十八章「闇へ」
十八章「闇へ」土の街より北にまっすぐに行った闇の街…そこに真紅達はいた。水銀燈が急かすため話を聞いた後すぐにジュン達と分かれて飛んできたのだ。金「暗いかしら暗いかしら暗いかしら~~。」水「そんなことどうでもいいわぁ。さっさと情報探すわよぉ。」闇と呼ばれる存在だけに街は暗く他の街のような活気はまったく無かった。真紅達は前回同様各自分かれて情報収集することにする。真紅も今回は真面目に情報集めをする。すべては水銀燈のため…それが復讐という名の暗いものだったとしても…水「今回の神殿はどこよ!まったく同じ事しか言わない上に暗いと来たら最悪だわ!」通常の情報収集でも大量の精神力を使うというのに街に置かれたNPCが全員暗いとあって水銀燈はイライラしていた。水「…時間ね。しかたないわぁ。」そうしている間に集合の時間が来てしまう、水銀燈は仕方なく真紅達のところに帰る。収集場所には水銀燈の予想どおり金糸雀が待っていた。しかし肝心の真紅の姿が無い。水「金糸雀ぁ真紅はぁ?」金糸雀はわからないと首を振る。しかたなく水銀燈は金糸雀に収穫があったかを聞いてみる。 金「収穫なんて無いかしら。暗くて喋りにくいし駄目駄目だったかしら。」水銀燈は聞く前からわかっていた。金糸雀がこの空気に合わないことも情報を集めるのが苦手なことも…真「二人ともまさか情報0何ていうんじゃないんでしょうねぇ?」集合時間に少し遅れて真紅は水銀燈達と合流する。水「貴女はどうなのよぉ。」水銀燈はあまり期待していない声で真紅に問い掛ける。しかし真紅は自信満々の顔であるわ。と言う。……………真紅の情報で街の片隅の洋館…真紅と水銀燈が戦った洋館とそっくりの…水「ちっバカにしてるの!?この洋館…」水銀燈はもとい真紅、金糸雀ともに嫌な顔をする。前回よりも綺麗な風貌だがそのまがまがしい雰囲気はより一層強まっていた。真「神殿ではなかったの?この場所は…」その時天井より高らかな笑い声が響いてくる。ヌ「気に入ったかしら?わざわざ貴女たちのために私の神殿を改装して上げたのよ?」その声の主はヌイ。ジュンに吹き飛ばされた腕は完全に修復されている。ヌイを見た瞬間水銀燈の顔は怒りの表情にかわった。水「メイメイ!!」先制は水銀燈。その漆黒の翼から無数の羽根が飛ぶ。 ヌイはその羽根をすべて避ける。ヌ「わかりやすいのはいいけどね。私は貴女と戦う気なんて無いのよ。だからこいつらの相手でもしてなさい。」ヌイがそう言うと真紅達の目の前に黒い骸骨があらわれる。前回の骸骨などとは違い武器は新しくそのバリエーションも槍、剣、斧、弓と多彩になっていた。ヌ「じゃあ頑張ってね。」そう言ってヌイは闇の中へと消えていく。水銀燈は張り裂けんばかりの声で叫ぶが間に合わない。真「水銀燈…まずはこいつらを倒すわよ。」各自散らばり戦闘を開始する。金糸雀は骸骨から距離を取りかまいたちを操り弓を持つ骸骨を粉砕していく。水銀燈は矢に当たらないよう翼を広げ天上に向かって飛ぶ。そして漆黒の羽根を敵全体に降り注ぐ。真紅は金糸雀達の攻撃に当たらないよう骸骨達に近付きホーリエによって炎をまとわせた剣を振る。まさに絶妙なコンビネーションで骸骨達を駆逐していく。ものの数分で三十はいた骸骨が全滅する。水「さっさとあいつを追うわよ!」水銀燈と真紅は骸骨に背を向け奥に入っていこうとする。しかしそこで金糸雀が倒れている骸骨達の異変に気付く。 金「あぶないかしら!」すべて粉砕したはずの骸骨が蘇り弓を持っていた骸骨が弓を構える。水銀燈と真紅は金糸雀の叫びに骸骨達に気付くがその時にはもう矢は放たれていた。降り注ぐ矢は無情にも止まることはない。真紅達は迫る矢に恐怖し、目をつぶる。金「ピチカート!!」金糸雀の叫びと一瞬の閃光。真紅達は来ない矢に恐る恐る目を開ける。真「金糸雀!?貴女…」真紅達は風の壁…そして自らの体を盾として自分を守る金糸雀が目に入る。金「えへ…へ…ドジっちゃったかしら…」風の壁である程度は防げたものの矢は金糸雀の右肩に当たっていた。水「くっ。雑魚共のくせにぃ!!」水銀燈は双頭の黒龍で弓を持っていた骸骨を粉砕残りの骸骨も真紅の炎龍で燃やし尽くされる。真「金糸雀…大丈夫?なんでこんな…」金「だ、大丈夫かしら…このくらい…さぁ先に進かしら…」強がって先に進もうとする金糸雀だが激痛のせいで肩で息をしていた。水「何言ってるのよ金糸雀…大丈夫なわけないじゃない!?一度引くわよ。」水銀燈は復讐など忘れ金糸雀を担ぎながら洋館を出る。 洋館を出た真紅達は目の前の光景に絶句する。洋館に入る前まで暗い街だった…ただ暗いだけの…しかし現状は違う。街にいたはずの住民は消え去り変わりにゾンビが道を歩いていた。真「…まさか始めから街など存在しなかったの?ここその物が闇の神殿…」ゾンビ達は真紅達に気付き次々と襲い掛かってくる。水「気持ち悪いのよ!!」水銀燈は金糸雀を担ぎながら宙に浮かび羽根で攻撃していく。真紅は地上で近づいてくるゾンビを斬っていく。しかし金糸雀というハンデを背負った状態の真紅達に数で迫るゾンビ達をすべて倒すのは実質不可能に近い。真「(まだよ。こんなところで終わるわけにはいかないわ。)」そんな状態でも二人はあきらめずに戦い続ける。しかしそれすら限界になってきた。水「(駄目ね…もう…)」落ちる水銀燈。下にはゾンビの群れ落ちれば死は免れない。しかし落ちる水銀燈達を何者かが高速でキャッチする。?「危なかったわ。いきなり雛苺との約束を破るところだった。」何者かは真紅の近くで着地し水銀燈達を下ろす。真「貴女は?」疲労困憊の真紅はその少女が誰なのかを確かめる。 巴「私は巴、柏葉巴よ詳しいことは後で説明するわ。だから少し休んでいて…」巴て名乗る少女は真紅に水銀燈達を託してゾンビ達に近づいていく。巴は手には光の剣、背中からは白い翼を生やしゾンビ達の前に立つ。水銀燈と違い翼は一つしかなくさながら片翼の天使であった。
舞台裏ジュン&巴&雛苺ジ「十八章終わりだ。」雛「結局このスタイルに決めたなの?」ジ「そうだよ。ただ今回は少しもれて最後増やしたけど…」巴「大丈夫よ。私の登場よかったわ。」雛「そうなの~。トモエかっこ良よかったの~。でもヒナがでなかったのよ…」ジ「雛苺がでるのはもう少し先だぞ?今は柏葉を応援してやれよ。(自画自賛かよ…)」雛「うゅ?わかったの~。トモエあいとあいと~なの~。」巴「うふふ、ありがとう雛苺。私も頑張るわ。」ジ「そうだぞ。頑張れよ。(ふう…よかった。これ以上面倒はごめんだからな。まったくいちいち処理するこっちの身にもなってくれよ…)」巴「……桜田くん今よくないこと考えなかった?」ジ「えっ!?何の話だよ柏葉。そ、そんなこと一ミリ足りとも考えてないぞ。」巴「雛苺…ちょっと雪華綺晶呼んできてくれる?」雛「わかったの~。呼んでくるからちょっと待っててなの~。」ジ「えっ!?こら雪華綺晶なんて卑怯だぞ。まっ…」巴「…やっぱり考えてたんだ…」ジ「いや今のは間違いで…」巴「いくら私たちが可愛いからってそんな…」ジ「(そっちかよ。なんだこの柏葉…)」
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