十四章「神殿」
十四章「神殿」ゴーレムは突進してくるベジータに対して素早く右腕でなぎ払おうとする。しかし肉体強化したベジータはその足で高く飛びゴーレムの腕を飛び越す。着地するベジータに今度は左腕で攻撃するゴーレムゴーレムの攻撃はベジータに直撃し砂煙をあげる。それを見た金糸雀と翠星石は思わず目をつぶってしまう。笹「心配ないよ。あれはベジータだよ?」笹塚の言葉に翠星石達は目を開け真紅達の方を見る。翠星石と金糸雀以外はまっすぐベジータのいる場所を見つめていた。翠「蒼星石!?なぜそんなに平然としていられるですか!?」蒼「大丈夫だよ翠星石。さっきのベジータ君の動き見たじゃないか。ほら見てごらんよ。」蒼星石に言われるがままに翠星石は砂煙が晴れるのをじっと待つ。砂煙が晴れるとゴーレムの腕とベジータのハンマーがぶつかっているのが見えてくる。 ベジータはぶつかっていたハンマーを離し後ろに飛び退く。それと同時にゴーレムの右腕は崩れ落ちる。翠「?なんでゴーレムの腕が壊れてるですか?」水「彼はゴーレムの腕が当たるより先に自分のハンマーを当てたのよぉ。」水銀燈達が感心するなかベジータは次の行動をおこす。ゴーレムの懐に入り込み足に力を込めて飛ぶ。腕が壊れて動きの鈍ったゴーレムは反応しきれず頭にベジータを乗せる形になる。べ「すまねぇな。早めにしろって言われてるからこれで終わらせてもらうぜ。」ゴーレムは左腕で払おうとするがベジータがハンマーを振るほうが早く頭に激突する。衝撃音がまわりに響きわたりゴーレムの頭にひびが入る。笹「おわったな。」ベジータは即座にゴーレムの頭から飛び降りる。そして着地すると後ろに飛び退く。ゴーレムはゆっくりと動きを停止させその体を地面へと向かわせる。翠「な、なかなかやるじゃないですかM字」近づいてくるベジータに翠星石は悪口なのか誉め言葉なのかわからないようなことを口にする。べ「M字はひどいぜ。まあ照れ隠しと受け取っておこう。」ベジータのポジティブ思考に笹塚とジュンはため息を吐く。 蒼「それにしてもすごいねベジータ君。あんなゴーレムを一人で倒すなんて」べ「まあ俺にとっては朝飯前だ。それより先に進もうぜ。」ベジータはジュン達より先に神殿に入っていく。真「強いのは認めるけど自信がありすぎるのはいただけないわね。まあ強いからこその自信なんでしょうけど…」ジ「まあ元からあれだからな。仕方ないさ。」ジュン達もベジータの後を追い神殿に入る。水「バカにしたみたいに一本道ねぇ。」金「山道がきつかったからここは楽に設定してるんじゃないかしら?」石でできたその神殿は分かれ道もなくまっすぐにできていた。真「油断はできないわ。罠があるかもしれないんだから。」笹「…見たところ罠らしき物はないよ。あったとしてもベジータが先頭歩いてるから大丈夫だよ。」ジ「ベジータはまず死にそうに無いからな。」ジュン達がそんな話をしている間にベジータは大きな部屋に出る。べ「笹塚~あれはなんだ?」ベジータの呼び声に笹塚は少し歩きを早めジュン達から離れる。翠「あんなに動いたのに元気ですねぇM字は…」蒼「翠星石それ定着させる気なのかい…」 翠「なんのことですか?」翠星石の言葉に蒼星石はため息をつきながら頭を抱える。ジュン達が部屋に入るとまず真ん中にある物に目がいく。ジ「ベジータなんだあれ?」べ「とってみるか。」ベジータは浮いている丸いメダルを取ろうと部屋の中央に向かう。笹「ベジータちょっと待ってくれ。僕がいくよ。」笹塚の申し出にベジータは足を止める。笹塚はベジータを追越し部屋の中央に向かう。真「ベジータにいかせればいいのになんで笹塚がいくの?」ジ「笹塚に対処しきれないものはベジータが対処する…つまり逆もまた然りだよ。」笹塚は迷うことなくメダルに手を伸ばす。しかしなにか見えないものに阻まれる。笹「…やっぱりか。」翠「なにがですか?笹塚」蒼「(笹塚君は普通にいうんだ…)」笹塚はジュン達のところに戻ってくる。笹「バリアだよ。僕じゃなかったらたぶん触れた瞬間消滅してた。」金「バリアかしら?解く方法はあるのかしら?」全員首をひねる。そして真「あれが重要なものだというのはわかるわ。でも解く方法はないわね。少なくともここまでの通路には…」真紅が考えをまとめる。金「なぜかしら?」 真「おもいだしなさい。ここまでは一本道だったのよ?そしてここにはあのメダル以外何もないわ。」真紅はメダルに指を差しながら全員に説明する。水「つまりぃ手立てがないじゃなぁい。」真「いいえまだこの部屋をさがしてないわ。」水銀燈はまわりを見回す。水「でもぉ何かあるようには見えないわよぉ?」部屋は入ってきた中央のメダル以外特に目につくものはなくさっぱりとしていた。ジ「…ゲームならこういう場所に隠し扉とかあったりするよな。」笹「たしかに。こういう場所こそ怪しいものだよ。」ジュン達は手分けして部屋を調べることにする。ジ「(まったくこういう時こそ出てこいよなあいつ…)」ジュンは手探りで壁を触っていく。笹「なにもないね。」べ「何もないな。…壊すかこの壁?」笹「それはやめとこうよ。神殿ごと崩れられても困るからね。」ベジータは探るというより壊そうとする。が笹塚に止められて普通に探し出す。水「めんどくさぁい。バリアねぇ。羽根で壊せない退かしらぁ?」水銀燈は羽根をメダルの方に飛ばしだす。しかし羽根は一定の場所までくるとことごとく消滅してしまう。 金「こんな時は策士のカナの出番かしら~。」金糸雀は怪しい場所を探しながら走りだす。金「なんにもないかし…ってあわゎゎゎ」しかし出っ張った床につまづく。金「い、痛いかしら…」真「まったく貴女は…この前私より大人だと少しだけど思ったのに…無邪気なだけね。ついでにいうと策士でもないわよ。」真紅は転けた金糸雀を見て呆れながらも手を差し伸べる。金「ありがとうかしら…。でも言うこときつ過ぎかしら。」真「事実よ。それより水銀燈無駄なことしないでちゃんと探すのだわ。」真紅は金糸雀を起こしながら羽根を飛ばしている水銀燈に注意する。水「わかったわよぉ。」水銀燈は翼をしまい普通に探しだす。それをみた真紅も探索を再開する。翠「まったくめんどくさいですぅ。とりあえず蹴りながら探してやるですぅ。」翠星石は自分が痛くない程度に壁を蹴ながら探す。蒼「蹴ったって何も出ないよ翠星石。普通に探してよ。」翠「そんなことわからないですぅ。もしかしたらなんかでるか…」翠星石は壁を蹴りながら蒼星石に言い訳のようなことをいう。その時翠星石が蹴っていた壁が周りより少し奥にへこんだ。 翠「あれ?」へこんだ壁の隣がさらに大きく奥にへこむ。蒼「本当にあったのかい?」翠「そのようですぅ。まあ翠星石ははじめからここが怪しいと睨んでいたのですぅ。」蒼星石は横目で翠星石を見ながもジュン達を集める。笹「隠し通路だね。」ジ「まあ通路と言うには狭いけどな。」べ「じゃあ下水道か?」ジュン達は黙れというツッコミをいれながら現われた通路を見る。真「汚い通路ね。私は入らないわよ。」水「私もパスねぇ。」通路は薄暗いうえにホコリが大量に積もりかなりひどい有様になっていた。笹「そんなに人数は入れそうにないし僕とベジータと翠星石と蒼星石で入ろうよ。」翠「ちょいと待つです!!なんで翠星石達がおめえ等と入らなきゃならねぇですか!?」翠星石はグーを突き出しながら笹塚に意見する。笹「見つけたの翠星石達なんだからそれくらいの特権はあげなきゃ。」翠「そんな微妙な気遣いいらんですよ!!」翠星石はそう叫ぶが蒼星石が落ち着かせながら説得する。蒼「まあいんじゃないかな?それに翠星石こういうとこ好きじゃないか。」笑顔の蒼星石に翠星石は顔を引きつらせながら肩を落とす。 翠「(なぜこんな時だけ蒼星石は強いんですか…)」べ「さぁて何があるか楽しみだな。」ベジータはやる気満々で通路に入っていく。しかたなく翠星石もついていく。金「翠星石達大丈夫かしら?」ジ「なにかあってもベジータがいれば大丈夫だろ。それになにかあったらすぐ入ればいいよ。」 ジュン達は通路に入っていく翠星石達を見送る。翠「きったねぇです。なんで翠星石がこんな目に…」蒼「まあそういわないでよ。なにかあるよ。」翠星石達は通路を進んで少し広い部屋に出る。部屋は通路と同じくひどい有様だ。翠星石達は部屋の真ん中に棺を見つける。べ「ミイラとか入ってそうな大きさだなこれ。」翠「何をいってるですかM字。気色の悪いこといってるんじゃねぇですぅ。」笹「開ければわかるよ。これ以外には何もなさそうだし。ベジータ頼むよ。」ベジータは笹塚にそう言わるとホコリまみれの棺の端を迷うことなく掴む。翠「よくあんなの触れますねぇ。そこら辺は感心するですよ。」翠星石の微妙な感心を聞き流しながらベジータは棺を開けていく。
舞台裏ジュン&水銀燈&薔薇水晶ジ「十四章終わったなぁ。」水「ジュンそれよりこの子なんとかしてよぉ。怖いわぁかなり…」薔「ベジータ…コロス…ベジータ…コロス」ジ「…え~と次はあの棺の中身があきらかに…」水「ジュン…現実逃避しはじめたわねぇ。」薔「ジュン…私の…出番はまだ…?」ジ「まだまだ先です。でもだからってそんな殺気を目で直視できるほど出さないでください。」水「ジュン怖すぎて敬語になってるわねぇ。」薔「…ベジータを殺して私が成り代われば…」ジ「それは絶対無理だと思うぞ。」薔「…じゃあどうしたらいいの…?」ジ「おとなしく出番を待つ。」水「思い切っていったわねぇ。さて薔薇水晶どうでるのかしらぁ?」薔「…銀ちゃん…」水「えっな、なぁにぃ?(私にくるなんて予想外だわぁ…)」薔「…ベジータを殺す計画をたてたいんだけど…」水「や、やめたほうがいんじゃなぁい?薔薇水晶、ベジータにはなれそうにないしぃ。(ジュンを無視したわね…)」薔「…しかたないか…。…なら金糸雀でも…」ジ「もうやめてくるよ薔薇水晶…。」
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