複数短編14
薔「・・・・ジュン、占ってあげる」ジ「いや、別に」雪「では始めますね」ジ「聞けよ」雪「・・・・出ました」薔「今日の貴方の運勢は最悪でしょう」ジ「またテンションの下がること」雪「しかし!!」薔「紫色の服の女の子と白色の服の女の子を連れて行けば運勢はトップクラスになります」雪「姉妹だと更にいいようですよ」ジ「そうか、それじゃな」ジ「まったく・・・僕は占いは信じないっての」ベ「ジュン!金を貸してくれ!」ジ「先に三千円返せ!」ジ「まったく・・・ぼ」梅「やらないか」ジ「寄るなー!」・・・ジ「酷い目にあった」薔「ね、言ったでしょう?」雪「私たちの占いは当たるんですよ」薔「と、いうわけで今日は一緒に寝ると明日の運勢向上でしょう」ジ「あー、はいはい・・・」梅「ハアハアベジータ、怖がらなくてもいいんだよ」ベ「くそ、なんでだ!薔薇嬢達の占いどおりに動いたのに!全然幸運になれないじゃないか!・・・やめ、くるn」ア゛ッー
「ジュン、紅茶を入れなさい・・・あと、髪を梳かして」「ねえジュン、大好きぃ・・・・ふふ、したい?」「チビ人間、と、特別に弁当作ってきてやったです、感謝するです!」「やあジュン君、大変そうだね・・・手伝おうか?」「今日こそ楽してズルしてジュンをゲット・・・・転んじゃったかしらー!」「うゆー、ジュン遊んでー」「ジュン君、お昼ご一緒にどうですか?」「・・・・・・・・・ジュン」薔薇乙女、通称桜田ラヴァースロ「法など変わる・・・・という訳で全員君に任せた」J「なんでや」「ふふ・・・・私が愛するのは貴方だけよ」「ほらぁ・・・どう・・・ムラムラしてきちゃた?」「早くあーんするです、私が食べさせてやるです」「君を愛してるよ・・・」「貴方のためにお弁当作って・・・忘れちゃったかしらー!」「うゆー、あそぼー」「お帰りなさい、ご飯ですか?お風呂ですか・・・・そ、れ、と、も、」「・・・・・・・・・好き」梅乙女、通称ベジラヴァース梅「あれが僕の娘たちさ・・・ベジータ、全員君なら安心して預けられる」べ「 だ が 断 る 」
春―雛苺―
桜の舞う季節散り始めた桜。花びらに埋め尽くされた道はまるでピンクの絨毯のよう朝霧に包まれた光は淡く、全身を白とピンクで包み込む白は光、霧。ピンクは舞い散る桜桜が頬を掠める微かにこそばゆくて、目を細めたそっと落ちてくる花びらを受け止めるそれは、しかし風に運ばれてすぐに手のひらから零れ落ちる何も無くなった手の平をそっと握ってまた歩く遠い喧騒やがて近づいてきたのは心許した友頭に桜の花を積もらせて嬉しそうに笑う並んで歩いていく彼女が話し掛ける。私は微笑む桜の絨毯にはしゃぐ彼女を眺めた優しい笑みで
夏―双子―
野原、緑、緑、緑…青々と繁る木々は強い太陽の光を遮ってくれる川のせせらぎはべたつくような暑さを忘れさせてくれる空は青く、海は青く…手をつないで花を摘む川辺ではしゃぐいつかの夏蚊帳の中でいつまでも他愛のない事を話した二人の夏。彼女は空で、海で、また、彼女は山で野原で…踊るように水面を跳ねた魚、顔を出した山菜いつまでもその記憶に留めて彼女は微笑む彼女も微笑む微笑みあって二人は手を取り携える駆け抜ける、山を、海をいつまでも――
秋―真紅―
昇った月、真円の月。紅に染まった木々、紅にそまった、頬――真紅淡い月の光が雲と絡んで微かに陰影を浮かび上がらせるそっと手を伸ばす体を預けて微かに感じる冷気を誤魔化す露と消える、温もり探しても、たどり着けない風が叫ぶ木々が揺れてその葉を落とす金色の道二人で歩いた金色に染まった道今は一人。探してもみつからない金色にそまった道を一人歩く歩いていく
冬―白銀―
銀の白、白の銀、白銀――白銀冷たい空気が身を切って吹き抜ける言葉を放てば、それがまるで意思を持ったかのように白く淀む風と共に走る遅れて、確かな足音が心地好く耳に響く降りしきる白、光身を震わすような風の中で見つけた――見つけた微かな命、芽吹く命。白はやがて消え、光だけが残る白い地平、光が残す陰影――余韻白と黒の織り成す光の舞消えていく――消え去っていく大地が白を吸い上げて、飲み込んで、そして芽吹く
また、月日を数える。
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