ホワイト・デイドリーム
《ホワイトデー》バレンタインデーにおかえしがないのはおかしい。そんな意見を参考にした菓子屋の戦略によって定着した日本の行事。おかえしとして男性がマシュマロ・クッキー・キャンディなどを贈る日。バレンタインの告白の返事としての意味も込められてたりすることもあるので、もらえるかどうかは大問題。教室にはどことなくそわそわした雰囲気が・・・。金「JUMの鞄の大きさはいつもと同じだったかしら。」真「教室には持ってきていないだけなのだわ。」翠「帰宅部の奴にはほかに置くとこなんてねぇです。」蒼「ロッカーに置いてきたんじゃないかな?」薔「・・・ロッカーにはなかった。」雪「なかったって勝手に開けてきたんですの?」銀「ひとつしか持ってきてないから嵩張ってないんじゃないのぉ?」雛「なあに?お菓子もらえるの?」おかえしは昼休みまで誰ももらえていなかった。『こいつ忘れてやがる!』協議の末、結論が導き出された薔薇乙女たち。かくしてJUMにホワイトデーを認識させるべく「戦慄の白日夢作戦」(命名:薔薇水晶)が決行されることとなった。
●水銀燈の場合銀「ちょっとJUM、今日は何か渡すものがあるでしょう?出しなさいよぉ。」J「ああ、これが欲しいのか。」つ凸ヤクルト・・・銀「もらっちゃった、もらっちゃった♪」真「水銀燈、侮れないのだわ。」翠「ヤクルトもらって喜んでる場合じゃねぇです!」薔「・・・銀ちゃん。」●金糸雀の場合金「JUM、マシュマロの袋が開けられないかしらー。。」J「ん?どれどれ・・・(バリバリ)ほれ、開いたぞ。」金「ありがとうJUM、お礼にひとついかがかしら。」・・・金「一応JUMから受け取ったかしら」真「金糸雀、なかなかやるのだわ。」雪「事実としては確かにそうなのですが・・・。」翠「このバカナリア、自分があげてどーするですか!」蒼「直球で行ったのに気付いてもらえなかったね。」
●翠星石の場合翠「JUM、これあげるです。」そう言って翠星石はホワイトチョコレートをJUMに手渡した。J「ああ、サンキュー。・・・美味いなこれ。」翠「翠星石の手作りなんだから美味いに決まってるです。もっと褒めるです(////)」J「わかったよ。翠星石は料理が上手だな。本当においしかったよ。」・・・翠「やったです。JUMに褒めてもらえたです(////)」真「翠星石、腕を上げたのだわ。」雛「翠星石すごいの。ヒナにも作って欲しいのー。」金「でも気付いてもらえてないかしら。」雪「もう本人が満足ならそれでいいのでは。」翠「はっ、舞い上がって本題に入るの忘れたですぅ。」●蒼星石の場合蒼「ねえJUM君、今日は何の日か知ってる?」J「ああ、丁度大阪万博が開催された日で・・・。」・・・蒼「延々と語られちゃった。けどずっと二人きりで・・・(////)」真「蒼星石も隅に置けないのだわ。」翠「このばかちーん、語らいの為に行かせたんじゃねーです!」薔「・・・ウラヤマシス。」雪「直接訊いても気付かないなんて・・・。」銀「なかなかでごわいわねぇ。」
●真紅の場合真「JUM、紅茶を淹れなさい。」J「今から?しょうがないな。・・・はい、どうぞ。」真「ちょっと、お茶請けがないのだわ。」J「急に言われても・・・鈴カステラならあるぞ。」・・・真「鈴カステラ、魅惑の味だったのだわ。」翠「結局お茶飲んできただけですぅ。」銀「食べ物に釣られるなんてさもしいわねぇ。」真「飲み物に釣られたあなたに言われたくないのだわ。」●雛苺の場合雛「ねぇJUM、お菓子持ってたら欲しいの。」J「お菓子・・・チョコべいびーならあるぞ、ほい。」雛「ありあとJUM。」・・・雛「やったの。JUMからお菓子もらったの。」真「雛苺、恐ろしい子なのだわ。」翠「このオバカ苺、何でももらえばいいってもんじゃねーです!」雪「でも一応もらえてはいるんですもの。うらやましいですわ。」雛「チョコべいびーおいしーの。」薔「・・・ちょっと欲しい。」
●雪華綺晶の場合雪「JUMちょっとホワイトかけるの手伝って欲しいんですけど。」J「ああ、それくらいならできるぞ。」雪「ところでホワイトといえば今日はホワ(ry」J「ちょwwwこの原稿wwww」雪「きゃあぁぁぁ、あの、その、ワタクシ急用が・・・。」・・・雪「間違って別の原稿を持ってきてしまいましたわ。」真「雪華綺晶、あなた一体・・・。」薔「・・・ゴメンそれわたしの。」翠「なんてモン持ってくるですか(////)」薔「・・・完成したらあげる。」蒼(1冊ほしいかも)●薔薇水晶の場合薔「・・・JUM、このデッキで勝負。」J「今日は白青デッキか。だがこれでどうだ?全軍で攻撃。」薔「ふふ、『聖なる日』でダメージゼロ。そして俺のターンw・・・ダメージ20点。」J「ま、負けた、この僕が。」・・・薔「・・・勝った。面白かった。」真「薔薇水晶、いいデュエルだったのだわ。」翠「結局ゲームで遊んできただけじゃねーですか!」雪「あら、『聖なる日』とか『けちな贈り物』とか入ってましたわ。」蒼「遊んでたら気付かないと思うけどなあ。」
結局放課後までに誰一人として気付かせることができなかった。銀「みんなだらしないわねぇ。」真「人のことは言えないのだわ。」翠「こんなことなら他の男子にでも頼んどけばよかったですぅ。」蒼「JUM君先に帰ったみたいだから家に取りに行ったのかも。」雪「一旦帰ったのなら多分大丈夫ですわね。」真「そうね、のりが居るはずなのだわ。」薔「・・・でも今日はまあまあだったかな。」雛「ヒナもちゃんともらえたのー。」金「カナはちゃんとマシュマロ受け取ったかしら。」蒼「ものはもらってないけど二人で過ごせたし・・・。」雪「あのような辱めに遭うとは思ってませんでしたorz」薔「・・・大丈夫。のりならなんとかしてくれる。」
の「おかえりJUM君。そうだ、今日は何の日か知ってる?」J「大阪万博開催の日だろ。太陽の塔のレプリカ随分ネットで探したなあ。」の「そうじゃなくて、ホワイトデーでしょ。」J「う、しまった!すっかり忘れてた。そうか、それであいつら・・・。」の「そんなこともあろうかとお姉ちゃん用意しておいたのよ。」のりが台所から小さな紙袋を八つ持って出てきた。J「ありがと姉ちゃん。帰りに姉ちゃんの分買ってくるからな。」
J「みんなまだ帰ってなかったのか、よかった。」真「JUM、随分と遅かったのだわ。」薔「・・・紙袋が八つ。」雪「ということは。」J「ああ、遅くなって悪かったな。これ、バレンタインのお返し。」薔薇乙女達「よかったー。JUMありがとう。」雛「ねえJUM、なにが入ってるの?」J(聞いてくるの忘れてた)「ま、まあ開けてからのお楽しみかな。」翠「なにやら箱に入ってるです。」薔「・・・振っても音がしない。」金「硬い感触からするとカナの見立てでは瓶入り、すなわちキャンディかしら!」蒼「気になるね。みんな同じものなの?」雪「私のも固いですわね。きっと同じものですわ。」銀「順番に渡してたってことは1番目の私はきっと特別よぉ。」真「そんなことはないのだわ。むしろ主人である私のものが・・・。」J「同じだって。開ければわかるから、な?」
箱を開けるとほのかに漂うのは薔薇の香り。中身は瓶詰めのローズジャムだった。雪「ローズジャムだなんて素敵なプレゼントですわ。」銀「ふぅん、なかなかおしゃれじゃない。」真「いい香りね、JUMにしてはまあまあのセンスなのだわ。」薔「・・・JUMオサレ。」雛「あ、このジャムおいしいの。」金「ちょっと雛苺、早速食べてるかしら?」真「いいわね。JUM紅茶を淹れなさい。ローズティーにするのだわ。」J「もう食べるのか?あ、こんなのもあるぞ。」鞄からビスケットを取り出す。翠「なかなか気が利くですね。ここは翠星石が食わせてやるです。」蒼「姉さん盛り過ぎだよ。指まで垂れてる。」翠「(ぼそ)蒼星石は考えが足りねぇです。な、舐めとってもらうです(////)」薔「・・・(はむ)JUMのジャム、おいしい。」翠「な、舐めとられたですぅorz」雛「わーいなの♪うにゅーなの♪」金「流石に苺大福には合わないかしら。」
こうして下校時刻までお茶会を楽しんだ薔薇乙女達なのでした。
終わり
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