第40話「命の石」
大体10分後、ロビーにジュンたちはたどり着いた。皆は雑談していたりしていた、恐らくこうしていられるのも今日が最後だろう。・・・多分だが。
ス「さて・・・ジュン、巴に変われ。」J「?何故だ?」ス「とある物を、出してもらう。」J「・・・そうか。」
そう言うと、ジュンは巴に変わるべく、精神統一を始めた。すると、身長は微妙に縮み。胸は真紅並みになっていく。髪も短くなり、顔つきが鋭くなる。そして、巴が現れた。もう皆は慣れたのか、適当に挨拶を交わしている。
巴「私の名前は、柏葉 巴、以後おみお知りおきを・・・」翠(随分、堅苦しそうな奴が出てきたです・・・)雛「・・・カッコイイ・・・」巴「有難う、雛ちゃん。」
どうやらこの2人は、気が合いそうだ。
銀(・・・真紅よりは・・・)薔「久しぶり~」巴「その節はどうも・・・」雪「相変わらず、元気そうね?」巴「貴女もね。」蒼「・・・似てる・・・」巴「どうかしましたか?」蒼「いえ、何処か僕と似てると思いまして・・・」巴「其れもそうですね・・・」真「・・・貴女とは気が合いそうだわ・・・」巴「はぁ・・・」金「じー・・・」巴「どうにかしました?」金「何でもないかしら、ちょっと和風だと思っただけかしら。」巴「よく言われます。」ス「巴、ずっと前に体内に隠した、あの石を出して欲しいんだが・・・」巴「あれですか、ではちょっとお待ちを・・・」
そう言うと、巴は指から銀色の浮遊液体を取り出した。いや、染み出させたと言った方が良いのか?。流石に之には驚いたのか、皆がその液体を凝視する。すると巴は、液体を鋭い箸の様にして、体内に付き立てた!皆は今の行動に、一瞬目を瞑ったが、叫び声もしないので目を開けると。箸は体内を貫く事無く、体をすり抜けたようになっている。雪華綺晶とスネーク、アーカード以外は、ただ漠然とこの異様な姿を眺めていた。暫くすると、巴は自分の体内から、計8つの宝石と1つの鉄を取り出した。
巴「出てきました。」ス「ご苦労、それでは変わって良い。」巴「分かりました。」
そう言うと、巴はジュンに姿形を変えた。ジュンはこの宝石を、久しぶりに見たような顔をしている。
ス「さて・・・この宝石は、有る一握りの中の一握り、の人間にしか扱えない代物だ。」ス「余りの力故に、とある人間の体内に、隠す事になっていた。」J「・・・あれ?俺聞いて・・・」ス「さて、この8つの宝石だが・・・」J「・・・スルーですか・・・」ス「色は8つ有る、扱える人間はこの宝石の力を引き出し、扱う事が出来るそうだ。」ス「其処でだ、好きな色を選べ、好きな色が之を扱える色だ。」金「それは、何故なのかしら?」ス「良く分からん、寧ろ知らん。」金「適当なのかしら・・・」
そう言って、適当に宝石を振り分ける。色分けはこうだ。
真紅・・・赤色水銀燈・・・銀色蒼星石・・・蒼色翠星石・・・翠色金糸雀・・・金色雛苺・・・桃色薔薇水晶・・・紫色雪華綺晶・・・白色
ス「行き渡ったな?後は運任せ、何が出るかどうかは、その宝石次第らしい。」7人「え!?」ス「good rack!ジュン、後はこの鉄だが、之はレアメタル数種類混ぜて。」ス「そして、お前の体内から作られる、特殊な鉄を混ぜて作り上げる鉄だ。」ス「何故かこの鉄は、人の意のままに変形する、持っとけ。」J「・・・」
不服そうな顔をしつつ、その鉄を受け取る。ジュンはその鉄を動きやすいように、腕輪に変形させて、両手につけておくことにした。
J「・・・やれやれ・・・」ス「明日からの行動だが・・・俺とアーカードと笹塚は、此処に属す事になる。」ス「お前達9人は特殊移動車に乗り、此処を移動し、此処から指令を仰いで。」ス「敵の本拠地と考える所を、叩き、違ったなら他の所に移動するか、其処で情報を集める。」J「・・・分かった。」ス「其れと後一つ、[例の人格]は命令があるまで、絶対に使うな。」J「・・・言われなくても。」ス「アレは危険すぎる、どんな陸上兵器でも、アレだけは殺せない。」J「・・・」ス「分かったな?それじゃあ、今日は後は自由行動だ、行け。」J「分かった。」
そう言うと、各自に明日1階8時にロビーに、出かける用意をして。集合と伝え、後は今日は自由に動けというと、自分の部屋に入っていった。
J「・・・あの[人格]を使うな?馬鹿な、あの[人格]を使うのは、本当のラスト、ほぼBAD ENDの時のみだ。」J「あの人格なら、此処に居る人間を瞬殺出来よう。」J「あの人格なら・・・本当の恐怖を知らされる。」J「アレを使った時、次の日から全てが、如何なるのか・・・」J「破壊のみ・・・まさにTHE ENDって訳だ・・・」J「馬鹿な話だ、人間が作ったものが、人間を破壊するとは・・・」J「つくづく厭になってくる・・・」
そう言うとため息を吐いて、ベットに横になる。途端に、ドアを叩く音がする。誰だろう?取り合えず、ドアを開く。
蒼「・・・ジュン君、ちょっと・・・良いかな?」J「あ、ああ。」
そう言うと、蒼星石を部屋に招き入れる。部屋に有るのは、日本刀と銃剣。蒼星石を椅子に座らせる。
蒼「ジュン君・・・話があるんだ・・・」J「なんだい?」蒼「ちょっと・・・いざこざを起こしちゃってね・・・」J「何を?」蒼「ちょっと・・・ね・・・」
そう言うと、蒼星石が体をジュンに寄せる。之はよく、女性が助けて欲しい時に、使う精神的合図だとか。
蒼「ジュン君・・・」J「・・・」
蒼星石は淡々と話を続ける。
蒼「ジュン君・・・死んで?」
そう言うと、蒼星石はナイフを抜き、ジュンに突き刺す。そして、ジュンの腹を掻っ捌き、腸を抉り出す。すると、蒼星石は徐々に変形し、新たな人の形になる・・・其処に居た蒼星石が、変形し終わる頃。オッサンだろうか?深い皺が有るが、やけに鋭い眼つき、艶やかな黒髪。屈託の無い、腰遣い、どれをとっても中年には見えない。すると中年は、立っていたジュンを蹴り飛ばす。
???「之が、ホムンクルス?最高作?最強の人?まるで何とも無い。」シ「このシュルクに掛かれば、どんな人間の暗殺も楽だな、クククク・・・」シ「しかし、使い走りのヤクザから、此処まで成長したとは・・・俺も見上げたもんだな。」シ「念には念を、徹底的に・・・な・・・」
そう言うと、シュルクは腕を変形させて、ハンマーに変え。ジュンの顔を叩き潰す、そして機械的に叩き潰した。これで、大抵の人間は生きてられない、そう思い部屋を後にする・・・
シ「さて・・・最初がこんなに楽なら、あいつ等も楽だな。」J「ほぉ?俺が1度も、蒼星石と呼ばないのに、気が付かないとは・・・とんだアホだな。」シ「な!お前は!?何故だ!?」J「さぁ、何ででしょう?」
其処に居るのは、顔が潰れ、腹を裂かれたジュンの死体。しかし、殊更おかしい事に、ジュンは動いている、何故だ?こう言ってる間にも、ジュンの体は湯気を上げて。まるで細胞が一つの生物のように、うねりながら傷が再生していく。体が再生される時に出る、熱のせいで、水蒸気を発生させているようだ。
J「俺にこんなに苦戦するようなら、今のあの子達には、絶対に勝てないだろうな。」
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