めぐ短編12
「ねぇ…めぐちゃん。もう、止めましょう?」しつこい。あっちいって。「こんな酷い雨じゃない。窓なんか開けてたら風邪ひいちゃうわ」知らないわそんなの。どうでもいいし。「それに、朝からずっとそうやって声出して…喉も痛いでしょうに」…関係ないでしょ。好きで歌ってるんだから、構わないで。「どうして?こんな雨なのに…」雨だからよ。きっと今日は、来てくれないから。「…天使様、だったっけ。でも、なら」来てくれない。だから、天使様が道に迷わないように、私を見失わないように、歌うの。私はいつまでも、ここにいるから。「めぐちゃん…」話はおしまい。時間を無駄にしたわ。只でさえ私には時間が無いのに。もういいでしょ。バイバイまた明日。佐原さんは仕事に戻って。私は歌に戻るから。「…わかった。わかったわ。でも、でもねめぐちゃん…」………め「水銀燈!水銀燈!水銀燈!水銀燈!水銀燈ぉぉぉぉおおおおおおおおおうわぁぁああああああああ!!ああぁあ…あああ…あっあっー!水銀燈!水銀燈ぉぉぉおおおおうわぁあああああ!!クンスカ!クンスカ!スーハー!スーハー!いい匂い…んはぁああ!水銀燈の銀のロング髪クンカしたいよぉ!クンカクンカ!あぁあ!間違えたペロペロしたいよぉ!ペロペロ!髪髪ペロペロ!カミカミペロペロきゅいんきゅい(ry」佐「朝からうっさいの。マジでいい加減にして調達」【雨の】【歌声】
「ふぅ…」病院の窓枠から顔を出してみても、風が顔を撫でることなくジクジクと肌を湿らせるだけ。気温は低いはずなのに汗ばむ。これだけ時化ってればカビも生えるわ。快適とは無縁のこの時期。そして、何もかもが中途半端なこの時期。暑くて涼しくて、雨も降ったりやんだり。死にながら生きてる私とそっくり。でも、あの曇り空だけは好きになれない。同族嫌悪かしら。いっそ雨になればいいのに。雨雲は黒く、その色は私を救ってくれるから。なのに今日も灰色の空。絵にもならない。あんな空は飛びたくない。私にとってはまるで牢。さしずめ、同じ色のこの部屋のように。だから私はじっと待つ。窓を閉めてじっと待つ。窓を背にしてじっと待つ。膝を抱えて瞳を閉じて。この曇り空を割いてくれる、黒い太陽を。ガラガラ…「はぁい、こんにちは。ちゃんとカビてるぅ?」「…いらっしゃい、水銀燈」雲の切れ間から現れる、綺麗で眩しい、私の黒い太陽を。【雲の】【切れ間から】
めぐ病室銀「こんにちはめぐぅ…って寝てるわねぇ」チリ~ン銀「あらぁ、風鈴が下げてあるわねぇ。涼しい音ねぇ」め「スースー」銀「でもせっかく冷房効いてるんだから、窓は閉めましょぉか」め「…う…うん…」銀「…めぐったらうなされてる…やっぱり窓は開けましょぉ」チリ~ンめ「スースー」銀「やっぱり風鈴が鳴ってたほうが良いのねぇ。まるで子守歌ねぇ」め「スースー」銀「もっと鳴らしてあげましょぉ」チリンチリン…チ…リンチ…リンチリンチリンチリンチryめ「SATSUGAIすっぞぉ!!フォー!!!」銀「ひっ!い、今の寝言なのぉ!?」【風鈴の】【子守歌】
め「と、言うわけで土用の丑の日は頭文字が"う"の食べ物を食べると良いと言うことらしいので 普通ならウナギと言うところをあえてターメリックたっぷりのウコンカレーにしてみたわ♪」銀「……」め「まぁちょっと失敗して水っぽくなっちゃったんだけど♪」銀「……」め「あ、絶対に2文字目と3文字目を伏せ字にしちゃダメよ ゲロみたいな飯どころかゲ○みたいな飯になっちゃうから♪」銀「……あんた絶対そのネタを言うために作ったでしょ……」
佐「は~…夜勤はこたえるわ~。見回りも疲れるし」カラカラ…佐「めぐちゃんはちゃんと寝てまちゅかね~…寝顔は良いのよ寝顔は。花瓶投げないから。チューでもしちゃおうかな~…って居ない!?掛け布団ごと!?そんな!一体何処へ!?」 ?「…くー…すー…」佐「え、寝息…?何処…何処なのめぐちゃん!?」?「むにゃむにゃ…ぐー」佐「ベッドの近く…?でも、ベッドは空なのに…やだ、やめてよ私そういうの嫌いなのよ恐いのよ!めぐちゃん…お願いだから見つかってよ…」げし?「ぐが」佐「え、今…何か蹴ったような…まさか!」バッめ「ん~…つめたぁい…ぐー…」佐「………」め「で、暑いからベッドの下で寝てたんだけど、何故か翌朝起きたらベッドが無くなってて布団の上で寝てたの。どうやって運び出したのかしらね。にしても酷い仕打ちだわ。ねぇ、訴えたら勝てると思う?」 銀「…やめときなさい」
め「水銀燈…今夜は月が綺麗ね」銀「そぉねぇ」め「でも私の人生にツキなんて無かったわ」銀「…(ここ笑うトコロ?)」め「月光には人を狂わせる力があるっていう話知ってる?」銀「えぇ…狼男とかでしょぉ」め「私もいっそ狂ってしまいたい…月の光を浴びながら死ぬのって美しくない?」銀「やめてよぉ…」め「そしてその光に導かれて…」銀「もぉ!いい加減にしなさいめぐぅ!怒るわよぉ!?」め「水銀燈、私が死ぬのは嫌?」銀「当然よぉ…」め「じゃあお願いを一つ聞いてもらえるかしら」銀「何よぉ…」め「月を見ていたら思い出したの。月ではバニーガールがお餅をついているって言うでしょ? 私、水銀燈のバニー姿見てみたいわ」銀「前言撤回、貴女一度死ぬべきだわ」【月光の】【下で】
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