きらきーのおすそ分け
み「うぅ…今夜もまたマヨネーズご飯か…」金「みっちゃんがもうちょっと衝動買いを抑えてくれたらこうはならないのよ?わかってるかしら?」み「まったくもってその通りでございます……」その時である…『ピンポーン』み「あら?誰か来たみたい。」金「こんな時間に誰かしら…?カナちょっと見てくるかしら。」金糸雀は玄関まで歩いていくと、しばらくして大きな発泡スチロールの箱を抱えて戻ってきたみ「カナ、どうしたの?それ…」金「んしょっ!ふぅ…重かったかしら。なんか宅配便みたいかしら。えっと…差出人は……あ、きらきーからかしら。」み「雪華綺晶ちゃんから?何だろう?」金「さぁ?えっと…生物って書いてて…送ってきたのは……北海道からかしら!」み「北海道?旅行でも行ったのかな?」金「わざわざ北海道から送ってくるなんて…これは何なのかしら?」金糸雀は箱の蓋を開けようと手を伸ばしたその時であった!『ズボオッ!!』金・み「「!?」」突如として発泡スチロールの箱を突き破って中から左右3本ずつのトゲのついた長い脚が飛び出してきたのだ
しかもそのビックリ箱から生えた脚はそのままカサカサと動き横へと移動を始めたではないかみ・金「「きゃあぁー!きゃあぁー!きゃあああぁぁー!!」」みっちゃんと金糸雀はその恐怖の光景に肩を抱き合いながら絶叫するやがてソレは箱を破壊して自ら外へと飛び出してきたみ「あ…あれは……確かタラバガニ?でも…なんで?」金「あ!きっときらきーがお裾分けに送ってくれたのかしら…しかもご丁寧に活きたヤツを…」み「これは……鴨がネギしょってやって来たわねぇ…ジュルッ…」金「えぇ…まったくかしら…ジュルッ…」ここのところロクな晩餐を取っていなかった2人は目を血走らせながら蟹へと歩み寄る…み「お鍋…焼き蟹…活け造り…ハァハァ…」金「蟹味噌…蟹飯…蟹雑炊……もうたまんないかしらあぁぁぁ!!」バッ我慢できなくなった金糸雀が蟹へと飛びかかる。だが、蟹は信じられないほど俊敏な動きでそれをかわしたのであった金「なっ!?よけ…」そして次の瞬間から金糸雀の悪夢が始まった。なんと蟹は顔を上げた金糸雀の顔面に体を覆い被してきたのだ…金「ぎぃやぁぁああああああああああ!!」
周囲に金糸雀の絶叫が響き渡る。その光景はまさに映画「エイ○アン」の某シーンそのものであった…そして蟹はその脚で金糸雀を固定したまま鋭い鋏を振りかざす金「みっちゃん!みっちゃあああああああん!!助けてかしらああああああ!!」金糸雀はその鋏を両手で必死に受け止めながらみっちゃんに助けを求めたみ「カナ!このぉおおおおお!!カナを離しなさーい!!」みっちゃんが護身用のバットを手に蟹に迫るが…み「うっ!(ま…まてよ?ここでこの蟹を殴って台無しにしちゃうとまたしばらくマヨネーズご飯が続く…いいえ!でもカナが私に助けを……あぁ、でも蟹なんてここ数年カニかまで我慢してきたから…ああぁ、でもカナが……)」よりにもよって貧乏性が高級食材を前にフル可動したみっちゃんは動きを止めてしまったのである金「みっちゃあああああああん!!ヘルプ!ヘルプミーかしら!!ぎぃやああああああぁぁぁ!!」蟹の鋏がカショカショと動き少しずつ金糸雀の眼前に迫る…一方その頃…薔「あ、メールだ…なになに………お姉ちゃん、ジュンや銀ちゃんたちから蟹ありがとうだってさ……」雪「まぁ、もう届きましたか。早いですわね。」
薔「ふふっ…本当に美味しかったもんね……幸せお裾分け…」雪「えぇ、皆さん喜んで貰えたようでよかったですわ♪」だがその頃、その優しさのためにトラウマになりそうなほどの恐怖を味わっている友人がいることを2人は知る由もなかった…金「ひぃぎゃあああああああああ!!誰か…誰か助けてかしらあああああああああッ!!」み「カナも大事だけど蟹も…あぁ、どうすればいいの?…ブツブツ…」終わり
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