…?」J「うぅん…僕も同じだ…蒼星石が他の男と一緒にいるだけで腹が立つし…やっぱ僕も蒼星石じゃないと…駄目だな…」蒼「ありがとね……ねぇ…その…ほっぺでいいから…キスして…良いかな?」J「…うん…だけど条件がある。一つ、知らない人について行っちゃ行けない。二つ、知らない人から物をもらっちゃいけない…」蒼「…何だか僕犬みたいじゃない……うん。でもいいよ。じゃあ僕ジュン君以外の男の人と…もう絶対一緒にどこも行かないよ…」
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