真紅短編47
とある寒い朝真「ちょっと水銀燈!貴女って娘は…あれ?」銀「おはよぉ…ってどうしたのよ真紅ぅ」真「い…いえね、後ろから見ると貴女がタバコを吸ってるとばかり思って」銀「吐く息も凍るほど寒いってことよぉ。てか貴女、自身の吐息をご覧なさぁい」真「そ…そうね。私ったら動転していたようだわ」銀「大体、タバコって…好き好んで肺を煙で燻製にしたがる人の気が知れないわぁ。 そもそも、巻紙が本来あんなゆっくりしたスピードで燃えるかしら?何か混ぜてるに違いないの。 ただでさえ漂白剤の気化したものまで肺に入れてるのに、健康を害さないほうが異常よぉ」真「御免なさい。私の方こそ淑女にあるまじきはしたなさを…あっ」プゥゥ銀「…」真「…///」銀「これもはしたなかったわねぇ。てか今のも白く凍ってたわよぉwww」真「うぅ…///」【冬の】【魔法】
人間は平等ではない。持てる者、持たざる者、その分岐点は既に誕生の時点で訪れているのではないだろうか。機会の平等?そんなものはこの世には存在しない。結果の平等?尚更だ。神なるものがいるならば、彼もしくは彼女はうまいこと人間を創ったものだ。一人として同じ人間は存在しない。それによって、人間は競い、争い、疲れるまで生き続ける。人類を存続させる方法としてこれ以上のものはないだろう。真「…せめて、もうちょっと膨らみがあればいいのに」悩める少女・真紅は自分の胸元を見つめる。第三者からすれば足元を見つめているように見えるが、決してそうではない。彼女は彼女なりに、何もない空間に自身の願望を描いているのだ。真「…それにしても」どうして私の周りには巨乳ばかりいるのかしら、と彼女はため息をつく。殊に水銀燈・雛苺の胸はいつみてもこちらの胸が張り裂けそうになるほどだわ、と。ちなみに、真紅の言う巨乳とは、「私よりも大きな胸」である。だから、他の大多数が貧乳だと感じる胸も、真紅より大きければそれは彼女にしてみれば「巨乳」なのだ。…それが諸悪の根源である事に、彼女自身は気付いていない。その胸の成長を促進しようと、真紅は涙ぐましい努力を重ねている。バストアップ体操。牛乳・ヤクルト一気飲み。風呂上りに揉んでもらう…だが今のところ、そのいずれも効果を発現たらしめていないのが非情な事実である。…いずれにせよ、今日も真紅は自分の胸元を見てため息をついていた。近くでは翠星石と雛苺が言い争っている。翠「や~い、このチビチビ!」雛「ヒナ、チビじゃないもん!」翠「チビはチビですぅ。ほれほれ~」雛「うゅ…違うもん!翠星石がヒナより大きいだけだもん!」真「…!」真紅は、突然天啓が降りて来たような気がした。…胸が大きいの小さいの、背が高いの低いの、そんなものは見る者の違いによって脆くも変わりゆくものなのだ。より深く言えば、そもそも大小だの高低だの…いや、全ての優劣など、所詮は人それぞれが作り出すもの、絶対的な基準などありはしない…。大体、真紅からすれば巨乳の化身とも言える雛苺…彼女の羨望の的も、他の点…背の高さでは、確かに翠星石が言うように、小さいと言える。…でもそれが何だというのだろう。雛苺は翠星石よりも背が低い。真紅は雛苺よりも胸が小さい。それだけなのだ。…それを良い、悪いと勝手に分けてしまうから、『間』を入れてしまうから、人間はいつまでたっても人になれない。悩みが嫌いなくせに悩む事を自ら好む人間達。自分の個性を認められず、自分を否定し、競い、争う人間達…ここに、その呪縛から解き放たれた少女が一人。真「結局、私は私自身を『胸が小さいのは駄目なこと』という自分だけの価値観で縛っていたのね」真紅はゆっくりと立ち上がり、ベランダに出て大声で叫んだ。真「貧乳はステータスなのだわ!希少価値なのだわ!」ちょっとずれてるかもだけど【チビで】【何が悪い】
紅「この世の権力すべて掌握するのが私の夢なのだわ」ジ「えらく野心家だな。なんでまた…?」紅「簡単な理由よ。ネコを抹殺する為に決まってるでしょう。私幸せ」ジ「おまえ今人類の大半を敵に回したぞ」紅「もし私の夢がかなったら、貴方はどちらに味方するのかしら? 私?それとも…有り得ないと思うけど、ネコを選ぶの?」ジ「そんなの決まってるじゃないか!僕は迷わずネコに走るぞ」紅「なんですって、この裏切り者!やっぱり若い子が好みなのねっ! …いいわ。貴方がその気なら戦争よ。この世が真紅の炎に染まるのを見て後悔なさい」そして世界は核の炎に包まれた!!紅「…という夢を見たのだわ」ジ「マジキチ」その後ジュンがどうなったか、誰も知らない。【夢見る】【乙女】
ジュンがもしも変態だったら紅「あら?タンポポ……こんな町中にも力強く咲くのね」ジ「なあ真紅。タンポポの良さ、わかるか?」紅「うーん、改めて聞かれると表現が難しいわね」ジ「新しい命の種を撒き散らす、その為にその身を散らす。美しくないか?」紅「ん、まあ……そんな感じかしらね」ジ「まだよくわかってないみたいだな。ほら、こんな感じだ」紅「ちょ……ジュン////何をしているのよ!?早くズボンを履きなさい!パンツもよ!!」ジ「いい…イイ…!真紅に見られてるのもあって、もはや最高の感度だ! このタンポポがすべて散る頃には、僕の命の種は撒き散らされ……」銀「警察、呼んどいたわぁ」【たんぽぽ】【咲いた】
このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー と 利用規約 が適用されます。
1文字以上入力してください
本文は少なくとも1文字以上必要です。
1文字以上入力してください。