【愛の行く末】第一話
第一話薔「映画面白かったね、ジュン」J「ああ、アニメっていうからてっきり子供向けかと 思ってたけどなかなか良かったな」僕の名前は桜田ジュン。裁縫が得意なごく普通の高校三年生だ。隣にいるのは恋人の薔薇水晶。僕たちは付き合い始めてちょうど一ヶ月になる。今日は薔薇水晶が前から見たいと言っていた映画を見に行った。今はその帰りだ。薔「それは偏見…アニメ=子供向けって決めつけるのはいくない」J「でも周りは子供の方が多かったぞ。なんか僕らは浮いてるみたいだったし」薔「え…じゃあジュンは私とデートしても楽しくなかったの?」J「え、いっいやそういうわけじゃ…」薔「ジュンは……ヒック、私といても……グスッ、楽しくないんだあ」女の涙というものはずるい。それは相手がどれだけ悪くても、それを見せた途端にこっちが悪く思えてしまう。それにここは表通りから外れているとはいえ道のど真ん中だ。周りの視線が痛く感じるのは僕の気のせいではないのだろう。J「いや…そうじゃないって薔薇水晶!ちょっと恥ずかしかっただけで別に薔薇水晶との デートが楽しくなかったわけじゃ…」薔「グスッ…ほんとに?」J「ああ、本当だよ。だいいち好きな子とデートして楽しくないわけないじゃないか」薔「じゃあ…私とキスして」J「うえっ!」薔「キスしてくれたら信じるから…」ここは道の真ん中。あまり多くはないが人も見てる。ここでするのはかなり恥ずかしい。J「で、でも人も見てるし…」薔「私なら平気。全然オッケーノープロブレム。むしろ見せつけようよ」J「けどさぁ……」薔「……やっぱりジュンは私のこと……グスッ」J「だぁー!わかったよやればいいんだろ!」一度こうなった薔薇水晶はもう引くことはない。僕がキスするまではずっとこの調子なのだろう。覚悟を決めて僕は薔薇水晶の頬にキスをした。薔薇水晶は……まだ不機嫌そうだった。J「どうしたんだよ、ちゃんとキスしただろ?」薔「…ほっぺにちゅーはちゅーじゃないって誰かさんが言ってた」誰かさんってだれだよ…つーかそれってアレか?口にしろってことか?…しなきゃだめなんだろうな。そう覚悟すると薔薇水晶にキスをした。ちゃんと恋人同士がする甘いキスを…。周りの視線が痛いのも気にしない。「あれなんてバカップル?」って声も気にしない。気にしたら負けだ。J「…これでいいか?」薔「うん♪えへへ…ジュンのキスだぁ…うれしいなぁ♪」どうやら機嫌を直してくれたようだ。J「/////じ、じゃあさっさと帰るぞ!」薔「うん、手を繋いで帰ろうね♪」しょうがないなあ。そう言うと僕は薔薇水晶の手を取って家路についた。しばらく歩くと交差点についた。いつも薔薇水晶と別かれる場所だ。J「本当に送っていかなくていいのか?」薔「うん、大丈夫だよ。ここから家近いもん」確かにここから薔薇水晶の家までは歩いて5分くらいの距離だ。ここいらは車も少なく、変質者がでたという話も聞いたことがない。J「でも何かあってからじゃ遅いし…」薔「ジュンは心配性だね。でも大丈夫だから、それじゃあまたね」J「ああまたな」そう言うと僕たちは自分たちの家へと帰った。しばらくして僕は家についた。J「ただいま」……へんじがない、どうやら姉ちゃんはまだ帰ってないようだ。部活なのだろうか?自分の部屋に入った僕は今日の薔薇水晶とのデートを思い出していた。薔薇水晶はとても綺麗で可愛い映画館への道を笑顔で歩く薔薇水晶はとても愛らしかった映画を見て感動し、涙を流す薔薇水晶はとても綺麗に見えた帰り道でキスをせがむ薔薇水晶はとても可愛く思えた別れる時に僕に向かって手を振る薔薇水晶は、僕の胸を高鳴らせた薔薇水晶……僕の一番大切な人。でも、彼女を思うたびにある人の影が僕の心を横切る。そしてあの日の出来事も……ピンポーンそのとき家のチャイムが鳴った。J「はいはい誰だよまったく……」僕はまたセールスかベジータあたりが尋ねてきたのだろうと思っていた。ガチャだがそこにいたのは……銀「はぁいジュン、お久しぶりねえ」水銀燈……僕の心にちらつく影…そして…僕が壊してしまった人……続く
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