-ハチミツレモンキャンディ- Graduation
‐‐仰げば、尊し・・・よくよく考えると、なんとも厚かましい話だ。そんな悪態をついても、誰も気にもとめない。そんな卒業証書授与式を終え、外に出る。‐‐あぁ、僕はもうこの学校から追い出されたわけか。未だに大学も決まらずに。だが、どうやら僕だけではないようだ。-ハチミツレモンキャンディ-Graduation卒業式を終え、友達とバカ騒ぎをしに行くも心底騒げない。未だに滑り止めすらままらない僕の心境をわかってくれるのは、彼女だった。薔「・・・やっほー。」J「よっ。卒業おめでと。」薔「おめでと。」J「卒業式出た?」薔「・・・学校には行った。」流石です。J「そっか。だから制服なんだ。」薔「そのとお~り♪」J「ってかもう決まった?」薔「・・・決まってない。もうどこでもいいから行きたいお・・」J「じゃあ、日曜受けるの?」薔「・・・うん。経営。君は?」J「僕は産業社会。」
決まってないのは、彼女も一緒だった。それに二人とも国公立結果待ち。悲しいが、どうしても親近感が湧いてしまう。‐‐それでもよかった。理由は、特に無い。あるとすれば・・・薔「・・・はい、卒業祝い。」彼女が渡してくれた、キャンディ。J「ありがと。」口に含むと、やっぱり甘酸っぱかった。薔「・・・日曜で終わるといいなぁ。」J「大丈夫だよ。信じてたら大丈夫。」薔「・・・うん。」J「じゃあ僕からも。はい、卒業祝い。」僕が彼女に渡したのは・・・何故か、緑茶キャンディだった。其処に、大した意味はない。仮に、あったとしても・・・‐‐心のアルバムに、しまっておくべきものだから。
薔「・・・これで、日曜受かるよ。」J「間違い無いw」薔「・・・頑張ろ♪」J「うん。受かって来よ。そんじゃ僕、帰るわ。」薔「・・・ばいちゃ。」僕は、塾を後にした。西の空は、まだ燃えている。まだ、終わってないからそう見えるのだろうけど。そうだとしても、僕は次で終わらせる。そう、堅く心に誓った。
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