雛苺短編18
金「どうして貴女は雪ダルマの中に『うにゅう』を詰めているのかしら」雛「この時期はアイスが割引で安くならないから自分で雪●だいふくを製造するの」金「…」【冬の】【魔法】
雛苺「ひなまつり?」巴「そう。雛祭よ」雛苺「ひなまつり……それって、ヒナのお祭り、って事?」巴「ええ。今日は、雛苺が主役のお祭りよ」雛苺「わーい!お祭りなのー! という事はヒナも頑張って『ぶろぐを炎上』させたり、『でんとつ』したり『乱立』するのー!」巴「えっと……雛苺?それは祭りじゃあ無いんじゃあないかな……?」雛苺「もう!トモエったら変な事言わないでほしいの! そんな事より、お祭りなんだし、さっさと2chに逝くの!」巴「え?ちょっと?雛苺!?」雛苺「えっと……『幼女だけと質問ある?』……っと……」巴「雛苺!?それ、祭りの意味が違うわ!」雛苺「こいつら、うpうpうるさいのよ!こうなったら……トモエの写真を貼ってやるの!」巴「お願い!やめて!雛苺!!ひないちごーーーーー!!!!」
今日はぽかぽかいい天気です。しかしジュンはパソコンと睨めっこで雛苺は退屈です。「ジューン。今日はこんなにいいお天気だから遊びに行きたいのー」「はいはい。一人で行けよ。僕は今忙しいんだ」「うっにゅー。ジュンはいつもいつもそう言うの。ヒナはジュンと遊び行きたいのよー」 ベッドの上でバタバタ。お世辞にも清潔とは言いがたいジュンのベッドからは埃が舞います。「だいたいな。今の季節は花粉が飛ぶんだよ。見た事ないか? みっちゃんさんがマスクしてただろ」「あっ見た事あるの。ぎんこーごーとーみたいだったの」「だろ? 警察に職質されるから今日は家の中で遊ぶんだ」「うゆ。おまわりさんのお仕事邪魔しちゃいけないの」 なんだかいい様に丸め込まれてしまいました。しかし、微かにジュンの温もりを感じなくもない枕をぎゅっと抱いて雛苺は笑いました。「ジュンと一緒ならヒナ楽しいの」「そっか。じゃあ後で一緒にくんくん探偵でも見るか。それでいいだろ?」「わーいなの。ジュンありがとーなの」 春の陽気のような小さな恋心は本人すら気がつくことはなく、春の風のように通り過ぎました。 ぽかぽかの太陽を浴びつつ雛苺はすやすやと寝息を立て始めました。ちらりと振り返りそれを確認したジュンは、ほんの少し微笑んでいるようにも見えました。そしてまたパソコンをカチカチ。 雛苺が目を覚ますまでしばらくの休憩なのでした。 おしまい
「たんぽぽだ」「原っぱが黄色なの! すごいのー」 黄色いたんぽぽが咲いているのを見つけ、両手をブーンとさせて雛苺は走り出します。「転んじゃダメだよ」 何時ものことながら蒼星石はまるで保護者だな、と苦笑いを浮かべます。「そーせーせきー、ちょっと来てなのー」 雛苺が黄色い絨毯を敷き詰めたような原っぱにちょこんと座って手を振っています。どうしたのかな? と思いつつ蒼星石はゆっくり雛苺に近付いていきました。「どうしたの? 何か見つけた?」「えへへ。あのねーいつも蒼星石には遊んでもらってたりするからありがとーなの」 と雛苺は自分の膝をぽんぽん叩きました。これは正しくあれでしょう。「えぇと、雛苺?」「膝枕なのー」 素晴らしい笑顔で雛苺は宣言しました。「雛苺、大丈夫? 重くない?」「だいじょーぶなの。リラックスするのよ」 結局言いくるめられて雛苺の膝の上に頭を乗せた蒼星石。考えてみれば、普段からしっかりものの蒼星石は誰かに甘えたりすることはあまりありませんでした。時たま翠星石にぎゅうっとしてもらうだけで満足する子なのです。たまにはこんなのもいいかな? なんて蒼星石が思う頃、微かに寝息が聞こえて来ます。「雛苺?」 黄色い原っぱは暖かくてたんぽぽの太陽のような香りがふわふわです。蒼星石は雛苺を起こさないようにそぉっと起き上がり、雛苺を自分の膝の上に乗せました。いわゆる膝枕状態です。 「こっちのほうが僕らしいんだよね」 雛苺は眠っています。蒼星石は雛苺の寝顔を見て優しく微笑みました。
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