第38話「到着」
約数回竜型キメラを撃退し、数十回ゴリラ型機械を破壊し。日は暮れかけ、皆度重なる戦闘に疲れが出始めた頃。謎の大きい塀が見えてきた、どうやら目的地のようだ。メグはあんなに戦闘に参加したのに、疲れる気配すら見せない。流石ホムンクルスと言った所か。ジュンは今だ、メグから交代させて貰っていない様だ。メグは武器をしまい始めていた。どうやら戦闘では無いようだ。
メ「さぁて、着いたわね。」真「来たことがあるの?」メ「まぁね、あれは体の定期検査の為だったかしら?まぁ良いわ、多分これで今日は安心して寝れるわね。」真「・・・」メ「そうだ、貴女水銀燈は何処か知らない?」真「え?如何して?」メ「如何してって、楽しそうだから。」
その瞬間、メグと言う人が、少し分かったような気がした。
メ「だって、天使みたいじゃない?」真「天使?何故?」メ「だって、背中から羽が生えてるじゃない、綺麗よね?アレ。」真「・・・そうね・・・」
言い返さなかった、寧ろ言い返せなかった。その時のメグの目は、犬と戯れる幼子のような、好奇心溢れる目をしていたからだ。その笑みはあまりに透き通っていて、傷つけるのを躊躇させたのだ。
真「多分、蒼星石と話してると思うわ。」メ「そう?ありがとね~」
そう言うとメグはゆっくりと、蒼星石達の所に向かっていた。
真「・・・まるで、子供ね・・・」
その頃、水銀燈は蒼星石を苛める為、卑談を持ちかけていた。
銀「蒼星石~どうだった?ジュンの味は?」蒼「ジュンの味?(この前の料理の事かな?)うん、とても美味しかったよ?」銀「!?(まさかこの子が、そんな事を言うなんてぇ・・・)そ、それで?」蒼「お腹が一杯になるまで、食べたけど、それが如何かしたの?」銀「・・・完敗だわ・・・良いわ何でもないわぁ・・・」蒼「そう?それじゃあ、トイレ行って来るから。」銀「はーぃ・・・(まさか・・・いやまさかねぇ?)」メ「水銀燈~!元気してるぅ?」銀「メグちゃんじゃない、どうかしたの?」メ「エへへ~ちょっとね?」銀「おかしな子ねぇ?」メ「水銀燈って今度から、銀ちゃんって呼んで良い?」銀「良いけど・・・本当におかしな子ねぇ?」メ「エヘへ~」
そんな事会話をしていると、城壁にたどり着いたようだ。スピードを落として、車の窓をスネークが開けて、門番と会話しているようだ。
メ「どうやら到着のようね?それじゃぁ後でねぇ?銀ちゃん?」銀「あ、メグ行っちゃったぁ・・・何だったのかしら?」
そんな事を言う間にも、メグは車を降りて、先に中に入って行った様だ。車も後に続くように中に入り、地下の駐車場まで行き、皆は荷物を持って車を降りた。中は何処にでも有りそうな、地下の駐車場だが。ヒビや破損箇所が一つも無いところから、かなり丈夫だと言うのが分かる。
金「かなり物騒なのかしら。」蒼「確かに、如何してこんなに丈夫な造りなんだろう。」翠「愚問ですね、此処が本部なら、潰れたらそこで御終いですから、こんなに必死こいて丈夫にするんですよ。」銀「此処が、本部なのかしらぁ?」ス「ほら、さっさと行くぞ?遊びじゃないんだから。」
そう言うと、皆は上の階行きのエレベーターに乗って、上に向かった。恐らく、メグの所に行くのであろう。
銀「・・・どんなところなのかしらぁ?」薔「知らんがな。」雪「薔薇しーちゃん・・・」
ドアが開いた、此処の階は・・・休憩所のようだ。
ス「各自に鍵を渡すから、俺とアーカードに用があったら1678号室に来い。」ス「飯は各自に渡しに来るから、それを受け取れ。」
そう言うと、適当に鍵は振り渡され。各自は自分の部屋に向かった。
・・・大体30分は経っただろうか、皆が腹をすかせてきた頃。各自の玄関の用途不明の装置に、食べ物が送られてきた。どうやら、下の階からエレベーター式に、食べ物は来るらしい。
薔「凄い!何てザク的なんだ!」薔「・・・御飯食べよ。」
空しくなったのか、送られてきたトレイに食べ物を載せ。薔薇水晶は机に座り、食べ始めた。
大体45分後か?例の装置が音を立てて、お盆を載せるように言った。どうやら回収のようだ。
薔「素晴らしい!何て凄いんだ!」薔「このホテルには、他にはどんな機能が・・・」
試しに色々探してみる事にした、薔薇水晶。始めにトイレを調べたり、色々してみたが、特に何も無いようだ。数分たって飽きたのか、眠り扱けてしまった。
1時間後に目が覚めた、やはりまだ暇なので、メグでも探す事にした。
薔「何処かな?・・・そうだ!1678号室に行こう!」
某京都CM風に言うと、薔薇水晶は乱れた服装を直し、1678号室に向かった。部屋の前に着くと、ドアを叩く。
薔「スネークさん、此方にいませんかぁ?」
何時ものピチピチスーツを着て、スネークが出てきた。どうやら、寝ていたらしく、寝癖が出来ている。
ス「ん?・・・雪華綺晶の妹か、如何した?」薔「メグは何処?」ス「んぁ?あー・・・確か、1665号室かな?」薔「サンキュー、それじゃ。」ス「ん、ああ。」
そう言うと、薔薇水晶は1665号室に向かった。足取りは軽い。
薔「しかし、まさかホムンクルスとはなぁ・・・」薔「もしかしたら、色々凄い事が出来るんじゃないか?」薔「腕が変形したりとか、ビームが出たりとか!」薔「wktkwktk」
バタン!1665号室のドアを乱雑に開けた。中でメグは、髪を弄って遊んでいたが。薔薇水晶に気が付くと、薔薇水晶にネコのように飛びついた。
メ「ばらしーちゃん!如何したの?」薔「メグって、アイビーム出るの?」メ「残念ねぇ、アイビームは出ないのよ。」薔「それじゃあ、腕が飛んだりする?」メ「それも出来ないわねぇ、代わりに変形は出来るわよ?」薔「やってみて!是非やってください!」メ「いいわよぉ、ちょっと待っててね?」
そう言うと、メグは息を吐いて精神を集中させ。誰かと喋るような仕草をすると。徐々に顔と身長、姿形が変わっていく・・・暫くして目の前に現れたのは、短めの髪に泣きボクロが有る、これまた少女が出てきた。胸は・・・どうやら微妙です、寧ろ真紅ぐらいです。
一瞬真紅と同類にしたのが、悔やまれました、真紅より大きかったです。
薔(あ、まな板・・・真紅・・・)柏「どうも始めまして、私の名前は柏葉巴です。」薔「・・・おー!すげぇ!」柏「え?緊急事態と聞いたのですが?」薔「うん、メグちゃんが変形を見せてくれるって、言ってたんだ。」柏「・・・後で柏葉が呼んでたと、ジュン君に伝えて置いてください。」薔「あいよ、分かったぜ御譲ちゃん。」柏「それでは、またジュン君に戻りますね?」薔「・・・そうだ!ジュン君の女子バージョンにして?」柏「そうですね・・・まぁいいでしょそれで良いなら、変わりますね?」薔「是非!見せてください!」柏「それでわ。」薔「さいなら~」
すると、メグは俯き体を変形し始めた。徐々に長い髪になっていく・・・しかし驚いたのは、徐々に大きくなっていく元まな板。気が付くと胸は、水銀燈とためをいや、それ以上じゃないか?位まで大きくなっていました。しかし、顔は童顔のジュンです。・・・あれ?意外と似合う?ヤバイコレが萌えですか?教えて雪華綺晶姉ちゃん。
ヤバイ、何か黒いものが目覚めそうです、助けてみっちゃん。
J「ふぁーぁ・・・ん?着いたのか?」
声がやけに女の子っぽい、喉も変化しているのか。
薔「(ニヤニヤ)・・・でけぇ・・・」 J「ん?あーら、このメロンは美味しそ・・・」J「ほあ?・・・見た?」薔「うん。」J「マジで?」薔「でジマ」J「ほひゅーほあー・・・ギャアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!」
そう言うと、ジュンはトイレに自分の服を掴むと、逃げ込んだ。
J「ブツブツブツブツブツ・・・」薔「・・・怖っ、暗っ!」
ジュンはトイレに駆け込むと、訳の分から無い事を口走り始めた。多分、男ならああなったら、おかしくなるんだろうが・・・ドアさん御免なさい、今から壊します。
薔「せぇい!」J「ど、ドアを壊してるんじゃねー!!!」薔「皆の所に来てもらおうか。」J「いやだぁ!!いやだよ!!絶対行きたくない!!」薔「我侭言うな。」J「うぐひゅ!」
そう言うと、薔薇水晶はジュンの鳩尾に一撃入れ、気絶させると。哀れな事にとっとと、連れて行きました。
薔「大漁ーじゃー大漁ーじゃー」J「うーん・・・うーん・・・」
お休みなさい、天使さん、誘惑に負けました。
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