甘い保守シリーズ14
131:GWな保守を致すかしら「てーへんだ、てーへんだ!」「………三角形の」「底辺だ、かしら?」「ちーがーうー………!お父様と、みっちゃん先生が………!」「出かけたみたいね。残されてるパンフレットからして、動物園か水族館、遊園地かしら」「複合体のレジャー施設かも知れないな。校外学習の下調べなんじゃないか」「………えと。普通に、デートって可能性は………?」「………おぉ」「………あぁ」「鳩が豆鉄砲食らったような顔、しなくても………」「そう言えば、そんな可能性もあるのか。にしても、何もこんな人混みが出来る時期に行かなくても」「是だから、ひきこもりは………!」「お前に言われたかないよ。大体、この歳になって、動物園とか水族館とか」「………楽しそう、だと思う」「………いかないぞ、僕は」「むぅ………………」「――でも、確かに気になるかしら。三人で、みっちゃんと槐先生を見つけてみない?」「『見つける』って簡単に言うけどなぁ………」「あら、パンフレットの置き方から、道順は絞れるわ。車も車庫にあるから、移動範囲も――」「――ある程度絞れる、か。なるほど、そう考えると面白そうだな。やってみるか」「ぅ………?なんか………うーん………………?」「………疲れた。結局、動物園と水族館は回ったけど見つからなかったなぁ」「それはそうかしら。あれだけの情報で人二人を探すのなんて至難の業だもの」「………ぉぃ」「――薔薇水晶、楽しんでもらえたかしら?」「うんっ。とっても楽しかった!………ぁ、じゃあ、やっぱり、探すつもりなんて――」「最初からなかったんだな………。僕はお前の掌の上で歩きまわっていた訳だ。ったく、降参だよ」「ふふ、学園一の策士・カナは、楽してずるしてGWを楽しんだのかしら♪」
132:GWな保守を致すわよぅ「ねぇねぇ、今日の朝方から沢山色んな物が届いてるんだけど………」「は?いや、僕じゃないぞ。そもそも、普通の通販じゃ祝日には届かない筈だし………」「でも、お姉ちゃんも知らないのよね………」「差出人とか、その住所は?」「それが………インクが滲んじゃってるみたいで、見えないのよ」「何となく怖いな………。あ、中に入っている物はわからないのか?」「それは、何とか。えと、針とか糸とか――」「あぁ、やっぱり僕じゃない」「それと………って、どうして其処で判断できるのぅ?使いそうなものなんだけど」「僕は、使えそうなものは注文しない」「きっぱりと断言するのも、お姉ちゃんどうかと思うの」「ぅ………。ゃ、えと、『それと』――他に何があるんだ?」「女性用の衣服、下着、それからラクロスの――」「いや、どう考えても僕じゃないだろう!?」「そ、そうよね。てっきり新しい道を見つけちゃったとか思ってなかったわよぅ?」「やかましい。――とりあえず、邪魔にならない様にリビングにでも」(ピンポーン「あ、あら、また来ちゃったみたいね………」「………僕が出るよ。配送の人に聞いてみたら、わかるかもしれないし」「ん、お願いね。………でも、是………欲しいモノばっかりなのよね………??」「――――手の込んだことしやがって………」「??――どうしたのぅ?」「あぁ、送られてきたダンボール、開けてもいいぞ」「え?じゃあ、差出人がわかったの?」「ほらよ、エアメール。――コレクトコールの番号、短縮の『1』であってたよな?」「ぁ………そっか、だから、私達が欲しいものが贈られてきたんだ………ふふ」「………ふん。さっさと帰って来いってんだ。ほら、かけるぞ――」改題 ―こどもの日の保守を致すわよぅ―
133:GWな保守を致すんだよ「あは………あはははははは………筆が進む進む………」「………蒼星石、少し休んだ方が良くはないか?」「あはは、結菱先生、こんにちはー、お日柄も宜しくー♪」「………く、手遅れだったか」「………手遅れって酷いですね。今の現実に戻ってきたくないだけです」「十分、手遅れだと思うがね。――しかしまぁ、GWだと言うのに、何故連日学園に来てるのだ?」「飼育係と庭園部、生徒会、料理部の仕事を引き受けたら………絶妙なまでに全部、違う日で………」「ふむ………日の確認すらしなかったのかね?」「ボク自身、此処に何日かは来る予定だったんですよ。家じゃ原稿進まないし………」「なるほど、その『何日か』で頼まれた四つの用事が片付くと思っていたんだな」「はい………あぁぁぁ、折角のGWが終わっちゃう!」「――当初の目的が成せそうな事だけが、唯一の救いか」「あ、いえ。目的の原稿は進んでません。一行も」「………筆が進む、と虚ろに呟いていなかったか?」「長編を仕上げるつもりだったんですが、何故か短編ががしがしと出来てしまいまった」「遠い目をされてもなぁ………」「だって、一人書いちゃうと他の子(キャラクター)の話も書いてあげたいじゃないですか!」「私に力説されても困るのだが」「――わかってますよ、自業自得だって事くらい。………でも、ちょっとは遊びたかったなぁ………」「………ふむ。愚痴位なら、差し入れが聞いてくれよう」「物に語りかけるほど、手遅れじゃないですっ」「者ではあるな。――そろそろ来る頃だろう」「………へ?」「――失礼します。結菱先生、『ボク 危篤 スグコイ』って何の暗号ですか………」「暗号も何も、言葉どおりだ。――さ、蒼星石、『差し入れ』だぞ」「………ありがとうございます。差し入れって事は、食べちゃってもいいんですか?」「はっはっは――お気に召すまま」「え、蒼星石?お前も呼ばれてたのか………って、ぅわ、虚ろな目で近づいてくるなぁ!?」
134:甘える保守を致すわぁ(水銀燈が誰かに甘えているようです。当ててみてください)「――ねぇ、洗濯物は此処で良いのぉ?」「――――」「そぅ、あ、ついでに畳んでおくわぁ」「――――」「ゴミもたくさん出てるわねぇ………ちゃんと分別してぇ――」「――――」「そ、そぅおぅ?大したことじゃないわよぉ」「――――」「お料理も………出来るんだけど………そ、その良かったらぁ………」「――――」「一緒に………つくってもらえないかしらぁ?」「――――」「うふふ、ありがとぉっ!」「………なにか、凄く釈然としない光景を見ている様な気がする」「そ?――私には、なんとなく納得出来るのだわ」「そんなもんか?」「あの子、同年代に対してはお姉さんしてるから………偶には、誰かに甘えてみたいんでしょう」「ふーん………でも、なんであいつなんだ?」「年上で優しいからじゃない?――それと。自分の姉を『あいつ』呼ばわりは止めるのだわ」「――熱っ、お鍋、もう冷めてると思ったのにぃ」「水銀燈ちゃん、水で指を冷やさなくちゃ駄目よぅ。――まだ、痛い?」「――うぅん、大丈夫。ありがとぅ、のりっ♪」(甘えてるだけです。百合じゃないです)
135:過保護な保守を致しましょう「ぁ――おぅい、めぐちゃん、お久しぶりよぅ」「………?――あ、のりさん。久しぶりね」「最近はどう?体の調子はいいの?実習は上手くいってる?ご飯はちゃんと――」「………質問は一つ一つお願い。あと、此処、図書館」「え?………あら、周りの視線が痛い、かも」「ね?――学食にでも行きましょうか。あそこなら話しやすいし」「――指導案をまとめて、寝るのが遅くなった時以外は、体調も悪くないわ。 実習は………どうなのかしらね。怒られてないから、大丈夫なんじゃない? ご飯も、昼食以外はちゃんと摂っているわ。学園の学食、馬鹿みたいに混むんだもの」「駄目よぅ、ちゃんと食べないと。ぁ、そうだ、それじゃあ、私が作って――」「ほんとに作りそうだから、却下」「えぇぇ!?………でも、三人分作るのも四人分作るのも変わらないわよぅ?」「あのね………私は貴女の弟でも、お隣さんでもないのよ?」「お友達よぅ?」「………過保護すぎるのよね。周りが周りだから、仕方無いと思うけれど。――そう言えば」「あ、あはは………。ん、なぁに?」「先日、水銀燈が世話になった様ね。迷惑じゃなかった?」「そんな事ないわよぅ、家事も随分と上手だし、とっても助かったわ」「そう………だったら、構わないけど。 あの子、しっかりしている様に見えて抜けてるとこあるから。 適当にすればいい所も、人に見られながらだと全力でやっちゃって失敗しちゃったり」「………ふふふ」「………何よ?」「めぐちゃんも、私の事言えないわよぅ。十分、過保護だと思うなぁ」「………かも、ね」(めぐとのりは大学生。んで、めぐは教育実習中です)
136:浪漫な保守を致すぞ(カタカタカタ………)「………ふむ。これは………」「結菱先生?――珍しいですね、パソコンに向き合ってるの」「ん、あぁ………少し、話のネタの詳細を探していてな」「………今、普通に授業中ですよ?」「私の授業はないのだ、堅い事を云うな。――それに、君とて」「まぁ、そうですね。暇つぶしに来たんです」「だろう?新人の頃ならともかく、手だれてくると空き時間は暇だからな」「私は偶々ですよ?――って、何を調べてるんですか。画面がエラい事になっていますよ」「教育実習の期間や時期を調べようと思ったのだが………検索ワードが拙かったらしい」「ですねぇ。全面ピンクな文字じゃないですか」「保健医とはそんなにいいものかね?私にはピンとこないのだが」「そりゃまぁ。 『保健の授業?私がおしえ(ry』っていうシチュは男子共通の憧れかと! 白衣もまたそそるもんですよ」「しかしだな、白衣ならば理科系当の先生方もきているのではないか?」「ぜんっぜん違いますよ! 理科系の先生方のは薬品の匂いがついちゃってるじゃないですか。 それに、実験とかで汚れちゃってますし」「保健医にもエタノール(消毒薬)の匂いがついてると思うがなぁ」「そういう問題じゃないんです。シチュエーションですから」「ふむ………私もまだまだという事か」「精進してくださいね」「――………先程から、何の話をしているのだ?」「む、槐先生か。いやなに、保健医の魅力を師事してもらっていたのだ」「いやいや、私ごときが師事だなんて。センセもわかりますよね、保健の先生の魅力っ」「私は若奥様一択d――ではなく。理解があり過ぎるのもどうかと思うぞ、みつ先生」「あっはっはっ」
137:GWな保守を致すわよっ(同~かしら、の裏話)「――薔薇水晶、そろそろ帰るぞ」「ん。金糸雀、金糸雀、イルカの曲芸、凄かった。ばらしーもやってみたい………!」「調教師かしら?なるのは大変そうだけど………」「うぅん、イルカの方」「そっちかよ。――でも、ほんと何所に何しに行ったんだろうな、みっちゃん先生と――」「槐先生、ね。遊園地の方だったかしら?」「遊園地は、行かないでいい。ばらしー、行った事ある気がする。ちっちゃい頃に」「聞いてない。――ま、今度正解を尋ねようか」「――しかし、良かったのか?折角の休日をこんな所で過ごして」「『こんな』とは酷いですねぇ。小粒ながらも面白かったじゃないですか。――それに」「まさかこの歳でメリーゴーランドに乗せられるとは思わなんだがな。――?」「第一目的は、此処に来た時点で達成できてますから」「………『今までのデータを消去して、セーブしますか』?」「あっはっは、私はそこまで女の子女の子してませんよ。ただの『上書き保存』です」「君ならばそうだろうな。………ん、喫煙所はどこだったか………」「覚えられてないんですか?ほかの施設は全部………」「以前に来た時は、止めていた時だったから。存在を確認すらしなかった」「………さいですか。えーと、確か、向こうにあった気が………あ、ほら」「うむ………」(ガサガサ「………マイセン?ホープでは?」「吸えれば何でも構わん。依存しているだけだからな」「わかってるんなら止めましょうよ。口も、臭くなりますし」「………止めた方がいいかね」「いいですね」「そうか。では、止めよう」「………はい。――そろそろ、帰りましょうか」「あぁ………――今度は、あの子にも『上書き保存』させに来よう」
138:不思議な保守を致すわよぅ「ん………ふぁ………――あらぁ………もうおひる………?」「――盛大に寝ぼけてるだけだ。まだ朝だよ」「ぁ、おふぁよぉ………でも、めざましどけーは12じよぅ?」「………あぁ、間違えた。まだ夜なんだ。夜の12時。だから、眠たかったら寝とけ」「ぅー………おそと、あかるいきがするんだけど………ふぁ」「あぁもぉ、眠くないなら起きる、眠いなら寝る!どっちだ!?」「ねむいぃぃ………」「――お休み、………今日は好きなだけ寝てくれ」「――ちょっと、この掃除機、狭い所に入らないんだけど」「――先っぽを外せよ。ったく、その歳になって掃除機の使い方も知らないなんて」「――う、うるさいのだわ!それより、洗濯物は?」「――もう取り込んでるよ。後は飯の準備………あ、真紅は掃除続けていてくれな」「――………一瞬の沈黙が気になるのだけれど。まぁ、従うわ」「ふぁ………んー………ろくじ………――って、18時!?た、大変、寝過ぎちゃったわ!」「――あら、起きてしまったのね、のり。もう眠くはなくて?」「真紅ちゃん………?――えぇ、寝過ぎちゃった位だけど………」「そ。じゃあ、顔を洗って、リビングでもう少しのんびりしているのだわ」「え、え、でも、お洗濯もお掃除も、あぁぁ、晩御飯の用意も――!」「洗濯と掃除は終わっているのだわ。ご飯もそろそろ………」「――あぁ、後30分くらいで出来るぞ。寝起きですぐには食べれないから、丁度よかったな」「え………?えと、なにがどぅ………??」「………僕は、別にどうでもよかったんだけどな」「相変わらず、そういう態度なのね。――いつもありがとう、のり」「………ぁ。――ふふ、じゃあ、今日は『息子』と『娘』に甘えちゃうわ。――ありがとぅ」改題 ―母の日の保守を致すわよぅ―
139:お菓子な保守を致すなの「ねぇねぇ、トモエ、あのね、ヒナ、お菓子が作りたいのっ」「お菓子?――どんなのが作りたいの?」「うと、えーと………うにゅー!」「苺大福………そんなに難しくは………あれ、でも、私も作り方知らない………」「………トモエ?」「だ、大丈夫よ、雛苺!すぐにわかるから、すぐに!」「………で、ウチに来たと」「………うん。パソコンで調べられるでしょう?」「柏葉の家なら、そういう本の一冊や二冊あるんじゃないか?」(カタカタ「あるにはあるけど………肝心のページが、色とりどりのうにゅーに染め上げられていて」「さもありなん――でも、お前の家にもパソコンくらいあるだろ?」「使い方わからないもの。『ぐふー先生』………が物知りなんだっけ?」「混ざってる混ざってる。――と、あった。………ほらよ、プリントアウトしたから――」「一緒に頑張りましょう」「………ぉぃ」「――用意できたの、早く早くっ」「あのな、チビいち………あれ、ぼくはいつのまにあんなみらー○に?」「うゅ………のりのエプロン、大きくてずれてきちゃうの。………う?」「雛苺、ちゃんと後ろをしっかり絞ればずれてこないわよ。――私も準備完了、と」「………これはこれでいいなぁ」「………対比されているのが少し苛立たしいけど。――ともかく、始めましょう」「へいへい」「――是で完成、と。意外と出来るものだね」「時間と材料があればな。――しかし、なぁ………この苺巨副はなんだ………?」「雛苺作成。………普通の大きさの、五倍くらい………?」「えへへ~、おっきなうにゅ~、美味しそうなのっ♪」
140:浪漫な保守を致 ―すぞ ―す「――ふむ………私の時代は、紙媒体としては少なかったからな」「ほう………では、どのような媒体だったのです?」「フィルム………映像だな。無論、今の様に数は多くないが、専用の映画館は数多くあった」「なるほど。でも小さい時によく潜り込めましたね。僕なんか、今でも無理だ………」「時代がまだ寛容だったんだろう。君の時はどうかね、槐先生」「私達の時代では紙媒体に移っていました。それでも中々手に入れる事は難しかったですが」「そうなんですか?」「そうなんだ。――公園の片隅、雑木林の中、人影少ない浜辺………。そこに打ち捨てられたソレ等を、私達は我先にと奪い合った」「熱い………戦いだったんだろうな」「えぇ、それはもう。………大概が雨風に晒されてボロボロでしたけどね。――さて、君の場合はどうなのだ?」「僕達は………パソコン、と言うかネットです。少なくとも、僕は」「なんと………なんと不憫な事か………!」「全くです………あの背徳感、そして高揚感は、それでは得られんだろう」「ほどほどにはあったと思いますが――………それでも、先生たちに比べれば、落ちるかもしれませんね」「………さっきから、握りこぶし固めて何の話をしてるんです、結菱先生?」「はっはっは、蒼星石は知らなくてイイーンダヨ?」「………おとーさまも、物凄い誇らしげに語ってたけど………?」「ふふふ、薔薇水晶、いやさ、ばらしー。女子供は知っちゃいけない話なんだ」「――そりゃ、初めてのエロ体験なんてわかって欲しくないでしょうねぇ、あっはっは」「って、ばらさないでくさいよ、みっちゃん先生!?」「………ふーん」「………へー」「あぁ、冷たい視線!?いや、しょうがないんだって!男はそんなもんなんだって!ねぇ!?」
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