真紅のココロ、水銀燈のカラダ
「ま、まぁこのくらい想定の範囲内かしら!さてさて、どうなったかしら?」「う・・・まったく・・・なんてことしてくれるのだわ・・・」「ふふふ~♪やったかしら!成功かしら!気分はいかが?『水銀燈』?」「アナタ、何を言って・・・え?」目線を上げると、拘束されたままうなだれている自分の姿が。「ちょっと!なんなのこれ!わ、私が水銀燈に!?」「そう!この装置は他人と心を入れ替えるというベタだけど誰も成し得なかった事をするためのモノかしら!さて、『真紅』の方は・・・って、あら?」「くあwせdrfgyふじこlp」「ちょ、ちょっと!私のカラダが白目むいて意味不明な事を口走ってるじゃない!?」「う~ん、水銀燈の方は上手くいったのにどうして・・・あー!真紅側の配線が何本か焦げてるかしら!さては昨日のカミナリで・・!」「ねえ、大丈夫なの?元のカラダに戻れるの?」「む~。成功したら直ぐに戻すつもりだったけど、まずはこの装置を直さないとだめかしら。とりあえず水銀燈・・じゃなくて真紅、直るまでは水銀燈でいるかしら。真紅のカラダは責任を持って管理するから大丈夫よ」 「ちょ、私が・・・水銀燈に?くっ・・・仕方ないわね・・・じゃあ金糸雀!直り次第直ぐに連絡しなさい!でないとジャンクにしてやるのだわ!!」「わ、わかったかしら。それよりも、水銀燈みたいに話さないとバレちゃうかしら」「へ?あ、そうね・・・ん、んん!あー、あー。す、水銀燈・・・よお?乳酸菌・・・採ってるう??」「(これは・・・バレちゃうかもかしら・・・)」
「さて・・・これからどうしたものか・・・」その後、真紅は今後の事を考えるため水銀燈のマンションに来ていた。「金糸雀も長くても三日はかからないと言っていたし・・・別にお金もあるのだから焦る事は無のだけど・・・」握りこぶしを作り、体がプルプル震え出す。「なんなの!?この胸の重さはー!!!」嘆きの波動(?)で花瓶が倒れたが、そんな事を気にしていられる真紅ではなかった。「有り得ないわ!こんな、こんな・・・!谷間だってこんなに・・・!」それからたっぷり一時間、大きな鏡に今の自分の下着姿を写し、半ベソをかきながら胸をモミくだす真紅。「この、この!これでもか、これでもか!!」親の仇のように力いっぱい揉んでいたため赤くなってしまったが、それを気にしていられる真(ry「はぁ、はぁ。ちょっと熱くなりすぎたのだわ・・・何か飲みモノは・・・」冷蔵庫を開けると、マシンガンのカードリッジのごとく陳列されているヤクルト。ていうかヤクルトオンリー。「まったく、あの子普段の食事はどうしてるのかしら・・・」昔飲んだ時より美味しく感じるヤクルト片手に、ちょっと痛くなってきた胸を摩りながらこれからの献立を考えるのであった。
「(まったくこの胸は!歩くたびに揺れて!)」そんな事を考えながら食材を買うため商店街へ向かう。途中若い男に声をかけられドキッとしたが、今の自分の姿を思い出しにこやかにスルー。「そこの美人のお姉さん!今これが安いよー!」「やー、たいしたべっぴんさんだ!これオマケしちゃうよ!」行く店、通る店でそんな事を言われる。始めは悪い気はしなかったが、だんだん何も感じなくなり、最後には嫌気がさしてきた。もちろん顔には出さなかったが。あと、女性店員の態度や女性客の視線が普段自分が感じているソレとは違っている事に気付いた。何か・・睨まれているような、軽蔑されているような。決して気分のいいものではなく、買い物も早々に済ませ、早く帰宅することにした。夕食後、紅茶・・が無かったので仕方なくヤクルトで一服する。「なんか・・・無性に疲れたわね。明日からの食事はコンビニか出前で済ませようかしら・・・」そこでこの家の冷蔵庫の中身を思い出す。もしかして、あの子も・・・?「・・・ふぅ。とりあえず、今日はお風呂入って早めに寝ましょう」お風呂を沸かし湯舟に浸かり、そこに浮かぶ二つの塊に今日何度目かの奇声を発しながら、慌ただしい一日はふけていった。
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